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感情を上手にコントロール!ご機嫌脳の作り方 [おとなスタイル]

2017年03月09日(木) 09時00分配信

いつでもご機嫌でいたいものです。

毎日、機嫌よく暮らしたいのに、なぜか思い通りにいかない50代。
そこで脳科学者の中野信子さんに質問です。
脳を科学的に知ることで、自分の脳を“ご機嫌”にコントロールすることはできませんか?

中野信子流“ご機嫌脳”のつくり方

Q.50代になると、脳の機能が悪くなるのはなぜ?

A.この時期をどう過ごすかで、これから先の脳が決まります
「“以前よりも我慢が利かなくなった”、“すぐにカッと来て、不機嫌になりがち”ということが増えていたら、脳の中の“前頭葉”の機能が落ちているサイン。50代は人によってこの機能に、大きな差が出始める時期なんです」と話すのは、脳や心理学をテーマに広く活躍している脳科学者・中野信子さん。

前頭葉は脳の前方にあり、脳の司令塔と言われ、考えや行動をコントロールする大切な部分。以前よりも不機嫌になりがちなのは、この前頭葉で情報のやり取りをする神経細胞が徐々に減っていることから起こるという。

「加齢とともに、神経細胞は減っていきますが、前頭葉の“前頭前野”と呼ばれる部分を働かせると、前頭葉の神経細胞は減りにくく、年齢を重ねても新たに神経細胞が生まれることがわかっています。これは朗報ですね」

この前頭前野を働かせるのに重要なのが、“今この瞬間の自分の感情を認知する”練習だ。たとえば怒りがこみあげてきたら、「私、今、怒ってる。こういった状況になると私は怒るんだな」と、少し立ち止まる。

「なんで怒っているんだろう、と原因を分析したり、反省したり、クールダウンしようとする必要はありません。まずは、怒っている自分を斜め上あたりから眺めるように、客観的に自分を観察する練習です。これは今巷で話題の『マインドフルネス』という訓練法。
前頭前野の衰えを防ぐトレーニングになります。お金もかからず、いつでもどこでもできるので、お勧めしたいですね」

こうして一拍おいて、己を観察することで、感情的な負の行動を抑える効果も生まれる。
「マインドフルネスが習慣化できると、自分の感情を上手にコントロールできます。
今の50代の女性は、“いつまでも若々しく”という価値観が主流で、脳や気持ち、身体の衰えを認めにくく、自分の状態を冷静に観察することを避け、客観視できない傾向が強いように感じます。ですが、若さばかりを追い求めると、徐々に訪れる脳や身体の機能低下とバランスが取れなくなり、逆に気持ちは落ち込み、脳にも悪影響を与えてしまうことも。

老いや衰えは、生物であれば仕方がないこと。
ネガティブなことではありません。
そう考えると50代は、今ある姿を受け入れる準備をしないといけない時期だと思うのです。50代をどう過ごすかで、これから先の脳の機能も決まります。加齢で脳も変わっていくことも受け入れつつ、賢く成熟していけたら、もっと機嫌よく暮らせるようになるはずです」

 
年齢とともに脳も次第に変わっていく。
そのことを受け入れて賢く成熟する。
これが、機嫌よく暮らすコツです。

 
■Profile
中野信子
なかの のぶこ
脳科学者、医学博士。1975年、東京都生まれ。横浜市立大学客員准教授、東日本国際大学教授。脳や心理学をテーマに研究・執筆活動を行っている。『生きるのが楽しくなる脳に効く言葉』(セブン&アイ出版)など著書多数。

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