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小さな家でも実現できたホテルライクな「贅沢」 [おとなスタイル]

2018年02月10日(土) 10時00分配信

ガラス窓から1階テラスを見下ろす2階バスルームは、ドアのない構造、水はねが少ないレインシャワー、タオル乾燥機、テレビも完備で、まさにホテルのよう。撮影/大河内禎

美しい余白が居心地の良い「ホテルのスイートルームのような住まい」を目指し、50代で家を建てることを決めた岡さんご夫妻。30坪の敷地を探していたが、交通の便や資金を考慮し、選んだ土地は25坪、「正直狭いなと思っていました」。不安を払拭してくれたのは、狭小住宅を得意とする建築デザイナー・大塚泰子さんとの出会いだった。


〈小さな暮らしDATA〉96平米
岡八千代さん
54歳・主婦
2人暮らし・2LDK
一戸建て・25坪
設計 ノアノア空間工房

「豊かさ=広さ」という価値観を変えてくれた家

間取り図 撮影/大河内禎

「豊かさ=広さ」という価値観を変えてくれた家

「設計の段階で聞かれたのは、何が好きか、どんなことがしたいか。例えば2階の仕切りのない洗面とバスルーム、ベッドルームから回遊できるクローゼットなどは、私が憧れているとお伝えした、ホテルのインテリアを参考にして下さったものだと思います」

ほとんどの家具が作りつけなのも、岡邸がすっきりと美しく見える理由。
以前使っていた、ベッド以外の家具は思い切ってほとんど手放したが、それにより「今後の人生で必要なもの、不必要なものが見極められた」という。
岡さんには、この家を通じて、そうした様々な価値観の変化が起きていた。
「大塚さんに趣味で作っている多肉植物の寄せ植えを差し上げたら、『これを育てる場所が必要ですね』と、各階にテラスを作って下さって。以前はマンションの狭いベランダでやっていたんですが、今はのびのびとできるように。1階のテラスにある落葉樹も、これまで見過ごしていた四季を気づかせてくれます。“豊かさ=面積の広さ”じゃないんだなって、この家に住んで思うようになりました。むしろ、“この贅沢な狭さがちょうどいい!”、そう感じています(笑)」

撮影/大河内禎

四季の移ろいを間近に感じる「外リビング」
シンボルツリーのヒメシャラは、春の新緑と夏の花が楽しめる落葉樹。高さのある壁で外界から独立したテラスは、全面開放可能な窓と、内部と同じ床材で繋がる「外リビング」と呼べる空間に。

撮影/大河内禎

採光のいいキッチン。食器なども背面カウンター下にすべて収納。

撮影/大河内禎

キッチンからダイニング、テラスを見渡す視界は抜け感もたっぷり。

撮影/大河内禎

隣家の緑を借景にしたルーフバルコニーには、趣味の多肉植物が溢れる。
岡さんの小さな暮らしの工夫

思い切った段差で開放感ある高い天井に 撮影/大河内禎

岡さんの小さな暮らしの工夫

元々あった盛り土により、道路から1m高い場所に敷地が。通常は玄関外に設けるその高低差を家の中に作ることで、3m近い天井高を実現。

小さな採光窓を配して視覚的なゆとりを作る 撮影/大河内禎

採光のための窓を、家全体のそこここに設けることで、小さい家で感じる圧迫感を解消。暗くなりがちな玄関もこの通り、明るい空間に。

好きなものを飾るのは小さなコーナーに限定 撮影/大河内禎

海外旅行で購入したものや寄せ植えした多肉植物を、玄関やリビングの一角に。ポイントを絞って飾ることで、メリハリの利いたアクセントに。

各階に必ず、季節を感じる緑の場所を! 撮影/大河内禎

広い庭がなくても、各階に木を眺められるテラスがあれば、どこにいても四季を感じられる家に。写真は、入浴中の視界に入る、2階のテラス。

 

※それぞれの家の延床面積の平米数、敷地面積の坪数は、小数点以下を切り捨てたものです。
■Profile
岡八千代さん
おかやちよ
1962年生まれ。専業主婦。ガーデニングや雑貨のハンドメイド、編み物、旅行が趣味。一人娘が仕事で大分へ赴任し夫婦二人暮らしになり、終の棲家としての家づくりを決意。

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