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【住まいの老い支度】収納の使い勝手向上はマストです [おとなスタイル]

2018年02月16日(金) 10時00分配信

収納をとことん使い勝手をよくすることが大切。

生活研究家であり消費生活アドバイザーとして、中高年の住まいの悩みを解決してきた阿部絢子さんが実践している「住まいの老い支度」。70代となった今も進行中という阿部さんに、老いていくことを考慮した片づけの極意を教えていただきました。

捨てることは必ずしも片づけのための「最良の手段」ではないし、「近道」でもない

片づけについて考えるとき、第一に物を少なくする、つまり「捨てる」ということを考える方が多いと思いますが、「捨てる」というのは、必ずしも片づけるための最良の手段ではないし、近道でもありません。
これまで、取捨選択を思案するばかりで作業がなかなか進まない、結局は何も捨てられない人を、たくさん見てきました。悩むことに延々と時間を費やすのならば、いっそ捨てなくてもいいと私は思っています。

生き方は人それぞれ。何も持たないことがしあわせな人もいるし、多くの物をずっと抱えていたい人もいます。住まいの快適度は、単純に物の量では計れません。ですから、無理に捨てなくてもいいんです。捨てないのであれば、家の中にある物をきちんと把握し、使えるようにしておくこと。それが片づけの極意であり、その結果、物が多くなっても気にすることはありません。
持っている物をきちんと把握するための「一目瞭然の魔法」

自分で収納方法を考えてから専門家に。

持っている物をきちんと把握するための「一目瞭然の魔法」

歳をとると、物の置き場を忘れる、入れた物がなかなか出せない、出し入れが億劫になるといったことを実感します。「捨てる」「捨てない」のどちらを選択したとしても、老後に家の中にある物をきちんと把握し、使えるようにしておくために、考えるべきなのが収納の問題です。
そういう視点で「我が家の収納は……」と考えたところ、最も不便なスペースだったのが押し入れです。ここさえ使いこなすことができれば、「収納上手」への道をまっしぐらに進めると考え、思い切ってリフォームすることにしました。

リフォームするからには、とことん使い勝手よくしたいと思い、「現在わが家で使っているものの中で、押し入れに収納したいものは何か?」をすべて書き出してみました。
扇風機、ガスストーブ、旅行用バッグ、来客用のふとん、すだれ、ホットカーペット、普段着、保存用缶詰や各種飲料、仕事用のアイロン4台、アイロン台、仕事用のそうじ道具など。これらを入れるとなると、天袋と上下2段に仕切られている押し入れは使い勝手が悪いことは目に見えています。そこで、出しやすくしまいやすい我が家独自の収納スペースになるよう考え、専門家にお願いをしました。

専門家にお願いをするまでの手順は……

1 収納を予定しているすべてのもののサイズを計る

2 収納方法を考える
・何をどこに収めるか
・使用頻度の高いものは出し入れしやすいところに入れる

3 棚のサイズを計算する

4 押し入れの中の図面を描く

ここまで自分で考えてから、専門家に任せて、機能とデザイン性を兼ね備えた収納棚に仕上げてもらいました。出来上がりは一見すると棚のサイズがまちまちで、バラバラに見えますが、何がどこにあるか一目瞭然に。
この「一目瞭然」こそが、収納上手になる魔法の手段です。50代からの収納は、今まで以上に使い勝手の良さが重要です。面倒な衣替えをしないですむように、手持ちの服が一目瞭然になるように、造りつけのクローゼットも作ったのもそのためです。

リフォームまでするのは手間と費用がかかるかもしれませんが、50代のうちに整えておけば、老後の負担をグッと軽減できます。
<著者プロフィール>
阿部絢子(あべ・あやこ)
生活研究家・消費生活アドバイザー。新潟県生まれ。共立薬科大学卒業。洗剤メーカー勤務を経て、百貨店の消費生活アドバイザーとして30年間勤め、現在に至る。料理をはじめ家事など生活全般にわたる豊富な知識と合理的なアドバイスで、出版・講演など幅広く活躍中。70代になった今も快適な暮らしのノウハウを探求すべく、年に一度海外にホームステイに出かけている。 著書に『老いのシンプルひとり暮らし』『老いの片づけ力』(ともに大和書房)『男子家事 料理・洗濯・掃除の新メソッド』(マガジンハウス)『おひとりさまの老後を楽しむ処方箋』(主婦の友社)など多数。

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