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脳腫瘍と闘いながら、自分らしく生きていくために [mi-mollet]

2017年01月02日(月) 12時00分配信

Blueskymamさんからの質問

Q.脳腫瘍を患っています。
今後の生き方についてアドバイスをください。

今年の春頃から不調を感じ、いろいろな病院を訪ね、やっと最近、脳腫瘍の一種だと言うことが分かりました。 発見が早く超初期段階のため経過観察中です。 本当に幸いなことに良性腫瘍ですが、どのような方法(手術、放射線治療、経過観察)をとるにしても、何らかのリスクや後遺症の可能性が高いです。命の危険はありませんが、人生・今後の生き方に関わる病気です。周囲から見ると、私がそのような病気を抱えているとはまったく見えないと思います。病気に気づいてほしいわけではありませんが、非常に疲れやすくなり、今までのようなメンタルを保てずにいます。もともと社交的なのですが、外出することもオシャレをすることも旅行することもすべて億劫になっています。 現在30代半ば。今までずっと健康に過ごしてきました。あまりに突然の変化に、周囲にいる家族にもあたってしまっています。前向きでいようと心がけていますが、常に気持ちの浮き沈みがあります。これから先の長い人生、悲観することなく、私らしく生きるためのアドバイスをいただけないでしょうか。

 

特別ゲスト 金子稚子さんの回答

A.まずは心と体の記録をつけることで
自分の快・不快を客観的に把握することから始められてはいかがでしょうか。

大変お辛いことと思います。心からお見舞い申し上げます。

そのうえで厳しいことを言いますと、患者の気持ちは誰にも分からないものです。たとえ同じご病気の経験者でも、環境は様々に違いますので……。たしかに患者会などに参加すれば、気持ちの共有はできます。が、やはり真の苦しみというものは自分にしか分かりません……。それと同時に、ご家族は、“病気の家族を抱えている”という苦しみを抱えてもいます。その苦しみはまた、buleskymamさん含めて周囲の誰にも分からないものです。このことを前提に、私の考えるところを聞いていただけたら嬉しいです。

まずbuleskymanさんにしてほしいと思うことは、自分の快・不快を意識する、ということです。私は30代の頃からずっと、心と体の記録をつけています。基礎体温、血圧、睡眠の状態……など。体重と体脂肪率だけは、恐ろしくて測れていないのですが(汗)。同時に、“気持ち”も合わせて記録しています。そうすると、自分がどういうときに気分がよくて、どういうときに心が乱れるかなどが見えてきました。buleskymanさんにも是非、お勧めできればと思います。今は血圧計もそんなに高くありませんし、記録をつけやすいアプリなども増えています。そういったものを使って丁寧に記録してみると、きっと「こういう日は不快になる」とか「こういう睡眠の翌日は気分が良い」とか、少し見えてくるのではないかと思います。そうして、「今日はたぶん気持ちを上げられないから、あまり人に会わないようにしよう」などと、ある程度快・不快に合わせて生活をコントロールされてみてはいかがでしょうか。

そして「自分らしく生きるには」というご相談についてですが……。私は終活ジャーナリストとして活動をしていることもあって、何事も“終わり”から考えるのですね。誰しも、人生の究極の願いというのは、「自分の命をどうしたいか」、つまり「どう生きるか」に集約されると思うのです。たとえ、限りなく死に近づいていたとしても。健康なうちは、ついその本質的な願いに向き合わず時を過ごしてしまいます。でも私は配偶者を亡くすという経験を経て、自分なりにこの答えを見出すことができました。buleskymanさんは突然の状況変化に、まだそこまで考えられる余裕はないかもしれません。でも、苦しみを感じているからこそ見えるものも必ずあります。ですからまずはご自身の記録をつけて快・不快を意識しつつ、心が整ってくるのを待ってみてはいかがでしょうか。じっくり向き合われるのは、それからで良いと思いますよ。

ただ、「前向きに」などと考える必要はまったくないと思います。人の気持ちというのは、浮き沈みがあって当たり前です。どんなに気分が下がっていても必ず上がってくるときがあると信じてほしいし、反対に上がっていても下がってくるときがくることを知っておいた方がいい。そうして気持ちの浮き沈みをありのままに受け止めているうちに、だんだん「私らしく」を自分で感じられるようになると思うのです。

 

いかがですか?
金子稚子さんの回答、ぜひご参考になさってください。

【PROFILE】

金子稚子(かねこわかこ)

1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)『死後のプロデュース』(PHP新書)『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』(河出書房新社)など。編集・執筆協力に『大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り』(宝島社)がある。

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