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大物たちとコラボを連発するDAOKOの魅力【柴 那典】 [FRaU]

2017年12月27日(水) 20時00分配信

「コラボの時代」を象徴する新世代の女性ラップシンガー。米津玄師、岡村靖幸、ベック……才能あふれる大物たちが愛するDAOKOの魅力とは?
DAOKOが世代もジャンルも超えた才能ある大物たちに愛される理由

DAOKO   

DAOKOが世代もジャンルも超えた才能ある大物たちに愛される理由

12月20日にアルバム『THANK YOU BLUE』をリリースするDAOKO。彼女が繰り広げた数々のコラボレーションが大きな話題を呼んでいる。

まずは8月に「DAOKO×米津玄師」名義でリリースした「打上花火」がロングヒット。映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の主題歌として作られた一曲は、夏の情景を鮮やかに描く歌詞と切ないメロディを二人がデュエットで歌う、普遍性あるポップソングだ。

さらに10月には「DAOKO×岡村靖幸」名義でシングル「ステップアップLOVE」をリリース。アニメ「血界戦線&BEYOND」のエンディングテーマとなったこの曲は、岡村靖幸らしいグルーヴ感あふれるエレクトロ・ファンクのサウンドの上で、切れ味鋭い二人の歌やラップの掛け合いが実現している。
これまでも様々なクリエイターやアーティストと意欲的なコラボレーションを繰り広げてきたDAOKO。メジャーデビューからの集大成となるアルバム『THANK YOU BLUE』にはこれらのシングル曲に加え、作詞作曲をDAOKO、編曲を江島啓一(サカナクション)が手掛けたキュートなエレクトロ・ポップ「Cinderella step」、気鋭のバンドD.A.N.が楽曲を手掛けたディープでメロウな「同じ夜」など幅広いテイストの楽曲が収録されている。

さらには先日ニューアルバム『カラーズ』をリリースし来日公演も行ったベックとの、日本人初のコラボも実現。アルバムからのリード曲「アップ・オール・ナイト」にDAOKOが日本語のリリックを書き、ラップとコーラスで参加したバージョンが「BECK feat.DAOKO」名義で配信リリース。こちらも国境を越え大きな話題を呼んでいる。
なぜDAOKOは世代もジャンルも超えた才能あるアーティストたちにここまで愛されるのか? 一つの理由は彼女のヴォーカルが持つ表現力にある。ラップと歌を自然体で行き来し、曲ごとに儚さや気怠さ、妖艶さのような様々なテイストを自在に醸し出す声だ。そしてもう一つはアーティストのクリエイティビティを引き出す “触媒” としての力だろう。米津玄師も岡村靖幸もD.A.N.も、DAOKOとコラボすることで自身の音楽性の芯の部分をキャッチーに押し広げた楽曲を形にしている。

ジャスティン・ビーバーやマルーン5が象徴するように、世界的にもジャンルを越えたコラボがヒット曲を生み出しつつある今。DAOKOの躍進はそんな時代の象徴と言えるのではないだろうか。
『THANK YOU BLUE』

『THANK YOU BLUE』 

『THANK YOU BLUE』

前作『DAOKO』以来2年9ヶ月ぶりのアルバムは、20歳となった彼女の10代から現在までの集大成。米津玄師との「打上花火」、岡村靖幸との「ステップアップLOVE」など数々のコラボ曲に加え、1stシングル「ShibuyaK」や専門学校HALのCMソング「ダイスキ with TeddyLoid」など、彼女が「青の時代」と位置づけるメジャーデビュー以降の歩みを詰め込んだベスト盤的一枚だ。

PROFILE

柴那典さん
音楽ジャーナリスト。ロッキング・オン社を経て独立。著書に『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)ほか。共著の『渋谷音楽図鑑』(太田出版)が好評発売中。
●情報は、FRaU2018年1月号発売時点のものです。

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