• > 【母とヨーロッパへ行く】母は旅のベストパートナー? [mi-mollet]

【母とヨーロッパへ行く】母は旅のベストパートナー? [mi-mollet]

2018年07月21日(土) 10時00分配信

ジェーン・オースティンを巡る旅の途中。イギリス中部をドライブ中にひと休み(photo by Atsuko Ota)

ヨーロッパを中心に10年以上、母との旅を続けている、太田篤子です。
年のいった母との旅はいいことがいろいろある一方、高齢ならではの問題もたくさん。一方的な“親孝行”ではなく、自分も母もともに楽しむためにはコツが必要です。この連載では私の経験から得たポイントを実例とともにお伝えしていきます。

旅好きの母と年に1回、海外旅行に行くようになって約10年。今では、わたしにとっても母にとっても、この旅は一年で最も楽しいイベントで、慌ただしい毎日を乗り切った先にあるごほうびとして、精神的な支えにもなっています。

喜寿を過ぎた母と50過ぎの娘の旅。なんて親孝行な! とよく言われますが、結果的にそうなっているだけでして、この“母娘旅”のメリット、実はたくさんあります。その中からいくつかあげますと……

母が元気でいようと体力づくりをする
母は60代で膝を悪くして、一時は近所の散歩さえ面倒がるほどでした。それが今では旅の予定を決めた途端、体力作りに励み、健康でいようとします。そうした目標ややる気を母のなかに芽生えさせたことが、実はいちばんの親孝行かもしれません。

遠慮がいらない、気楽でいられる
母親には何を思われてもかまいません……よね? お互いの見え方が変わることも、二人の関係性が変わることも今さらありません。高齢ということでの配慮は必要ですが、気持ちの上で思いっきり羽を伸ばせるのは、楽しい旅の大事な要素です。

スケジュールを自分に合わせられる
母は言ってみれば“365日お休み”。ですから、いつでも旅立てます。私の場合、子育てが一段落したので、夫とも出かけたいのですが、仕事を一緒にしているので2人同時に長く休むのは難しい。友人とは休みのスケジュールを合わせるのが大変だし、まだ子育て中であればなおさらです。
そして、私はひとり旅に向いていないタイプ。旅好きのはしくれとして、ヨーロッパひとり旅もしてみましたが、どうにもつまらない。「わー美味しい!」「きゃー素敵!」と誰かと顔を見合わせて笑い合いたいのです。気楽な間柄で、旅の感動を共有できる人がいつでも、それも喜んで控えてくれているのはとてもありがたいことです。
そうはいっても、年のいった母親を連れての旅は結構コツがいるのも事実。

photo by Atsuko Ota

「疲れるのが早い」ことには、1日1予定とこまめなトイレ休憩で対応。レンタカーを使えればなお良し。

パリからほど近い、フランスの中世都市プロヴァン。ヨーロッパの街は広場がいたるところにあるので休憩に便利。

photo by Atsuko Ota

「母娘ならではのイライラ」には、ひとりの時間を作ることと、なるべくならきちんと離れたツインベッド(ヨーロッパでは意外に少ない)の部屋が大切。

イギリス、ダービシャーにある『高慢と偏見』の舞台となったお屋敷に近いホテル。

photo by Atsuko Ota

「突発的トラブルに対応できない」ので、基本的にすべてを計画(予約)して、起こりそうな小さなトラブルを前もって想定しておく。

高齢女性の“あるある”、荷物が多いことにもレンタカーの旅なら問題なし。スペインでドライブ中の車窓から。

そのほかにも、言葉がまったくできない、スマホやPCが苦手、変なところにこだわる……といった年寄りならではのマイナス条件はたくさん。それらをひとつひとつ、工夫をして乗り越えてきました。

講談社mi-mollet

太田篤子/おおたあつこ

大学卒業後、大手百貨店で美術オークションの仕事に就く。24歳でレーサーの太田哲也氏と結婚して退職。夫がレース中の事故で重傷を負い、3年間看病にあたる。その後、夫の立ち上げたモーターブランドの会社でともに働くことに。2人の子どもが手を離れ、母を連れて旅行に行くうち、年配の親を連れての海外旅のノウハウを得る。特にヨーロッパのクルマ旅が得意。

【関連記事】

NEWS&TOPICS一覧に戻る

ミモレ
FRaU DWbDG
  • FRaU DWbDG
  • 成熟に向かう大人の女性へ
  • ワーママ
  • Aiプレミアムクラブ会員募集中!

このページのTOPへ戻る