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【親子関係Q&A】いじめから守ってくれなかった両親。わだかまりが残ります [mi-mollet]
2017年12月05日(火) 14時00分配信
きょうまるさんさんからの質問
Q. 子供の頃いじめにあったのですが、そのときの両親の冷たい対応からいまだ苦しみを引きずっています。
私は小2の頃いじめにあったのですが、両親に無理矢理学校に行かされました。月日は流れて、今から15年前に抑うつ神経症になり、母親に伝えたら笑われました。おそらく両親は、私のいじめや精神的なことについて、他の方に聞いたりできなかったのかな?と思います。母親は6年前に他界、父親は健在なのですが、これから介護する側になります。今さら父親に子供の頃の事をぶつけてもきっとどうにもならないでしょう。41歳なのですが、今までカウンセリングも受けましたし精神科には今も通院しています。兄と妹がいますが、父に寄りつきません。どうしたら良いかアドバイスいただけたらありがたいです。(41歳)
私は小2の頃いじめにあったのですが、両親に無理矢理学校に行かされました。月日は流れて、今から15年前に抑うつ神経症になり、母親に伝えたら笑われました。おそらく両親は、私のいじめや精神的なことについて、他の方に聞いたりできなかったのかな?と思います。母親は6年前に他界、父親は健在なのですが、これから介護する側になります。今さら父親に子供の頃の事をぶつけてもきっとどうにもならないでしょう。41歳なのですが、今までカウンセリングも受けましたし精神科には今も通院しています。兄と妹がいますが、父に寄りつきません。どうしたら良いかアドバイスいただけたらありがたいです。(41歳)
特別ゲスト 信田さよ子先生の回答
A. 親の介護はまだまだ先のこと。まずは自分が回復することに専念してほしいと思います。
少し、困っている内容が混在していらっしゃいますね。病気のことを話して笑ったお母さんはもう亡くなり、生きているお父さんに本当はそのことを伝えたいのだけどどうにもならないと悩まれているのか……。カウンセリングを受けたり精神科にも通っているものの、今も昔の体験を乗り越えらていないことを何とかしたいのか……。お兄さんと妹さんはお父さんに寄りつかないので介護をどうしたらいいと思われているのか……など。
こんな言い方をすると驚かれるかもしれませんが、お母さんが亡くなられていることは、決して取り返しのつかないことではないと思います。これまで私は、母親に分かってもらえなかった、という思いを抱えている子供さんを多くカウンセリングしてきましたが、親が生きていたらそれはそれで大変なのです。やはり、思いをぶつけたくなってしまいますから。そして理解してほしい、でも理解してくれない、というジレンマに陥るのです。きょうまるさんは、お母さんに思いをぶつけられなかった後悔はあると思いますが、ご存命だったら、ぶつけたいという思いに今も苦しめられていたと思うのですよ。
そしてお父さんの老後のことですが、それはまだ考えなくていいと思いますよ。だってお父さんは、おそらくまだ60代ですよね? 介護なんてまだまだ先の話です。それよりも今は、ご自分が回復することを一番に考えてみてください。
少し、困っている内容が混在していらっしゃいますね。病気のことを話して笑ったお母さんはもう亡くなり、生きているお父さんに本当はそのことを伝えたいのだけどどうにもならないと悩まれているのか……。カウンセリングを受けたり精神科にも通っているものの、今も昔の体験を乗り越えらていないことを何とかしたいのか……。お兄さんと妹さんはお父さんに寄りつかないので介護をどうしたらいいと思われているのか……など。
こんな言い方をすると驚かれるかもしれませんが、お母さんが亡くなられていることは、決して取り返しのつかないことではないと思います。これまで私は、母親に分かってもらえなかった、という思いを抱えている子供さんを多くカウンセリングしてきましたが、親が生きていたらそれはそれで大変なのです。やはり、思いをぶつけたくなってしまいますから。そして理解してほしい、でも理解してくれない、というジレンマに陥るのです。きょうまるさんは、お母さんに思いをぶつけられなかった後悔はあると思いますが、ご存命だったら、ぶつけたいという思いに今も苦しめられていたと思うのですよ。
そしてお父さんの老後のことですが、それはまだ考えなくていいと思いますよ。だってお父さんは、おそらくまだ60代ですよね? 介護なんてまだまだ先の話です。それよりも今は、ご自分が回復することを一番に考えてみてください。
というのも文面から察しますに、きょうまるさんは精神科やカウンセリングに通っている状態とのことですから、おそらくしっかりとは働けない状況かもしれませんね。ならば介護のことを心配されるより、カウンセリングや精神科に通うことを続けられて、ご自分が一日も早く回復することが一番大事だと思います。そうして、親に振り回された人生から早く脱却されてください。まだ41歳なんですから、まずは社会に復帰することに専念されてほしいと思います。今は、そういった精神的症状を患った方が復帰できるような場所もありますし。家族の問題はおいおい考えていけばいいことであって、まずは自分のことを第一に考えていきましょうよ。
それにしても私が驚いたのは、mi-mollet読者の皆さんが、こんなに早くから親の介護のことを考えられていることです。今は100歳超えの方が6万人超えという時代ですから、今70代の親だとしたら、あと30年ほどもあるわけです。その間をずっと、親の介護のことを心配していたらあまりにも苦しいことではないでしょうか?
今70歳より上の世代というのは、まだ社会に力があり充分な面倒をみてもらえる世代です。ですから子供は、「私たちをあてにしないでほしい。私たちの収入は私たちで使い切るから」というふうに考えても、ちっともワガママじゃないですし贅沢でもないと思うのですよ。むしろ私たちカウンセラーのもとには、パラサイトの子供を抱えて「どこまで自分たちが子供の面倒をみるか……」と悩まれている60代、70代の方が多く来られていますから、このような心配をされるmi-mollet読者の皆さんは、それ自体がすでに親孝行だと思います。本当に皆さん、「偉いです」とお伝えしたいですね。
それにしても私が驚いたのは、mi-mollet読者の皆さんが、こんなに早くから親の介護のことを考えられていることです。今は100歳超えの方が6万人超えという時代ですから、今70代の親だとしたら、あと30年ほどもあるわけです。その間をずっと、親の介護のことを心配していたらあまりにも苦しいことではないでしょうか?
今70歳より上の世代というのは、まだ社会に力があり充分な面倒をみてもらえる世代です。ですから子供は、「私たちをあてにしないでほしい。私たちの収入は私たちで使い切るから」というふうに考えても、ちっともワガママじゃないですし贅沢でもないと思うのですよ。むしろ私たちカウンセラーのもとには、パラサイトの子供を抱えて「どこまで自分たちが子供の面倒をみるか……」と悩まれている60代、70代の方が多く来られていますから、このような心配をされるmi-mollet読者の皆さんは、それ自体がすでに親孝行だと思います。本当に皆さん、「偉いです」とお伝えしたいですね。
PROFILE
信田 さよ子(のぶた さよこ)
1946年岐阜県生まれ。臨床心理士。お茶の水女子大学大学院修士課程修了後、病院や相談室勤務を経て、1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アダルトチルドレン、DV、虐待、アルコール依存症など豊富なカウンセリング経験から、家族の問題に対して提言をおこなっている著書に『母が重くてたまらないー墓守娘の嘆き』(春秋社)、『母からの解放 娘たちの声は届くか』(集英社)、『家族のゆくえは金しだい』(春秋社)など。
1946年岐阜県生まれ。臨床心理士。お茶の水女子大学大学院修士課程修了後、病院や相談室勤務を経て、1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アダルトチルドレン、DV、虐待、アルコール依存症など豊富なカウンセリング経験から、家族の問題に対して提言をおこなっている著書に『母が重くてたまらないー墓守娘の嘆き』(春秋社)、『母からの解放 娘たちの声は届くか』(集英社)、『家族のゆくえは金しだい』(春秋社)など。