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母親に認知症の症状が現れたその時、まずやるべきこと [mi-mollet]

2017年01月22日(日) 09時00分配信

kabosuさんからの質問

Q.母に認知症の症状が現れショックを受けています。

お盆休みに実家に帰ったところ、母(70)に少し異変を感じました。一週間前に約束していたことをまったく覚えていなかったり、今さっき叔母から聞いた料理のレシピを忘れて電話しようとしたり、珍しく声を荒げて怒ったり……、他にもいくつか今までの母とは違うところがありました。父に聞いてみると、本人も物忘れがひどいと悩んでいると言います。まさか、優しくて穏やかで楽天家の母が……とショックでした。父には認知症かもしれないから早く病院を受診するように話していて、本人もそのつもりのようです。今まで私を支えてくれた母にどのようなサポートをすれば良いのかアドバイスお願いします(43歳)。

 

特別ゲスト 金子稚子さんの回答

A.認知症に関しては、正確な情報を集めることが必須。
とにかくガンガン調べてください!!

大変お辛いことと思います。まずは具体的なことからお伝えさせていただきますね。

最初にやっていただきたいのは、医師による正確な診断です。そして同時に、客観的かつ正確な情報を集めてください。先日、医療系サイトのウェルクが、掲載している情報が不正確だとして公開禁止に追い込まれましたが、認知症に関する情報も様々なものが飛び交っています。ですからともかくも医師による正確な診断を受け、同時に正確な情報収集を始めてください。私がいろいろ見ている限りでは、基本情報については「認知症ねっと」が、ケアについては「認知症オンライン」、その他としては「みんなの介護」が充実しているように思います。認知症は新聞などにも記事が掲載されることも多いですから、主治医とも相談しながら、さらに広告などにも注意を向けながら、そこから取捨選択してください。

認知症の症状には、中核症状と周辺症状というものがあります。中核症状の代表的なものが、物忘れです。時計が読めないとか、ATMの操作が分からなくなる、など……。一方、周辺症状というのは、徘徊、暴力、便をいじってしまう弄便などがあります。こういった周辺症状はケアによってかなり改善する可能性が高いことが分かってきていますので、信頼できる医療者やケアの専門家とつながることが非常に重要になります。

さて、家族が認知症を発症した場合、マストになってくるのがケアです。今は、行政が窓口になっている「認知症サポーター」の養成講座がありますから、まずはこちらに参加して勉強してもいいでしょう。認知症に関する基礎知識や認知症の方への関わり方、ご家族の気持ちなど、養成講座では、そういったことを教えてくれます。認知症の方との関わり方を客観的に理解できると、自分はもちろん認知症の方の行動もかなり違ってきますから、ぜひ学んでみてください。

また、ご相談には「実家に帰ったとき」と書かれていましたから、ご両親とは離れて暮らしてらっしゃるということですよね。そうなると、やはり専門家に頼った方がいいと思います。介護保険の利用も必要となるでしょう。介護保険の利用には、要介護認定を受ける必要がありますが、おそらくそのタイミングでケアマネージャーと出会うことになるはず。ケアマネージャーはプロなので頼れるのですが、ご両親との相性がかなり重要になってきます。ですからご両親が住む地域の「地域包括支援センター」を訪れ、そこでの相談から始めてみてはいかがでしょう。ご両親はもちろんkabosuさんも直接会って信頼できる人を探す努力をしていただきたいと思います。介護は制度ではなく「人」です。「人」に力を貸していただくわけですから、ご両親、kabosuさんの感性も大切になってきます。そして医療と福祉は地域によってもまったく事情が違いますので、実際に会ったり話を聞いたりが肝心。そして違和感を覚えたら、違う手を考える必要も出てきます。

このように、やることは山のようにあり大変なのですが、kabosuさんは43歳とお若いので、ガンガン調べて行動なさってください。認知症に関しては、“正確な情報”と“リアルな人”が、今後を決めるといっても過言ではありませんから!

【PROFILE】

金子稚子(かねこわかこ)

1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)『死後のプロデュース』(PHP新書)『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』(河出書房新社)など。編集・執筆協力に『大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り』(宝島社)がある。

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