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【スーパー美白成分】ハイドロキノンの真実とは? [VOCE]

2018年06月18日(月) 20時30分配信

美白成分だけど扱いが難しい???

美白の成分として、よく話題にものぼるのがハイドロキノン。“漂白剤”と異名をとるだけあり、期待ができる分、刺激が強そうという懸念も。そこで、安定型ハイドロキノン配合コスメの開発を手がける、本誌でもおなじみの皮膚科医、高瀬聡子先生に解説してもらいました!

お話をお伺いしたのは……

高瀬聡子先生

ウォブクリニック中目黒総院長。美容皮膚科医。VOCEをはじめ、多くの雑誌やテレビなどの媒体で、スキンケアについて取材を受けること多々。皮膚科医のノウハウを盛り込み、使い心地にもこだわったドクターズコスメ「アンプルール」の開発も手掛ける。著書に『健康な肌のための新常識 いちばんわかるスキンケアの教科書』(講談社)など。

“漂白剤”との異名をとるハイドロキノンの特長!

1:メラニン還元力が強い=今あるシミを薄くする力がある!
まずはシミの生成メカニズムのおさらいから。紫外線などを浴びると、そのダメージで細胞の核が傷つかないように、細胞の核を守るため紫外線を吸収するメラニンをつくりだします。このメラニンの生成と、メラニンが不要になった後の排出のバランスが上手くいっていれば問題ないのですが、加齢などにより、このバランスがくずれるとメラニンが凝集してシミになったり、くすみになったりするのです。

メラニンはどんどん酸化していくうちに茶褐色(いわゆるシミの色)に色づきますが、この茶褐色になったメラニンを薄くする力=還元力があるのが、ハイドロキノン最大の特徴です。つまりシミを薄くすることができる!!

実は、このメラニンの還元作用、ビタミンCにもありますが、その力はハイドロキノンの方がとてもパワフルです!

チロシナーゼ活性表

2:メラニンのもとを抑える力は一般的な美白成分の約100倍!!
紫外線を浴びると、“メラニンをつくれ”という指令が出され、まずチロシンというアミノ酸ができます。このチロシンに働きかけて茶褐色のメラニンに変化するのが、酵素チロシナーゼ。美白有効成分として医薬部外品の美白コスメに配合されているビタミンC誘導体やアルブチン、コウジ酸なども、この酵素チロシナーゼの働きを抑えてメラニンを防ぎますが、ハイドロキノンにも同様の働きがあるんです。

しかも、そのパワーはアルブチンのなんと100倍ともいわれています。(左図)

つまり、ハイドロキノンは、シミができるのを予防する効果と、できでしまったシミを薄くする効果を備えた、スーパー美白成分なのです。

ハイドロキノン配合コスメが少ない理由

ハイドロキノンは、シミやくすみの原因となるメラニンの予防&改善効果が期待できるにもかかわらず、実際にハイドロキノンを使用しているコスメは限られています。しかも、現時点では、医薬部外品の美白有効成分として認められていません。

1:酸化しやすく不安定だから、化粧品に配合しにくい!
酸素、光、温度、時間などの影響を受けやすくとても酸化しやすい成分であるなどの理由により、2001年の薬事法の改正までは、日本では医師の処方箋が必須であり、一般的な化粧品に入れることはできなかったのです。

ハイドロキノンは白い粉ですが、酸化すると黄色く変色し、効果が落ちます。そればかりではなく、キノンという別の物質に変化し、肌の刺激となることも。そのため、化粧品の場合、購入した後の管理方法はその人次第という点からしても化粧品への配合するのは難しいのです。

クリニックで処方するときも、水系の基剤には混ぜず、処方するタイミングで油系の基剤に混ぜてお渡し、冷蔵庫での保管、使用量や期限の厳守をお願いしています。

2:効果がパワフルなので、処方に注意が必要
もうひとつの理由として挙げられるのが、“効きすぎる”ということ。実際に10%という高濃度のハイドロキノンを長期的に使用したときに白斑になったという報告もあります。そのため、クリニックで医師が処方のうえ、適切な期間を使うのが好ましいとされてきたのです。

ちなみにクリニックで一般的に使われているのが5%と10%。肌の状態に合わせて短期間に限って処方しています。そして、クリニックではハイドロキノンだけでシミの治療をするというよりは、シミ取りレーザーと合わせて処方するのが一般的。なぜなら処方薬のハイドロキノンだけでは角質が厚くなっているシミの部位には浸透しにくく、効果を十分に発揮できないため。レーザーでシミをとったあとに、さらに色素沈着を防ぎ、取り除くために使用します。

また、残念ながらハイドロキノンが合わない人がいます。その確率は10%。クリニックではそういった反応も見極めながら、適切に治療を進めていきます。

ハイドロキノン配合コスメは安全か?安定型ハイドロキノン配合かをチェック!

ポイントとしては、“安定型ハイドロキノン”を使っているかどうかです。これは、各企業が先端の技術を用いてハイドロキノンを安定化させたたもの。酸化などの変質が起こりにくく、刺激性も軽減し、安定して使えるのが魅力です。もちろん、きちんとした理論に基づいて処方を設計するが必要であり、その点も踏まえるとドクターズ系や製薬会社系のものがオススメです。日本では化粧品におけるハイドロキノンの濃度制限がないので、その点も含めてチェックしてみましょう。

ハイドロキノンとハイドロキノン誘導体は、肌へのアプローチが異なる!

コスメの成分をみていると成分名のあとに“誘導体”がつくものがあり、ハイドロキノンにもハイドロキノン誘導体というのがあります。

誘導体の中でも有名なのは、ビタミンC誘導体。ビタミンCと化学式的にメインの部分(美白作用に関する部分)は同じで、それに付随する部分の化学式が違うもの。ビタミンC誘導体は肌に塗るとこの付随する部分が離れ、肌の中でビタミンCとして働くため、ほぼ同じ働きをします。

対して、ハイドロキノンとハイドロキノン誘導体の共通する部分はメインではない部分。効果は同じというよりは似ている範囲にとどまります。そのため、きちんとハイドロキノンの還元効果やパワフルな美白作用を求めるなら、誘導体ではなく、安定型ハイドロキノン配合タイプがオススメです。

これらを踏まえて正しく選び、適切に使えば、高い効果がきちんと期待できるハイドロキノン。頑固なシミが気になる方は、一度試してみる価値ありです!
安定化ハイドロキノン配合コスメをご紹介

アンプルール ラグジュアリーホワイト コンセントレートHQ110

安定化ハイドロキノン配合コスメをご紹介

高瀬先生が開発を手掛けた夜用美容液は、より安定性の高い、新安定型ハイドロキノンをシリーズ最高濃度配合。ゲル状の液がピタッと密着し、ジワジワと“シミ抜き”効果を発揮し、さらなるシミの発生も防ぐ!

エピステーム クリニサイエンス HQレーザークリア

ロート製薬の技術を結集して安定性が高く、刺激性の極めて少ないハイドロキノンの処方設計に成功。さらにその働きをサポートする4種の成分も配合し、根深いシミができるメカニズムに多角的なアプローチを図る。

ビーグレン QuSomeホワイトクリーム1.9

カリフォルニア大学サンフランシスコ校で薬学の教授としてドラッグデリバリーシステムを研究するブライアン・ケラー氏が開発した医薬品にも用いられる独自の浸透テクノロジーを採用。ハイドロキノンを適切に届け、滞留させて効果を発揮。低刺激性も実現!

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