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結婚とお金の真実「“結婚”で損をするって本当!?」 [with]

2018年07月31日(火) 12時00分配信

講談社with


え!?極論 “結婚”で損をするって本当!?




サラリーマンの給料が上がりにくい昨今、結婚は金銭的に"無意味"なの!?
専門家の見解を交えながら、見て見ぬフリはできない「結婚とお金」の問題に迫ります!


愛とお金は別問題!結婚はコスパが悪い!?


「結婚すれば愛する彼と家族になれるし、住居費や食費も折半できて一石二鳥!」
「高給取りのセレブ男子を捕まえれば、専業主婦になって養ってもらえるかも!?」 と、結婚に経済的なメリットを期待している独身読者は少なくないはず。
しかし、周知の通り(!?)、現実は甘くない。



〝婚活〞という言葉の生みの親である作家の白河桃子さんは警鐘を鳴らす。
「終身雇用制度が崩壊した現代は、結婚して専業主婦になれば安泰という時代ではありません。どんなに家事や育児をがんばっても、夫が失業して生活がままならなくなったら〝頑張り損〞です…….。正社員で働き続ける女性と専業主婦の生涯年収の差は2億円と言われていますし、結婚がコスパの高い選択とは限りません」



一方、結婚後に共働きを選べばお金の心配をしなくて済むわけでもない。
外資系金融機関勤務を経て作家に転身した藤沢数希さんが解説する。
「夫が定職に就かずあまり稼いでくれない場合など、夫の方が低所得だと離婚して〝切り捨てる〞のは簡単ではありません。妻が頑張って稼いだ財産を持って行かれる可能性もあります。そういった結婚の制度をちゃんと把握しておかないと、金銭的に痛い目を見るかもしれませんよ」

総じて、愛情とお金は切り離して考えるべき

家計再生コンサルタントの横山光昭さんも続ける。
「世帯年収にかかわらず、夫婦間で〝お金のルール〞が確立されていないと、お金が貯められなくて老後の生活に困るケースが多いです」

さて、覚悟はできましたか?
ここからはさらにシビアな「結婚とお金」の問題に迫ります。

「結婚」が必ずしも懐を豊かにすると思ったら大間違いです!


本当は知りたくない!でも知っておけば役立ちまくる情報満載!





愛の価値はお金に換算できません!
でも、お金を度外視して結婚すると思わぬ〝落とし穴〞にハマって生活に困窮することも……。
現代の結婚事情に詳しい白河桃子さんと藤沢数希さんが、ちょっとシビアな「結婚とお金」の関係を語ります。



結婚は借金の連帯保証人になるより恐ろしいシステム!?




藤沢 男女平等を目指す社会になっているとはいえ、まだ心の奥底で「結婚したら男性に養ってもらいたい」と思っている女性が多いですよね。

白河 同感です。以前、withの企画で20代独身女子座談会に出席した時も、「夢は専業主婦」と語る女性がいましたから。しかし、養ってほしいと思う女性に対して、養える収入がある、または養う気持ちがある男性の数が少なすぎるのが現実。この〝不都合〞が、晩婚化や少子化の一因になっていると思います。

藤沢 しかも、高給取りの男性にとっては、結婚ほど不都合な契約はありませんから。日本の法律では、仮に妻の浮気がきっかけで離婚裁判を起こしても、離婚が成立するまでの間、数年にわたり毎月数十万円の支払いを命じられることがあるんです。

白河 収入の高い方に「婚姻費用」という月々必要な生活費の支払い義務が生じるからですよね。浮気は立証が難しく裁判が長引きますから、婚姻費用だけで財産がなくなるケースも。

藤沢 妻が専業主婦だった場合も、結婚してから夫が築いた財産は均等に分配されるのが基本。つまり、収入が低い方が離婚すると儲かるわけで、それを知っている頭のいいセレブ男性は婚姻届に判を押さないこともあると聞きます。結婚は借金の連帯保証人になるより恐ろしいシステムですよ。

白河 極端な表現ですね(笑)。でも、婚姻費用の存在は、with読者世代の働く女性もしっかり把握しておくべきかもしれません。



ビンボー男子と結婚すると財産を奪われることも!




藤沢 その通りです。バリバリ働くキャリアウーマンは、「いつでも会える」ような暇で低所得の男性と恋愛することがありますが、そのまま結婚するのはハイリスク。いざ関係がこじれてしまった場合、ヒモ同然だった夫に財産を持って行かれることになります。その男性の子供が欲しくても、結婚せずに婚外子として育てるという選択肢もあるのです。

白河 フランスやスウェーデンなど、ヨーロッパでは婚外子の割合が50%を超える国が珍しくありませんよね。キリスト教の影響で離婚のハードルが高い一方で、婚外子でも法律婚と同等の補助が受けられる制度が整っているからです。ただ、日本では事実婚だと国から不妊治療の助成金が出ないなど、婚外子をサポートする制度に関しては後進国。結婚というステップを踏まないと子どもが産みにくいのが現状です。

藤沢 妻も子どもも十分に養える収入があっても、結婚に後ろ向きな男性もいます。僕の知人のお金持ちの男性は、酔っ払った勢いで結婚を承諾したり、彼女に勝手に婚姻届を出されたりしたときの対策として、区役所に婚姻届の「不受理申出書」まで提出しているくらいです。

白河 区役所でそんな手続きができるなんて、知りませんでした(笑)。近い将来、日本もセレブ男性が事実婚や婚外子しか認めてくれない時代になるかもしれませんね。


専業主婦願望の代償で2億円を逃すことも!?


白河 ミクロエコノミストの是枝俊悟さんに計算してもらったところ、専業主婦になりたいなら年収600万円以上の男性と結婚しないと割に合いません。掃除や家事といった労働の対価を、最低賃金以下で担うことになるからです。さらに、出産後にワンオペ育児をする場合は、長時間労働になるため夫の収入が1250万円必要な計算になります。

藤沢 その条件を満たす男性と結婚できる女性は一握りですよね。やはり、未婚女性は専業主婦願望を捨てる覚悟を持った方がいいのかな。共働きを選択しても、日本の男性は家事や育児でほとんど役に立たないという現実もありますが。

白河 政府が主導する「働き方改革」によって、男性が育児に参加しやすくなってきてはいるんですけどね。「夫の方が収入が高いから」と、妻が働きながら家事や育児を全面的に担うのはブラック企業に勤めるようなもの。その分、お小遣いアップを要求するなど、公平なルールを決めることが大切です。

藤沢 こうした議論をすると「愛は金勘定ではない」という批判の声が聞こえてきそうですが、お金を度外視して結婚する人を否定する気は一切ありません。ただ、愛する人と誠実に向き合いたいなら、真実から目を背けてはいけないのも事実です。

白河 私は、どんな結婚をしても、女性はなるべく仕事を手放さないことをおすすめしたいです。とくに出産後の働き方は、選び方によって生涯年収に1億円から2億円の差が出ます。「子どもを自分の手で育てたい」と、いったん仕事から離れることでその後の生活レベルが極端に変わってくるので。また、結婚する前に、彼とお金に関する価値観を擦り合わせておくことも大切です。それができれば、誰と結婚しても幸福感を得られるのではないでしょうか。


教えてくれたのは

白河桃子さん



少子化ジャーナリスト・作家。婚活ブームを巻き起こした著書『「婚活」時代』は19万部の大ヒット。近著に『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』などがある。



藤沢数希さん


理論物理学研究者、外資系金融機関勤務を経て作家に。ブログ「金融日記」管理人。『ぼくは愛を証明しようと思う。』、『損する結婚 儲かる離婚』など著書多数。

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