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シンプルライフから見える本当の贅沢とは?ドミニック・ローホー流6つの秘密 [おとなスタイル]

2016年12月26日(月) 18時00分配信

「贅沢とは、ほがらかに生きること。 持ちすぎているもの、やるべきこと、約束から離れて、 のんきで身軽な生活に戻してはどうでしょう?」

たった18平米のワンルームで暮らす、フランス人著述家ドミニック・ローホーさん。彼女の究極のものを持たない暮らしについて、6つの秘密をご紹介いたします。
「小さな家」で贅沢に暮らす6つの秘密

普通のワンルームマンションとは思えません。

「小さな家」で贅沢に暮らす6つの秘密

彼女の京都の家は、コックピットのような小さなキッチン付きの、ごく普通のワンルームマンションをリノベーション。戸棚の中もスカスカで、本当に少ない「持ちもの」で充分なのです。
ものに縛られない暮らしは豊かで贅沢。心の安らぎがあります。

一、ひとつの用途にひとつのものだけ持つ

ものをたくさん持つことが、本当に豊かで贅沢なことでしょうか。コーヒーカップやお猪口をコレクションして、「どれで飲もうか」と戸棚の前で悩むのは、人生のエネルギーを消耗することでもあります。
ものが多ければ大きな収納場所が必要だし、手入れをするのも大変。
それに、たくさんある中から選ぶのは疲れます。 自分の弱さ(疲れ、イライラ、時間の足りなさ、情報不足)や気まぐれで購入してしまい、あまり使っていないのに捨てられずにいるものたちのためにエネルギーを消耗して、私たちは疲れているのです。だから私自身は、「ひとつの用途にひとつのものだけ持つ」と決めています。

〈私は、キッチン道具からバッグまで、使い道が同じで、持っているよりも軽量で、小さく、使いやすいものを見つけたら、躊躇なく手持ちのものを捨てます〉

(『シンプルだから、贅沢』(講談社)より。以下同)

二、ものに情けはかけない

私が持っている調理道具はこの8つ。中でもチタン製のしゃもじは、私にとって「ないと困る」もの。友だちの家で料理を作るときに「あれがないとやっぱり不便」と感じます。本当に必要なもの・好きなものは、ふだんは無意識に使っているけれど「ないと困る」。そういうものだけに減らすと、暮らしはシンプルで、とてもラクになります。
必要でないものを処分するときに困るのが、想い出のものたちです。「昔々に妹からもらったぬいぐるみが捨てられない」というおとなの女性に私はこうアドバイスしました。
「写真で残しておいたら? あるいは、そのぬいぐるみについての小さくきれいな詩を作る」
ものに情けはかけない。情のあるものは、情だけを残せばよいのです。

三、高価なものほど、手放したときに満ちたりる

「高かったから捨てられない」と、みなさんはよく言います。しかし少ないもので暮らすことを長年続けてきて、私は最近、高価なものを所有するのも嫌になってきました。
たとえば私はダイヤが好きで、指輪などを少しだけ持っています。これは簡単に捨てることはできませんが、でも今はもういらない気持ちです。大好きだったけれど、いらない。
どうして? なくても、今の私には“いい生活”ができるから。心が満たされていれば、ものの力を借りなくても豊かに暮らせます。しかしこれも「持った」経験があって初めてわかることですから、ものを買ってきたことは無駄ではないのです。

四、二流の選択を、決して受け入れない

切れないハサミを使っていませんか? デザインは気に入っているけれど、持って出かけると重たくて嫌になるブランドのバッグがあるのでは? ほとんどの場合、無意識ですが、私たちはものを使うときに満足しているか、イライラしているかのどちらかなのです。

〈使うものを使い勝手のよい上質なものに取り替えることで、小さなイライラが消えます。すると、イライラすることで無駄に消費していた私たちのエネルギーを節約できるのです〉

ものは少なく、ただし最良のものと暮らす。これは、いろいろなものを買って失敗もしてきた、おとなだからこそできる生き方です。

五、「飽きること」に罪悪感を持たなくてよい

飽きたら、ものは処分してよいのです。「飽きっぽい」ことに罪悪感を持つ必要はありません。
なぜなら、「飽きる」は気持ちだから。気持ちはコントロールできない。人間に対する感情と一緒。愛しているか、愛していないか……。愛せなくなったらサヨナラする、それと同じです。
ただし、本当に好きなもの・大切なものは飽きることがありません。先にも書きましたが、本当に好きなもの=「ないと困る」もの。要するに「飽きる」ものは、その程度のものだということです。

六、ノーチョイス、ノーセカンドチョイス

人生は選択の連続です。どの服を着る? どの口紅をつける? どの店に入る? どの料理を食べる? ……たくさんある中から、選び続けなければいけない人生は、実はとてもストレスが多くて疲れます。
疲れない生き方とはどんなものでしょう? 着心地がよくて自分に似合っている、ユニフォームみたいな服だけを持つこと。手触りや口当たりのよい漆器で毎日食事をすること。
つまり、「選ばない」ですむものだけと暮らすことです。それしか持っていないから、それを使う。選ばないことは、やってみればわかるけれど、とても気楽でのんきな生き方です。心と時間にゆとりが生まれ、ものに対して使っていたエネルギーを、友だちや家族とゆっくり過ごすことに使える。そうすると、いつもほがらかでいられます。

ノーチョイス、ノーセカンドチョイス。これは私の大きなライフテーマ。
みなさんもいかがですか?
■Profile
ドミニック・ローホー
著述家。フランスに生まれ、ソルボンヌ大学で修士号を取得。イギリス、アメリカ、日本の大学で教鞭をとる。禅の修行などを通して日本の精神文化への理解を深め、シンプルな暮らしを提案。『シンプルに生きる』(幻冬舎)、『「限りなく少なく」豊かに生きる』(講談社)など累計250万部のベストセラーを持つ。
(撮影/大河内 禎)

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