• > 【ビタミンEって何?】強力な抗酸化効果でサビない体になる! [VOCE]

【ビタミンEって何?】強力な抗酸化効果でサビない体になる! [VOCE]

2018年03月03日(土) 11時00分配信

体に良いことはわかってるんですが……

知っているようで知らない栄養素の秘密。化粧品やサプリで配合されているのをよく見るけど、実際は何をしてくれるの? 摂取することで期待できるメリットについて、皮膚科専門医の今泉明子先生にお聞きします。 今回のテーマはビタミンE。アンチエイジングに欠かせない栄養素としても有名だけど、その威力やいかに?

そもそもビタミンEとは?

ビタミンEは、脂溶性のビタミン。
天然のビタミンEはトコフェロール類とトコトリエノール類に分類されています。さらにそこからα、β、γ、δと細分化されていて、全部で8種類もあります。
食べ物に存在するのは、ビタミンEの中でもαトコフェロールとγトコフェロールがほとんど。トコトリエノールは食品にはほとんど含まれていないのですが、最近、血中コレステロール値を下げる作用が発見されたというニュースもあるので、これから注目を集めそうです。

ビタミンEって何をしてくれる栄養素?

ビタミンEは脂溶性なので、脂でできている細胞膜に存在し、活性酸素の攻撃から細胞膜を守る働きをしています。
ビタミンEの最大の働きは、活性酸素の除去。
そう、抗酸化力がとても高いんです。この抗酸化作用により、血液中の悪玉コレステロールの酸化を抑制し、血栓ができるのを予防しています。
体内にある脂質が酸化すると過酸化脂質なるのですが、これが老化の一番の原因ともいわれています。ビタミンEはこの酸化を予防するわけで、これがアンチエイジングビタミンと呼ばれる理由となっています。
その効果は、もちろん肌にも。
ビタミンEは毛細血管を拡張してくれる効果があるので、肌のすみずみまで血液がいきわたることになり、肌荒れを解消してくれます。そもそも、血液がいきわたらないと、必要な酸素も栄養素も運ばれません。ということで、血流が促進されるから、美肌効果もアップするんですね。
それと同時に、冷えや肩こり、頭痛など、血行不良が原因で起こっていた症状の緩和も期待できるようです。
また、ビタミンEは副腎や卵巣に蓄積され、女性ホルモンの分泌を調整して生殖機能を維持する効果もあり、不妊治療などにも用いられています。そもそも不妊のネズミの実験によって発見されたという経緯もあるぐらいですから。
医薬品として月経前症候群や生理痛、生理不順を改善する効果も認められています。
ビタミンEが多く含まれた食品って?

油脂全般やナッツ類が豊富。

ビタミンEが多く含まれた食品って?

油脂全般に多く含まれていて、とくにひまわり油の含有量が多いことで知られています。
その摂取量、大さじ1杯で3mg以上。あとは綿実油、べにばな油、米ぬか油にも多く含まれています。
ただ酸素と結びつくと酸化しやすいので、開封してから長く置くとビタミンEの抗酸化力も低下してしまいます。植物油は、開封したらなるべく早く使い切るようにしましょう。
また、マーガリン大さじ1杯で2.3mgも含まれているというのもちょっと意外。有塩バター大さじ1杯では0.2mgなので、ビタミンEの含有量はマーガリンの勝ち!
あとはアーモンド。10粒で4.1mgものビタミンEが摂取できます。アーモンドミルクになるとさらに体内への吸収率がアップすると、いま話題になっています。
ナッツ類ではヘーゼルナッツ、ピーナッツ。
野菜類ならモロヘイヤ、アボカド、カボチャ、大根の葉、赤ピーマンも多いです。
魚類では鮎やニジマス。うなぎはビタミンEもAも多く含まれています。
このように、ビタミンEを含む食品はたくさんあります。サプリでの摂取と食事での摂取、どちらが好ましいのかといえば…。
「サプリでも食事でも、どちらでも結構ですよ。健康のためにも美肌のためにも大切な成分ではありますが、摂りすぎも注意すべき成分。サプリの場合は用量をきちんと守って摂取するようにしてください」(今泉先生)

ビタミンEの効果的な摂取方法って?

ビタミンEと一緒に摂取するといい栄養素というと…。
「ビタミンCや還元型コエンザイムQ10などは、抗酸化の相乗効果が期待できるともいわれています」(今泉先生)
ビタミンEには強力な抗酸化力がありますが、活性酸素を無害化したビタミンEは、もうその力がなくなってしまうんです。いわば力尽きてしまうわけですが、それを再び元に戻すのがビタミンC。ビタミンE単体より、ビタミCも同時に摂取したほうが、より効果的に作用すると考えていいでしょう。還元型コエンザイムQ10も、同じ理由です。
不足した場合、過剰摂取した場合

サプリの場合は摂取量の上限をきちんと守って。

不足した場合、過剰摂取した場合

ビタミンEが欠乏すると、赤血球の細胞膜が壊れやすくなる溶血性貧血になります。もっと身近な例だと、血行が悪くなるので肩こりや冷え症が出ることも。あとはホルモン分泌障害などの心配もあります。
逆に、過剰摂取も心配なところ。
体内に蓄積されるので摂取量の上限が決められていますが、食品からの過剰摂取は心配なし。ただサプリで摂り過ぎた場合は注意が必要です。
アンチエイジング効果がかなり期待できるビタミンE。でもサプリで摂取するときは、きちんと用量を守ることが大事です。
不足にも過剰摂取にも気をつけつつ、サビない体のために上手に取り入れたいものですね。

お話を聞いたのは…

今泉明子先生

医学博士・皮膚科専門医。聖マリアンナ医科大学付属大学院皮膚科、日本赤十字センター皮膚科で勤務後、最先端の美容医療を学ぶために渡米。ニューヨークの医科大学にて勤務後、化粧品の開発にも関与した。帰国後は東京ミッドタウン皮膚科形成外科クリニックNoageの院長に就任。幼少期にアトピーで悩んだ経験から医師を目指したという経緯もあり、肌荒れなどのトラブルを抱えた患者が全国から来院。最新かつ豊富な知識で、美容業界にもファン多数。

【関連記事】

NEWS&TOPICS一覧に戻る

ミモレ
FRaU DWbDG
  • FRaU DWbDG
  • 成熟に向かう大人の女性へ
  • ワーママ
  • Aiプレミアムクラブ会員募集中!

このページのTOPへ戻る