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【夫婦問題Q&A】モラハラ夫と離婚すべきか、別居だけにすべきか? [mi-mollet]

2018年02月19日(月) 14時00分配信

lisamanmaさんからの質問
Q. モラハラ夫から離婚を切り出されましたが、私は婚姻費用さえもらえればそれで良い気も……

夫のモラルハラスメントを自覚。改善してもらうべく円満調停と婚姻費用分担請求を立てたら、夫のほうから離婚を切り出されました。このタイミングで夫に女ができたからです。既に不貞証拠は取り、浮気相手に対して裁判を起こす予定ですが、この後夫との関係をどうすべきか迷っています。小学生の娘が1人いて、調停を立てたのも、娘が「お父さんが怒鳴らないようになれば一番ハッピー」という理由です。私はというと、モラハラ被害にあった時点で愛情はないので、婚姻費用さえきっちり払ってもらえればいいです。周りは離婚したほうがいいと言いますが、シングルマザーでやっていけるかも不安です。先生としては、離婚がお勧めか、娘が成人するまで法律上だけの家族としてやっていったほうがいいか、アドバイスいただければ幸いです。(45歳)

特別ゲスト 原口未緒先生の回答
A. 夫が離婚したがっている今なら慰謝料を多めにふっかけられるかもしれません。

ご相談内容にはいろいろな悩みが混在していますが、一番不安に思われているのは、おそらく「シングルマザーとしてやっていけるか?」ということではないでしょうか? それならば離婚はせずに別居だけして、“婚姻費用(=家族が同等の生活を営むために必要な費用のこと。別居の場合は、収入の多いほうが少ないほうに支払う義務がある)”をもらうのがお得だと思います。

ですが、夫は新たに女ができて早く離婚をしたがっているのですよね? ならば、すぐに離婚に応じることで慰謝料をたっぷり払ってもらう、という方法のほうが、総額としては多いお金をもらえるかもしれません。

どういうことか簡単に説明しますと……、婚姻費用の場合、例えば月に7万円払ってもらえるとすると、別居から5年も経つと離婚が認められますので、7万×5年で総額420万円ほどもらえることになります。一方、離婚をして養育費を払ってもらう場合、例えばそれが月5万円だとすると、5万×5年で300万円ですから、これだけで考えるなら、婚姻費用をもらうほうが120万円多くなります。

さて、ここで考えてほしいのが慰謝料というものです。夫が浮気をした場合、夫や浮気相手に慰謝料を請求することができます。慰謝料は離婚をしなくても請求することができますが、その額は夫婦で話し合って決めるのが一般的ですから、夫もすぐに離婚してくれないとなると、当然支払いを渋るでしょう。ましてや離婚が認められる5年後になれば、もっと低い額で折り合いをつけようとするはずです。もちろん折り合いがつかない場合は裁判になり、おそらくlisamanmaさんが勝つと思いますが、そこで認められる慰謝料の相場がどれくらいかといいますと、せいぜい100〜150万円ぐらいなのですね。これから一人でやっていくには、とても心もとない額です。

でも今なら夫は、新しい女ができて早く離婚をしたがっている。慰謝料の額を大きくふっかけても、新しい女と早く一緒になりたいので、素直に払うかもしれません。夫の収入によっては、300万、500万と相場よりかなり多い額を請求しても、イケるかもしれないと思うのです。離婚となると、慰謝料とは別に財産分与(家や貯金など夫婦の財産とみなされるもの)もありますから、「5年間分の婚姻費用総額420万円と、慰謝料と、財産分与分と、すべて込みで1000万円ちょうだい」と大きく出てもいいでしょう。そう考えると、今離婚をしたほうが総合としてはお得かもしれないということ。こういった情報を念頭に置いて、離婚のタイミングを見極めていただけたらと思います。

ですが、婚姻費用にしても慰謝料にしても、しょせんは一時金です。シングルマザーとしてやっていく不安は残りますから、安定を求めるなら、夫をATMだと思って、とりあえず結婚生活を続けていくのも一つの方法だと思います。とはいえモラハラ夫ですから、一緒にいるのは辛いですよね……。ですから私は、大事なのはお金の額ではなく、lisamanmaさんにどれだけ自活する意識があるか、ということだと思うのです。お悩みを拝見していると、娘がこう言っている、まわりがこう言っている、といった表現が多く見られたのが気になりました。他人の意見は置いておいて、lisamanmaさん自身はどうしたいのでしょうか? 長年モラハラを受けていますと、自分の意志というものが分からなくなってしまいがちです。ですから自分の意志を知るためにも、まずは夫に言われたことに反応しないようにしましょう。夫から言われたことを上手く受け流すのはもちろん、あれこれ言われないようガードもされてください。そのうえでオススメしたいのが、物事を考えるときいつも自分を主語にする、という方法です。自分はどうしたいのか? 自分はどう考えるのか? 人の意見を聞いた後には、必ず自分を主語にして考えてみて、最後は自分の考えを尊重するようにしてほしいと思います。

いずれにせよ、選択肢は3つです。離婚をして慰謝料を多くもらうか、離婚はせず別居をして婚姻費用をもらうか、または別居も離婚もせずのらりくらりと現状を維持するか。この3つから、lisamanmaさんが望むものを選ばれてください。まわりの意見も気になるとは思いますが、他でもないlisamanmaさん自身の人生ですから、ご自分で考えて決められてほしいと思うのです。
いかがですか?
原口先生の回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE

原口未緒(はらぐちみお)
1975年生まれ。弁護士。学習院大学法学部卒業。2004年に弁護士登録。民事、商事、家事、刑事、倒産処理、債務整理など様々な案件を担当した後、2010年に「未緒法律事務所」を開所。夫婦、離婚案件を主に扱っている。法的な解決策を提案するだけでなく、コーチング、カウンセリング、セラピー手法を取り入れ、「心のケアもする弁護士」として人気がある。著書に『「この結婚もうムリ」と思ったら読む本 こじらせない離婚』(ダイヤモンド社)がある。自身は3度の離婚を経て、現在4度目の結婚をし、第一子をもうける

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