デヴィ夫人の婚活論「社交界の恋はゲーム」 [with]

2018年03月11日(日) 20時00分配信

社交界の恋はゲーム

サブラン侯爵と一緒に。後方にはデヴィ夫人の娘のカリナちゃんも。ドレスはクリスチャンディオール。

社交界の恋はゲーム

今日はデヴィ夫人に社交界の恋模様を聞いてきました。なんでも当時の社交界で招待を受けていたアジア人は、デヴィ夫人を含めても2名しかいなかったそう。もう一人はインド、バロダのマハラニですって。ましてやその社交界で『東洋の真珠』を称えられたデヴィ夫人って本当にすごいんですね。それでは夫人が“恋はゲーム”と言った社交界の世界をのぞいてみましょう。婚活のヒントがいっぱいです。

社交界とは?

こんにちは。
デヴィ・スカルノです。

わたくしは20歳半ばで娘を産んで、27歳でパリやニューヨークにおりました。
パリではあちらこちらから招待を受けてひっぱりだこ、水を得た魚のように社交界を泳ぎ回っておりました。

社交界というのは王侯貴族の流れを引いたサロンのことで、簡単に言うとフランスの場合はルイ16世の末裔を中心に働かなくても大金を使えるエリートの集まり。
そこでは晩餐会やカクテルパーティー、仮面舞踏会が催されているの。
春と秋は競馬場や狩り、夏はモンテカルロやサントロペのビーチ、冬はゲスタードやサン・モリッツスキー場へと場所を移しながら集うのよ。

社交界は端的には“美”を競うところなの。
参加するには、ヘアスタイルを美しく仕上げ、オートクチュールのドレス、そして宝石を身につけ頭のてっぺんから足の先までパーフェクトに着飾って出かけるの。
でも、一番おいしく素晴らしいのはその場での“会話”。
会話がうまくできなかったら、どんな美人でも“壁の花”と呼ばれるし、男性が"退屈だ"と言われたらもう招かれなくなってしまうぐらい“会話”に対しては厳しいところですの。
本物のセレブリティたちが集い、オペラやコンサートを鑑賞、カクテル・ガラ、大晩餐会、舞踏会など催される。
主催者はそれぞれに館やお城、大きなアパルトモンを持っているから、今日は誰々のところという感じで毎晩のように豪華な会が開催されていたわ。
一般人は呼ばれません。政治家も女優もショウ・ビジネスの人達は呼ばれないの。
良い家柄、ステイタス、美貌、パーソナリティ、そして会話力が揃わないと参加できない特別なエリートの会なの。

責められると男は逃げたくなる。社交界の恋はゲームのよう

私がパリにいた1970年代の社交界では、恋なんてゲームのようでしたわ。
あの時代のベルサイユ宮殿の貴族たちは、時間とお金が有り余っていたのよ。
貴族社会は働かないじゃありませんか。
時間を持て余していた貴族たちにとっては、恋がゲーム代わりだったのね。

でもルールがちゃんとあって、絶対にバレてはいけないの。
公になってしまうと大スキャンダルとして扱われ、社交界ではブラックリストとして糾弾されてしまうのよ。
あくまでも“恋はパーソナル・ゲーム”。密やかにこっそりと楽しむの。
だから社交界の人々は毎日のように“恋”に明け暮れていたわ。
とある夫は友人の妻を寝取ったり、
妻は妻であの人がステキだからと言って友人の夫と遊んだり、気のあった人同士で手と手を合わせて消えてしまうことは日常茶飯事。

そんなことなら、わたくしも何回もありましたわ。
わたくしはエリザベス女王のいとことお付き合いしていたの。
パトリック・ザ・アール・オブ・リッチフィールドというとってもハンサムな伯爵とね。由緒正しい大伯爵家、ロンドン郊外の大荘園をお持ちでした。
ご自分のお城に線路が引いてあったわ。
お庭に駅があって、お父さまの時代にはロンドンへ向かうときはその庭の駅から汽車に乗っていらしたそう。
でも、わたくしはその伯爵とお付き合いをしながらも、別の男性と恋に落ちてしまったの。伯爵の庭に、その男性がヘリコプターを呼んでくれてそのままロンドンのヒースロー空港へ。その足でニューヨークまで逃避行。でも、伯爵はG公爵家のご息女と結婚する運命にあったのよ。あの時はいろんな恋をしたものね。
でも、誤解なさらないでね。要旨は 社交界では魅力ある人を求め、その方から刺激を受け、
優雅さを堪能し、機知を楽しむところなの。

楽しんでこそ“恋”

わたくしはみなさまに社交界のように、いろいろな男性に手を出しなさい!
と言っているのではありません。

みなさまに毎日を楽しく生きて頂きたいのです。
「婚活!婚活!」というように、友達よりも早く運命の男性を見つけるために肩をはるのではなく、気楽に婚活をなさるのは大いに結構です。

でも・・・
気になった男性から連絡がないだけで落ち込んだりしていないかしら?
好きになった人に振り向いてもらえないからと言って、出会いの場に行くのを怖がっていないかしら?

もし、ほんの小さな失敗やうまく行かない恋のことで悩んでいたり、それが原因で勇気や自信をなくしてしまっているのなら、
もっと“気軽”にもっと“楽しく”恋をしてもらいたいと思っています。

社交界のようにたくさんの出会いがあって、いろんな男性と恋の練習をしていると、
いざ本気で好きな男性が現れた時に、あなたの本領が発揮できるのよ。

みなさんはまだお若いし、キレイでおしゃれも好きですよね。
だから「当たって砕けろ」というガッツを持ってもらいたいの。

日本でも毎晩のようにいろいろな場所でパーティーや合コンなどの出会いの場が開催されているわ。
お互いにみんな誘惑し合っているの。
その誘惑に乗るか乗らないか。
誘惑だからあなたが嫌だったら断っていいのよ。
どんどん恋の失敗をしながら、あなたの恋愛偏差値を上げて行きましょう。
ガチガチの硬い婚活をしている人に限って、一度のミスで婚活をやめてしまうのよ。
もう少し気軽に楽しく婚活なさったらいいわ。

彼からの電話が来ないからって家で落ち込んでいてはダメ。
女性の人生はもっと自由で楽しいものよ。
心から楽しんでいる女性に、きっと神様は微笑んでくださるでしょうね。

みなさま、ごきげんよう。
デヴィ・スカルノ

PROFILE

デヴィ・スカルノ
19歳でインドネシアに渡り、22歳でインドネシアの初代大統領スカルノ氏と結婚。日本人で海外の国家元首の妻になったたったひとりの女性。大統領が亡くなった後はパリへ拠点を移し、社交界では『東洋の真珠』とうたわれ、デヴィ婦人の愛称で親しまれる。華麗な経歴、そして浮世離れした存在感として講演、コメンテーター、バラエティー、他TV番組等多様に展開。また地球規模で慈善活動を行っている。

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