【薄毛対策】育毛を促進する方法、教えます [VOCE]

2018年05月31日(木) 11時00分配信

薄毛を簡単に予防!



薄毛は、エストロゲンが減少し始める35歳ぐらいから進み始めるもの。その進行を遅らせるために、手軽にできる予防法をオバジクリニック トウキョウ総院長の野本真由美先生に、教えてもらいました!

育毛剤ならミノキシジル配合のものが有効

加齢によるホルモン減少とともに頭頂部が薄くなってくるのは避けられないこと。男性の場合は厚生労働省認可の育毛治療剤が販売され、その効果についても報告されていますが、これが女性用のものとなると非常に少ない気が……?

「女性の薄毛対策は、男性の薄毛対策より難しいんです。男性にはフィナステリドやデュタステリドという成分を配合した厚生労働省認可の内服薬がありまして、それを飲めば一定の効果が出るというコンセンサスも得られています。が、女性の場合、それらの内服治療は使えません。一方、外用剤として使用するミノキシジルも、市販のミノキシジル配合の育毛剤の場合、男性用は5%配合であるのに対して、女性用は1%しか配合されていないため、効果が出にくいと感じる人もいます。ミノキシジルは血管拡張作用があるので、女性が男性と同じ高濃度のものを使用すると血圧の低下や動悸、頭痛などの副作用を生じることも。また刺激で皮膚トラブルを起こすこともありますから、男性と同じ濃度では使用することができないのです。そこで美容皮膚科では、ミノキシジルを女性に適したレベルで少し増量し、同時に抗炎症作用・抗酸化作用のある成分を併用した外用剤などを紹介しています。こういった治療をおこなうことで、『抜け毛が減って頭頂部が気にならなくなってきた』と実感している患者さんも多くいらっしゃいます」

薄毛になるのは“血虚”体質が原因の場合も

また直接髪だけに働きかけるものではないが、漢方薬で体質改善することも薄毛対策には有効だそう。

「東洋医学では、薄毛になる原因は“血虚”と考えられています。“血虚”とは血(けつ)が不足している状態のことで、肌が乾燥したり髪にうるおいがなくなったり、目が乾く、疲れるといった症状が起こりやすくなります。私の外来では、人の生命活動に必要な東洋医学の“気、血、水”の3つの要素をスコアリングして体質を調べることがありますが、東京在住の女性は血虚のスコアが高い人が多いなあと感じます。つまり、全身が乾燥しやすく爪や髪も非常に弱い女性が多い。私は普段は新潟に住んでいるのですが、新潟で同じスコアを取りますと、血虚の人よりも“水”のスコアが高く、むくんで冷えやすい人が多いのです。おそらく地域の気候の影響だと思うのですが、そういった血虚を補う漢方薬を服用するのも、薄毛対策の一つの方法ではあると思います」

そもそも薄毛の原因は、ホルモンの急激な減少によるところが大きいもの。それゆえ、ホルモンを緩やかに変化させる漢方薬の服用はとても有効だと言います。

「何でも急激に変化をすると、体は悩むもの。更年期はその最たるもので、急激な変化に心と体が追いつかず、様々な不快症状が出るわけです。更年期というと関係ないと思われるかもしれませんが、実際は、エストロゲンの減少は30代から始まっています。その頃から何か対応している人は、更年期の急な変化がやってきても、慌てる必要がないでしょう」

現代食は薄毛になりやすい!?

とはいえ、病院に行くのはちょっと面倒……と感じる人も多いはず。そこで、食事改善の方向から薄毛予防はできないかも伺ってみました。

「髪の主成分はケラチンです。ケラチンとは毛髪や爪、皮膚の主成分となっているタンパク質の一種で、これが足りてない方は、髪や爪がもろいし、皮膚もカサカサしがち。ですからケラチンを強くするには、何といってもタンパク質の摂取が欠かせないのですが、現代食はタンパク質不足になりがちです。たとえば朝はパン、昼は麺類、夜は丼もの、といった食事をしている方も少なくないのではないでしょうか? これだとタンパク質はほとんど摂取できないですよね。オススメは、肉や魚を朝昼晩の毎食必ず食べることです。そうすると、髪や皮膚のうるおいを構成するエンジンの基がコンスタントに入りますから、当然、体にも変化を感じると思いますよ」

つまり、薄毛を予防したいと考えているならタンパク質をたっぷり摂ることが不可欠ということ。それは、大豆などの植物性タンパク質でも効果はあるのでしょうか?
「もちろん、それも良いです。ただプロテインスコアというタンパク質の栄養価で見ますと、植物性タンパク質より動物性タンパク質のほうが、圧倒的にスコアが高いんです。つまり肉や魚のほうが効率のよい蛋白源であるということ。もちろん植物性タンパク質を摂ることも大事ですが、既に毛が抜け始めていて早く何とかしたいという方は、それこそお豆腐を毎食3丁ぐらい食べないと、抜け毛が減るとか新しい髪が生えてくる、といった効果までは出ないでしょう。でも肉や魚なら、たとえばお昼に鮭を食べて、夜に焼き肉を食べて、というぐらいで追いつきますよ」

薄毛で老け顔になる最大の理由とは……?

野本先生の話を総合すると、薄毛予防に有効なのは「シャンプーの量を減らしてしっかり泡立ててから洗うこと」、「肉や魚をしっかり食べること」、「毛染めの回数を減らすこと」、「ホルモンを急激に下げないよう漢方薬を服用する」といったことが挙げられます。とはいえエストロゲンは確実に減っていくものですから、どんなに予防を徹底しても、若いときとまったく同じ髪の状態を維持することはできません。そうなった場合は、ウィッグを使用するのもオススメだと先生は言います。

「人の顔は長くなると老けて見えるものなのですね。我々美容皮膚科医は、下がった頬の位置を高くみせるような施術をおこなうのですが、これは、そうすると頬の長さが笑ったときのようにやや短くみえて、若々しい印象を与えるためです。同様に髪が薄くなって額が広くなると、やはり顔が長くなって老けて見えます。歳をとると『若く見えるから』と帽子をかぶる方が増えますが、これも顔の一部が隠れて相対的に顔が短く見えるからなのです。だから、どうしても薄毛を防止しきれなくなったときは、ファッションとしてウィッグを着けて顔の長さを調節するということも、気軽に検討してほしいと思います。もちろん粗悪なウィッグを着けると蒸れて逆に炎症が起きてしまいますから、クオリティは大事ですよ!」

こうしてお話を伺ってみると、いつまでも若々しい髪でいる方法はいっぱいありますね。ぜひ、気になったものを試されてください!

教えてくれたのは…… 野本真由美先生

オバジクリニック トウキョウ総院長。美容皮膚科学、抗加齢医学、漢方医学の3本の柱から、最新の美容皮膚科治療をおこなっている。また年間30回以上の医師向け講演を全国でおこなう他、ミスユニバース新潟代表の審査委員長も務めるなど、多方面に活躍中。著書に『美容皮膚科で生きる漢方』(三恵社)がある。

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