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【マインドフルネスで解消】「疲れた」は体ではなく脳からきている! [VOCE]

2018年04月29日(日) 11時00分配信

マインドフルネスとは!?

休日はしっかり休んだはずなのに全然疲れがとれていない、なぜ……!? と感じている人。それは脳が休まっていないから! 脳疲労をとれば、体がスッキリするだけでなく記憶力や感情コントロール力も高まるんです!

脳はとっても大食漢

「疲れた」「疲れがとれない」と感じているとき、私たちはその原因を体に探そうとします。たしかに疲れているのは体。でも「疲れた」という感覚をもたらしているのは、実は脳なのです。つまり、どんなに体を休めても脳を休めない限り、疲労感はとれないということ。

そこでまずは、脳が「疲れた」と感じる理由について説明します。私たちの全体重の中で、脳の重さが占める割合はわずか2%。でも1日の消費エネルギーとなると、これが全エネルギー消費量の20%をも占めているのです! そう聞くと、脳の疲労をとる必要性を痛感しますよね。では脳は、なぜこんなにも“大食漢”なのでしょう?

脳疲労には、脳のDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)といわれる回路が大きく影響していると言われています。この部分は、何も考えずボンヤリしているときも働いており、その活動量は、脳全体の活動量の60〜80%も占めているそう。脳が大食漢なのはこのため。それゆえ、このDMN部分をしっかり休めることこそが、疲労感をとる大きな鍵となってくるわけです。

ではどうしたらDMNを休めることができるのでしょう? その前に、DMNの働きについて解説したいと思います。

現代人の脳はとくに疲れやすい

DMNは“心がさまよっているときに働く回路”とされています。分かりやすく言うと、“雑念”の大元ですね。私たちは日常の中で、ボーッと休んでいるときも常に「あの仕事を早くやらなければ」「あのとき、ああすれば良かった」などと、様々なことを考えてしまっているはず。これが、DMNが休まらない最大の理由。しかも情報社会に生きる現代人は、常にスマホやパソコンから新しい情報が入ってくるため、なかなか脳を休めることができないのです。

そこで脳疲労をとるには、この“雑念”を断ち切り、脳のDMN部分を休ませることが必要になってきます。そしてお金も医療器具も必要とせず、過活動状態になったDMNを鎮めることができるのが、今、巷で話題のマインドフルネスなのです。

マインドフルネスのやり方、脳の疲労をとる呼吸法とは?

マインドフルネスの定義は、「“今ここ”の経験に対して、評価や判断を加えず、能動的に注意を向けること」。つまり、呼吸や自分の体の感覚に意識を向けることで、DMNの活動を鎮めることを狙った休息法です。

……と言われても、イマイチよく分かりませんよね? そこで、実際のマインドフルネスのやり方をご紹介したいと思います。マインドフルネスには、いくつかのやり方がありますが、ここでは、「とにかく疲れがとれない」という人のための“脳疲労をとるマインドフルネス呼吸法”をお伝えしたいと思います。
マインドフルネス呼吸法

1:基本姿勢をとる

マインドフルネス呼吸法

背中は背もたれにつけず、背筋を軽く伸ばし、椅子に座る。目は閉じて、手は太ももの上に乗せる。

2:体の感覚に意識を向ける

接触の感覚(足裏と床が触れている感覚、お尻と椅子が触れている感覚、手と太ももが触れている感覚など)に意識を向ける。さらに、体が地球に引っ張られている“重力の感覚”にも意識を向ける。

3:呼吸に注意を向ける

呼吸に関わる感覚(鼻を通る空気、胸やお腹の上下、吸う息と吐く息の温度の違いなど)に意識を向ける。鼻呼吸がオススメで、深呼吸を意識する必要はない。

4:雑念が浮かんだら……

雑念が浮かんだら、雑念が浮かんだことに気づき、また意識を呼吸に戻す。雑念は浮かんで当たり前なので、「雑念ばかりでダメだな」などと自分を責めない。

毎日、同じ時間、同じ場所でやるのがオススメ

このマインドフルネス呼吸法を、1日5分でも10分でもいいので、毎日続けてください。また、同じ場所、同じ時間帯におこなうことがポイントです。なぜなら脳には可塑性といって、自らを変化させる性質があるから。毎日同じ場所、同じ時間に脳を休ませることによって、次第にそれが習慣化し、脳の活動が過剰にならないようにクセづけられていくのです。つまり、疲れにくい脳へ変化していくということ。

他にも、マインドフルネスを続けた人には、ストレスホルモンのコルチゾールの数値が下がった、記憶力や感情調整を司る部位の密度が増加した、といった研究結果も出ています。

お金もかからず、いつでもどこでも手軽にできるマインドフルネス。なかなか疲れが抜けない……と感じている人は、ぜひ実践してみてください!

教えてくれたのは

久賀谷亮先生

医師(日・米医師免許)。医学博士。イェール大学医学部精神神経科卒業。イェール大学で先端脳科学研究に携わり、その後2010年にロサンゼルスで「TransHope Medical(くがや こころのクリニック)」を開業。マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開している。著書に『世界のエリートがやっている 最高の休息法』、『脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]』(ダイヤモンド社)など。

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