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長島茂雄、宇野千代、川上宗薫、佐藤愛子、ビートたけし、田辺聖子、丹波哲郎、ドクトルチエコ、吉行淳之介、野坂昭如、小森和子……などなど。1970年代～1080年代の雑誌インタビューから掘り起こされた著名人の名言・珍言をヒントに、人生の悩みを解決する電子書籍『「誰にも聞けない」人づきあい、お金、出世、セックス…の悩み 100問100答」が話題です。数々ある珠玉の人生訓から、今回は評論家・俵萌子さんのアドバイスをお届けします。

 

 

Ｑ　早漏や勃起不全で悩む男性は多いと思いますが、私の彼の場合は「遅漏」なのです。セックスはしっかりできるけれど、私の中で一度もイッたことがありません。彼は私とのセックスにまったく不満はないといいますが、女として自信が持てません……。

 

A　セックスというのは性器の結合だけのことじゃないんだから、ぼくはセックスをしようがしまいが、裸で寝ることが大切だと思うな。（池田満寿夫　「『性』に相性はあるか」池田満寿夫・佐藤陽子ｗｉｔｈ　１９８３年６月号より）

版画家であり芥川賞作家でもあった池田満寿夫さんは、二十一歳のときに一回り近く年上の一般女性と結婚。その妻が離婚に応じなかったため、池田さんは詩人の富岡多恵子さんやアメリカ人画家・リランさんと同棲生活を重ねます。そしてその後出会ったのが終生のパートナーとなるバイオリニストの佐藤陽子さん。二人は同棲生活をはじめて四年間、離れていたのは三晩だけだといいます。

まさに〈運命の人〉に出会えた池田さんと佐藤さんですが、彼らカップルが大切にしていたのが「同じベッドで裸で寝ること」です。セックスは瞬間のものですが、裸で一緒に寝るというのは一晩中のこと。本当に愛し合っていなかったら、そんなに長い時間、お互いの皮膚が密着していることに耐えられないというのです。

受ける性として女性であるあなたが彼の射精を望むのは当然のことです。しかし、男性の遅漏についてはさまざまなケースがあり、心配であれば専門医に相談するしかありません。ですが、あなたと彼は同じベッドで一晩中、裸で過ごせる間柄なのですよね？　ならば、あなたが自信を失う必要などありません。彼にとってのセックスは池田さんのいうように結合や射精だけではないのでしょう。彼はあなたと肌を寄せ合っているだけで射精以上の幸福感に満たされているのです。彼を大切にしてください。あなたは心から愛されているのですよ。

※電子書籍『一〇〇年使える人生相談　「誰にも聞けない」人づきあい、お金、出世、セックス…の悩み　１００問１００答 』(講談社)より抜粋