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密着ドキュメント『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』 [with]

2018年01月27日(土) 11時00分配信

(C)2016 Reiner Holzemer Film – RTBF – Aminata bvba – BR – ARTE

百花繚乱に咲き乱れる花のように鮮やかな色あい、つややかな糸やキラキラしたスパングルで仕上げられた刺繍。でもクラシックでエレガントな印象なのは、服の形そのもので冒険はしていないからでしょうか。ベルギーのブランド(というよりアーティスト、アルチザン【職人】!)、ドリス・ヴァン・ノッテンに密着した『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』は、美しいものに「うっとり」できるドキュメンタリーです。

(C)2016 Reiner Holzemer Film – RTBF – Aminata bvba – BR – ARTE

巨大なファッショングループに属さない、独立系のブランドとして知られる「ドリス・ヴァン・ノッテン」。膨大な売り上げが絶対不可欠な大きなブランドと違うのは、流行にとらわれすぎないアーティストの視点と、職人の手仕事があることでしょうか。映画ではその年のコレクションの制作過程を見せてゆくのですが、何しろ「うっとり」なのは、タイトルにもなっている「ファブリック」。

(C)2016 Reiner Holzemer Film – RTBF – Aminata bvba – BR – ARTE

「僕はラッキーなデザイナー。こういう布が欲しいと言えば世界中の布地工場に“作りますよ”と言ってもらえる」とご本人も言っていますが、スタジオの床に所狭しと並べられた色とりどりの布、布、布。それをベースとなるジャケットなどの首元に入れたり、肩に掛けたりして、まったく異なる色、柄、素材、質感などから生まれる意外なケミストリーをひとつひとつ確認してゆきます。これがすごく面白いのですが、もしかしたら自分の日々のコーディネートにも取り入れられる方法かも、なんて思ったりもして。

(C)2016 Reiner Holzemer Film – RTBF – Aminata bvba – BR – ARTE

そしてもうひとつの「うっとり」は、彼が休日を過ごすベルギー、アントワープ郊外の豪邸での暮らし。19世紀に建てられた「ザ・リンゲンホフ」と呼ばれるその古いお屋敷には、庭師とともに作った美しく広大な庭があり、屋敷の中はそこで咲いた花々でいつも飾られています。

(C)2016 Reiner Holzemer Film – RTBF – Aminata bvba – BR – ARTE

同性愛者である彼は、20代の頃からの公私にわたるパートナーとともにここで暮らしているのですが、「ふたりともこだわりが強いから大変なこともあるけど」と言いながら支え寄り添う合う関係もすごく素敵。性別に限らず、「連れ添う」ってこういうことだなーと感じます。庭園内の菜園で収穫した野菜やフルーツとともに、ふたりでワインを楽しむテラス席の夕暮れ――なんて、もう憧れしかありません。そのすべてが「うっとり」な作品です。
『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』
究極の美の源泉は揺るぎない信念と美しき生活 孤高のファッションデザイナー“ドリス・ヴァン・ノッテン”。彼の創作の謎に迫る。ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他全国順次ロードショー公開中。

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