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まだ間に合う!失う「歯」を減らすために歯科医と考える5つの対策 [おとなスタイル]

2018年03月29日(木) 10時00分配信

これからの自分のケアと治療を見つけるために、歯科へ行こう

イラスト/平田利之

これからの自分のケアと治療を見つけるために、歯科へ行こう

歯の治療を始めたら一体いくら費用がかかるのか? 不安でついつい歯科医院から足が遠のいてしまう、そんな人もきっと多いのでは? ならば、「歯科ドックとセルフケアプログラムから始めてみては」というのが歯科医師・佐藤由紀子さんの提案です。
「費用は、歯科ドックとレッスン&クリーニングで合計10万円程度。生涯、口の健康を守っていくためのレッスン料だと思えば、高くはないと思います。ケアや治療の方針が見えてきたら、できるところから無理なく治療を始めればいいのです」
過去に治療した歯でも、年月が経てば腐食したり、欠けたりして嚙みにくくなります。また、虫歯や歯周病になると、歯や歯茎の色は変色し、形も崩れてきます。歯と歯の隙間が開いてくるのも、歯周病が原因のひとつです。年齢とともに口の中は大きく変化しているのです。
「50代は一度自分の歯の現状を確認するのにいい時期。そのままにしていると、あ、と思ったときには、どんどん歯を失って総入れ歯になってしまう人も。早めに気づけば、失う歯を減らすことは50代なら十分可能です。行き当たりばったりでケアするよりも無駄もなくなるはずです」

1.口の中のコンディションを知る「歯科ドック」

歯科ドックでは、歯、歯茎、唾液、細菌などの検査や、嚙み合わせの状態、歯の色や形、歯並び、口元や顔のゆがみなどの審美的問題もチェックします。口と歯の弱点を詳細に調べ、将来を予測して対策を練ることも。「最終的に、自分で自分の口の中の健康を守れるようにすることが目的です。自己管理の大切さやその方法を学ぶことは、一生の財産になると思いますよ」

2.「年齢とともに歯は悪くなる」と諦めない

いつまでも治療が終わらない。笑うとかぶせものの金属が見えてしまう。歯周病で歯がグラグラする、歯肉は赤く腫れて、歯には隙間ができている……。こうした口元の変化を、年齢のせいと諦めていませんか。
「隙間のない白い歯にすることも、ピンク色の歯茎に戻すのも可能ですよ。歯並びを整えたければ、年齢を重ねてからの歯列矯正も十分できます。50代であれば選択肢も多いですね」と佐藤さん。希望にあった治療を受けるには、クリニック選びも重要。「治療技術の質が高いことはもちろんですが、予防医学やカウンセリング、メンテナンスに力を入れている歯科がいいでしょう」

3.3ヵ月に1度はプロのメンテナンス

セルフケアのいちばんの目的は、プラークコントロールをしっかりと行うこと。歯垢(プラーク)のうちに取り除いて、歯石(プラークが石灰化したもの)にしないように、丁寧な歯磨きが大事になります。一方、プロケアでは、歯科医や歯科衛生士がメンテナンス。嚙み合わせの調整やセルフケアではケアしきれずできた歯石や歯周ポケットのクリーニングなどを定期的に行います。
「セルフケアとプロのケア(メンテナンス)の両輪で、いい状態を維持することが、治療後の歯をより長く美しく保つ秘訣。そのためにも、定期的に口の中の状態をみてもらえるホームドクターを確保しておくべきです」

4.噛み合わせを治せば肩こりも解消

「肩こりや頭痛、腰痛で長年悩んでいる人を診察すると、噛み合わせの悪化が原因のことがよくあります。治療をして正しい噛み合わせに治すと、アッという間に痛みがひいていくので、驚かれます。姿勢や笑顔も美しくなって、顔も全身も若返る方も多いですね」と佐藤さん。
よく噛めない、笑えない、歯がすりへる、かぶせものが破損した、歯がぐらつく、口を開くとあごが鳴るなどの症状がある場合は、差し歯などが合わないなど、何らかの原因で嚙み合わせが崩れてきている可能性があります。
「歯科ドックでチェック可能。治療は、噛み合わせに詳しい歯科医を見つけて」

5.インプラントは慎重に考える

インプラントとは、歯が失われた場所に人工歯根を埋め、その上に人工の歯冠を作る治療法。「症例に技術が合っている、歯周病のケアができている、そして適切な噛み合わせが作れる。この3つが揃ってはじめて、治療を選択すべきです。技術や処置が適正でないために、治療後に炎症が起き、歯を支える骨まで悪くしてしまうケースも出てきています。現在の歯科技術なら、倒れている歯も起こせますし、ブリッジや入れ歯など歯を補う治療法もあるので、事前に相談してほしいですね。インプラントで迷ったら、信頼できる歯科医院で、セカンドオピニオンを受けてみては」

先生教えて! 今さら聞けない歯科の疑問に答えます。

Q.かぶせものは半永久的に持つのでしょうか?

A.半永久的に持つ人工物はないと思った方がいいですね。硬いものを噛んで歯が割れてしまったり詰め物が変色したり、かぶせた歯と歯肉の境目から虫歯になることも。放っておくと虫歯菌や歯周病菌の温床になることもあります。何年かに一度は作り直すことも必要です。

Q.よい歯医者、歯科衛生士に出会うには?

A.私がかかりたい歯科医の条件は、1:カウンセリングシステムがあること、2:予防に力を入れていること、3:質の高い治療技術、4:最先端の知識を得る努力を歯科医がしていること、5:メンテナンスシステムが整っていること。HPなどで比較するといいでしょう。

Q.歯周病は治らないものですか?

A.歯周病菌は、20歳ぐらいで口の中に定着します。ですから歯周病を発症させない・抑えることが肝心。免疫力が低下すると、歯周病菌が暴れ出します。セルフケア、プロケアをきちんとして、不摂生やストレスを避け、体を健康に保つことが予防のカギに。

Q.歯列矯正は大人になってもできますか?

A.何歳でも歯列矯正は可能ですし、さまざまな治療法があります。出っ歯や受け口の状態も治せるので、横顔もキレイに。状態によっては、歯を削りセラミックスで治すこともあります。見た目だけでなく噛み合わせのバランスも考慮して治すことが重要ですね。

Q.かぶせものはセラミックスがよいと聞いたのですが……

A.今は、歯のかぶせものや差し歯などはオールセラミックスが世界の主流に。体にやさしい材料と見た目の美しさという点でメリットがあります。過去に入れた金属のかぶせものをセラミックスに替えた結果、長年のアレルギー症状が消えたという患者さんもいます。
■Profile
佐藤由紀子さん
ナグモ歯科赤坂クリニック副院長予防歯科を中心に歯周病、噛み合わせ、審美歯科を行う同院で歯科カウンセリングを担当。日本アンチエイジング歯科学会理事。

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