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【白河桃子さん×宋美玄さん】10年後、私たちの「婚活」はどうなるの? [with]

2018年04月15日(日) 11時00分配信

社会の変化がますます加速していく中で、20代女性の生き方・暮らし方は今後、どう変化していくのでしょう?

 

少子化ジャーナリスト 白河桃子さん×産婦人科医 宋美玄さん対談


テーマ:「婚活」




白河(以下・白) 「婚活」という言葉が生まれてから10年以上経ちましたが(註1)、今やすっかり若い女性が結婚に向けて能動的な行動を起こす時代になりましたね。

宋 その延長線上にある「妊活」に励む女性も明らかに増えていて、私が昨年9月にオープンした丸の内のクリニックには毎日大勢のOLさんが訪れています。

白 10年前と比べると育休も取得しやすくなり、仕事と育児の両立を目指しやすくなっていますよね。そう考えると、今後10年で女性を取り巻く社会の制度や意識の改革はさらに前進するでしょう。

宋 結婚にしろ、出産にしろ、先進的な選択をすることへの偏見はなくなると思います。

白 私はサイボウズの社長である青野さんが起こした夫婦別姓を求める裁判(註2)の動向に注目しています。家制度のような日本の古い考え方に縛られることなく、夫婦が自由に姓を選択できるようになれば、結婚のひとつの障壁だった案件がなくなるわけです。

宋 出産の現場でも、日本人は自分の姓やDNAを引き継ぐことにこだわる人が多いので、体外受精で失敗を繰り返しても、卵子提供や代理出産を受けたがらない人が多いんです。でも先日、丸岡いずみさんが代理母出産で子どもを授かったニュース(註3)は、祝福するムードで受け取られていましたよね。それは、少しずつ多様性がある社会になってきている証拠。

白 結婚や出産に関する制度や法律は、わずか10年で激変することはないと思います。ただ、今はネットやSNSが台頭して、先進的な選択をする人を身近に感じることができます。それに伴い時代の空気は刻々と変わるので、今後はもっと固定観念に縛られない生き方がしやすくなるでしょう。

宋 そうですね。結婚しない生き方だってぜんぜんアリですよ!

白 昔のように終身雇用制度が確立していた頃と違い、結婚して専業主婦になれば安泰ではないですからね。むしろ生存戦略としてはリスクが高い場合もあり、結婚が当たり前の時代ではなくなっています。だから、結婚せずに、シェアハウスで親友と暮らし続ける人も増えるでしょうね。一人で生きるより経済的に効率が良いし、リスクを背負わずに済むので。

宋 女友達を大切にしておいたほうが、死ぬときに孤独を感じないかもしれません。結婚しようがしまいが、「男が先に死ぬ」という平均寿命はきっと50年後も変わってませんから(笑)。




註1:2008年に出版された白河桃子さんの著書『「婚活」時代』のヒットにより、「婚活」が流行語大賞に2年連続でノミネートした。

註2:ソフトウエア開発会社「サイボウズ」の社長・青野慶久さんは、結婚を機に妻の姓を選択。所有していた株式の名義を戸籍上の姓に書き換える際に多額の不利益が生じたことから、国に損害賠償を求めた。姓も選択できる方が働きやすさにつながると訴えている。

註3:2018年1月23日にフリーアナウンサーの丸岡いずみさんが、凍結受精卵を用いたロシアでの代理母出産で子どもを授かったことをブログで発表した。




「夫婦別姓が選択できるなど、結婚の形式や価値観がさらに多様化する」(白河桃子さん)


「生存戦略としての結婚はハイリスク!? 女子は婚活の前に"自活"が大事」(白河桃子さん)


白河桃子さん 

撮影/講談社with

白河桃子さん 

少子化ジャーナリスト・作家・内閣官房「働き方改革実現会議」有識者議員など、多方面で活躍。婚活ブームを巻き起こした著書『「婚活」時代』は19万部の大ヒット。近著に『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』などがある。
宋美玄さん 

撮影/講談社with

宋美玄さん 

カリスマ産婦人科医として講演会やテレビに出演し、女性の妊娠やセックスの悩みに対する啓蒙活動を行う。自身も子育てと仕事を両立。『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』『女のカラダ、悩みの9割は眉唾』など、著書多数。

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