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【ビジネス&日常】聞き上手、会話上手になる秘訣は? [おとなスタイル]

2018年04月08日(日) 10時00分配信

岩下宣子さんの「大人の敬語・話し方レッスン」

話し方は、その人の印象を大きく左右します。特にビジネスシーンなどの公の場では、プライベートとは異なり、丁寧で失礼のない言葉が求められます。美しい敬語が自然に出てくる女性は、それだけで大人の女性、魅力的な女性に見えるもの。「言葉遣いは心遣いです。心は言葉によって熟成し、よい心はよい言葉で熟成されるのです。よりよい人間関係づくりのためにも相手への思いやり・配慮のある話し方や、相手を尊重する敬語のマナーを学んでほしいと思います」と語るのは、『図解 社会人の基本 敬語・話し方大全』の著者であるマナーデザイナーの岩下宣子さん。
「大人の敬語・話し方レッスン」は、聞き上手、会話上手になる話し方についてうかがいました。

まずは、以下のクイズに挑戦してみてください。

【問題1】
目上の人に対して失礼のない「あいづち」としてふさわしいのは、次のうちどれでしょうか?

A なるほど!

B なるほど、ですね。

C なるほど、そうですね。

D なるほどで、ございますね。


【正解・解説】
C なるほど、そうですね。
「なるほど」は本来、上の立場の人が、下の者が言ったことに“感心した”という意味で使う言葉です。相手の意見を評価したうえで同意するというニュアンスがあるため、相手が対等の立場でも多用すると嫌味にとられる可能性も。上司や目上の人との会話では避けた方が好ましいですが、もし使うのであれば言い切りではなく「そうですか」「さようですか」とつなげて、丁寧な言い回しにしましょう。ちなみに「ですね」は軽すぎますし、「でございますね」は丁寧すぎて、どちらも茶化した印象になるので注意してください。


いかがでしたか? 日常生活の中でもよく使う「あいづち」にも、意味や使い分けが必要ということですね。それでは、まずは聞き上手になるポイントから教えていただきましょう。

「聞かせてもらう」態度が大事! 「聞くが6割、話すが2割」の心づもりを

言葉づかいが丁寧であっても、いい加減に聞いていると、それは必ず態度に表れてしまいます。相手の話を「聞かせてもらう」態度で聞くことは、公私を問わず大切な大人のマナーと心得てください。聞き上手になることは、会話を楽しくするコツでもあります。「聞くが6割、話すが2割」の心づもりで、相手の話に耳を傾けてみましょう。
聞き上手になるために欠かせない、「あいづち」「うなずき」「オウム返し」などの言葉や動作は、会話をスムーズにしてくれる便利なものです。それぞれの正しい用途を知って、上手に活用してみてください。

聞き上手になる3つのポイント

◆あいづち
聞き手が話者に関心を持ち、理解していることを示す会話中の用いる言葉。

同意 例「そうですね」
相手に共感した時や、反対意見を述べる場合も、先に同意のあいづちを打つことで、その後の会話がスムーズになる。

展開 例「それから?」
話題をふくらませ、会話を展開させる。相手の感情の動きに合わせてあいづちを打つことで親近感が増す。

転換 例「ところで」
話の方向転換をしたいと時に使う。「ところで、今のお話で思い出したのですが……」といった具合に、さりげなく話をそらす。

◆うなずき
会話中に、あいづちと同時にうなずく、あるいは身をのり出して聞くなど、動作でも話者への関心や理解を示すこと。

◆オウム返し
相手の言葉をそのまま、あるいは部分を疑問形で返答すること。会話の継続をスムーズにする。

話者 「京都に行きました」
例  「京都ですか?」


続けて、もう1問クイズです。
【問題2】
お客様から名刺をいただいたタロウさんは、相手の名前の読み方を聞こうとしています。( )の内に入れる適切な言葉を選んでください。

(                 )、
お名前を何とお読みすれば、よろしいでしょうか?


A 申し訳ございませんが

B あいにくですが

C ご面倒をおかけいたしますが

D 失礼ですが


【正解・解説】
D 失礼ですが
失礼ですが、お名前は何とお読みすれば、よろしいでしょうか?

この場合は、相手の名前が読めないことが、“失礼にあたる”という意味で、「失礼ですが」と話しかける。

×A 申し訳ございませんが → 相手に迷惑をかける時などに使う。
×B あいにくですが → 相手の意に添えない時などに使う。
×C ご面倒をおかけいたしますが → 相手に手間をかける時などに使う。


正解できましたか? このような言い回しができる人は、会話をスムーズに進められる会話上手な人ともいえるのだとか。ここからは、会話上手になるために知っておきたいポイントを紹介していただきました。
やわらかな印象を与える 「クッション言葉」を活用する

やわらかな印象を与える「クッション言葉」

やわらかな印象を与える 「クッション言葉」を活用する

ビジネスや初対面の人と話をする場合、特に言いにくい「お願い」「断り」「お詫び」などは、ストレートに用件を切り出すと事務的で冷たい印象になりがちです。そこで、「恐れ入りますが」「よろしければ」といったやわらかな印象の言葉をプラスしてみてください。これだけで受け手の印象は大きく変わり、会話もスムーズになっていきます。
このような会話をやわらかくする言葉を「クッション言葉」と呼びます。クッション言葉は、会話のはじめに使うのが基本ですが、その時、その時の状況に合わせて、前と後に使い、用件を挟むケースもありますので、よく使う言い回しを覚えておくとよいでしょう。

「クッション言葉」としてよく使う言い回し

◆お願い・尋ねる
(前につけるクッション言葉)


失礼ですが、
恐れ入りますが、
大変恐縮ではございますが、
お手数ですが、
差支えなければ、
申し訳ございませんが、
よろしければ、

◆注意・警告
(前につけるクッション言葉)


恐れ入りますが、
お手数ですが、

(後ろに付けるクッション言葉)
ご遠慮願えませんでしょうか。
ご容赦ください。

◆断る・詫びる
(前につけるクッション言葉)


せっかくではございますが、
大変残念でございますが、
失礼ですが、
失礼とは存じますが、
身に余るお言葉ですが、
申し訳ございませんが、

(後ろにつけるクッション言葉)
〜いたしかねます。
〜できかねます。
〜ご容赦ください。
お役に立てなくて申し訳ございません。

岩下 宣子(いわした のりこ)


「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事長。1945年、東京都に生まれる。共立女子短期大学卒業。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとで学ぶ。’84年、現代礼法研究所を設立。マナーデザイナーとして、企業、学校、商工会議所、公共団体などでマナーの指導、研修、講演と執筆活動を行う。『知っておきたいビジネスマナーの基本』(ナツメ社)、『ビジネスマナーまる覚えBOOK』(成美堂出版)、『好感度アップのためのマナーブック』(有楽出版社)、『図解 マナー以前の社会人常識』 、『図解 マナー以前の社会人の基本』(講談社+α文庫)など著書多数。

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