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早わかり!フィギュアスケートの競技ルール&見どころ【オリンピック】 [with]

2018年02月15日(木) 20時00分配信

テレビで放送されていたら、必ず見てしまう! 詳しいことまでは深く分からないけど、フィギュアスケートってなんて美しいんだろう! そう思っている方は必見。
いよいよ始まる平昌オリンピックのフィギュアスケート個人戦を観戦する上で知っておくと、より楽しめるプチ情報をお届けします。
一人で楽しむのはもちろん、友達や家族と一緒に見て説明してあげるもオススメです。
フィギュアスケートはどうやって点数を決めている?

各プログラムのおおまかな規定(実際は、さらに細かくルールが設けられています)。

フィギュアスケートはどうやって点数を決めている?

プログラムの制限時間は、ショートが男女ともに2分40±10秒、フリーは女子4分±10秒、男子4分30±10秒。
それぞれ2日に分けて演技をおこない、合計得点で順位が決まります。

入れるべき技術要素と数は表のようになります。
男女及び、ショートとフリーで求められる要素が異なるのも特徴です。
たとえ、ショートで点数が伸びないことがあっても、フリーは要素も多く、点数が伸びやすいため逆転が起こったりと2日間ハラハラ観戦できるのはこのため。
反面、フリーはショートに比べて、演技時間も長いためスタミナも勝負の鍵となる一面もあります。

点数は、技術点と演技構成点の合計で争う

フィギュアスケートといえば、技術点と演技構成点の合計点を競うスポーツです。

技術点には、ジャンプやスピンなど一つ一つの技術に対し、難易度に応じた基礎点とGOE(加減点)がつきます。

一方の演技構成点は、ファイブコンポーネンツと呼ばれる、5つの項目(スケート技術、要素のつなぎ、動作/身のこなし、振り付け/構成、曲の解釈)をそれぞれ10点満点で評価したもの。テレビ放送を見ていて、最近表示されるようになった左上の数字(技術点)が高くトップだったのに、キスアンドクライと呼ばれる採点を待つ場所ではどうしてトップじゃないのだろう?という状況(その逆もまた然り!)になった場合は、技術点そのものが減点などで変わっていることもありますが、演技構成点が大きな影響を与えていることが多々あります。
【技術点 + 演技構成点 = 合計点で勝負】と覚えておく!

なぜジャンプの回転数や種類にこだわる!?

もちろん皆さんもご存知の通り、フィギュアスケートはジャンプの技術だけを争うものではありません。先にあげた、スピンやステップ、もっというと技と技のつなぎ、スケーティングそのものや音楽との調和と言った様々な要素が複雑に絡まり合って一つの作品になっています。

とはいえ、「初心者のわたしに難しいことはちょっと……」という方もいるはず。
そんな方は、まずはジャンプについてちょっぴり詳しくなってそれを入り口にフィギュアスケートの楽しみを広げていくのがいいかもしれません。ジャンプを知ることでよりその他の要素も気になってくるから不思議なものです。

6種類のジャンプの見分け方とそれぞれの基礎点(競技種目ごと)。

フィギュアスケートには、踏み切る足や踏み切り方の違いから6種のジャンプがあります。
よく解説で「トリプルループ」「トリプルルッツ、トリプルトウループ」などと聞くのはそのため。
2つ以上のジャンプを合わせるコンビネーションジャンプやジャンプシークエンスと呼ばれるものもあるので、ジャンプだけ見ても演技構成に組み込まれるパターンは多岐にわたります。
ジャンプの基礎点に比例すると言われる難易度にかかわらず、選手それぞれに得手不得手もあるため(基礎点が高く難しいとされるジャンプの方が基礎点が低いジャンプより得意など)、各選手の個性がわかりやすく感じられます。それぞれのジャンプの難易度や、各選手の得意ジャンプ、苦手ジャンプなどを知ると、よりフィギュアスケートを楽しめるのです。

各ジャンプは特徴を抑えて見分ける!

1. まずは前向きに踏み切る「アクセル」を覚える!

一番見分けやすいのは「アクセル」ジャンプ。唯一の前向き踏切りで、ダブル(2回転)、トリプル(3回転)の名前の数字より半回転多いのが特徴です。
ちょっぴり詳しく掘り下げ「なぜトリプル(3回転)アクセルなのに3回転半ジャンプ?」かというと、「アクセル」は唯一、前向きに跳んで後ろ向きに着氷するため半回転多いからというのが理由(他のジャンプは後ろ向きに跳んで後ろ向きに着氷する)。
他のジャンプより実質半回転多く回る分、難易度が高くなり基礎点も高くなるのはそのためなのです。
また、フィギュアスケートをあまり見ない方でさえ知っているのは浅田真央さん、伊藤みどりさんという日本の女子フィギュアスケートの歴史に名を残すお二人の得意なジャンプだったからかもしれません。
ちなみに、オリンピックでこのトリプルアクセルを成功させたのは女子では、伊藤みどりさん、浅田真央さん、そしてつい先日、平昌オリンピックの団体戦フリーで成功した、アメリカチームの長洲未来さんのたった3人!
2. トウ(つま先)をつかないジャンプ「サルコウ」と「ループ」を見分ける

トウをつかないジャンプは「サルコウ」と「ループ」の2種類。

まず「サルコウ」ジャンプは脚が「ハ」の字のように見えるのが特徴と言われています。 4回転ジャンプのなかでは二番目に難易度が低いジャンプと言われており、組み込む選手も多くいます。かつて安藤美姫さんが跳んだ4回転はこの「サルコウ」です。

一方「ループ」ジャンプは踏み切り時にイスに座るように見えるのが特徴。右足のエッジで滑りながら、そのまま滑走の勢いを生かして踏み切ります。踏み切る瞬間、横から見るとイスに座ったようなポーズに見えるので「座った」と思ったら「ループ」と覚えておいてください。
3. 左足のトウ(つま先)をついて跳ぶのは「トウループ」だけ!

左足のつま先を氷につくのは「トウループ」だけ。
後ろ向きに左足のトウで踏み切って跳び、空中で一直線になるような姿勢をとるのが特徴です。滑走の勢いを生かし、踏み切って跳んだ段階で半回転回っているため一番跳びやすいとされています。

4回転では一番基礎点が低いのですが、その分、ジャンプに入る前のつなぎなどを工夫したり、高さや幅をだすことにより加点を狙う戦略も。女子のトップレベルの選手の中でも3回転コンビネーションジャンプを3トウ×3トウにしてしっかりと点数を取る選手もいます。
4. 最大の難関は、右足のトウ(つま先)をついて跳ぶ「ルッツ」「フリップ」の見分け

「フリップ」は弧を描くような入りで左足の内側と右足のつま先で跳ぶジャンプが特徴。同じ右足のトウ(つま先)で跳ぶ「ルッツ」と似ていますが、前向きに入ってきた体をくるっと回すようにして跳んでいることが多いジャンプです。

一方、「ルッツ」は滑走の向きとは逆回転で跳び、左足の外側に体重をのせて踏み切るため助走の勢いを活かしにくいと言われる難易度が高いジャンプになります。一般的に直線的な入りと比較的助走が長いのが見分けるコツです。ただ中には「フリップ」と見分けるのが難しい入り方の選手もいるので、この二つを見分けることが一番の難関と言えるかもしれません。「ルッツ」は助走の向きと逆方向に跳ぶうえ、エッジエラーも起きやすく、後ろ向き踏み切りでは最高難度になります。

写真:松尾/アフロスポーツ

ちなみに・・・コンビネーションジャンプの二番目のジャンプは「トウループ」か「ループ」だけ!!

2つ以上のジャンプを組み合わせるとコンビネーションジャンプと呼ばれますが、実はジャンプの着氷足が必ず右足という性質上、2つ目に跳べるのは右足踏み切り「ループ」か「トウループ」のみ。そのため、難易度の高いループのほうを二番目のジャンプにもってくると得点がより高得点になるのです!

・着氷足でそのまま → 【ループ】
・着氷足と逆足のつま先 →【トウループ】

ジャンプの点数は出来栄えと跳ぶタイミングで変わる!

各ジャンプの種類によって基礎点が違うことは上記の通り。でも、ジャンプの点数は難易度に比例した基礎点だけで決まっているわけではありません。たとえば、同じジャンプであってもより疲労度の高くなった後半に跳ぶと、基礎点が1.1倍になります。さらに技の出来栄えとも評されるGOEという加減点システムがつくことによって点数が大きく変わってくるのです。
※GOEとはジャンプのみならず、スピンやステップなどの技術を評価する際につく加減点のこと。+3から−3まであり、複数のジャッジが出した点の最高点と最低点を除いた平均値が取られる。

ジャンプの種類や回転数によって変わるGOE評価が鍵を握る 
例えば、3トウループにGOE +3の評価がついた場合は2.1点の加点が付きます。同じ3回転ジャンプのルッツまでは同様にGOE+3の評価がついた場合は2.1点の加点。ところが3アクセルにGOE+3がついた場合は3.0点の加点がつきます。また4トウループにもGOE+3がついた場合は3.0点のプラス。同様にアクセルを除く4回転ジャンプはGOE+3がついた場合は3.0点の加点になるのです。
例えば、現段階で最高難度のジャンプと言われている4ルッツの基礎点が13.6点で、それを演技前半に跳んで仮にGOE±0だった場合は13.6点になります。もしも、失敗がありGOE−3になった場合は−4点になり最終的には9.6点という評価になるのです。
ところが、同じ4回転のなかで最も基礎点が低い4トウループであっても、演技後半に持ってきた場合は、まず基礎点が1.1倍の11.33点になります。その上で、高い評価を受けるジャンプの質の高さやつなぎと言われる細かい技術をからめることによりGOE+3が付けば14.33点になり4ルッツを上回る点数に。単純にジャンプの種類だけを見てはいけないというのはこういう事を指しているのかもしれません。

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