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映画『マイ・ベスト・フレンド』〜オンナの友情は永遠に成立するのか!? [mi-mollet]

2016年12月01日(木) 19時00分配信

はじめまして! 映画ライターの細谷美香と申します。映画館や試写室でも感情が揺さぶられると、すぐに発汗、動悸、息切れ、などの症状が現れます。これは年齢ゆえなの!? それとも感動ゆえなの!? と謎めく瞬間がしばしば訪れますが、私を挙動不審にさせた映画たち(?)を紹介していきたいと思います。

『マイ・ベスト・フレンド』

今回紹介したいのは、40代女性にドンズバおすすめの『マイ・ベスト・フレンド』。小学生の頃に出会って以来、お互いの恥ずかしい過去も恋愛の失敗もすべてを把握している親友同士、ミリーとジェスの物語です。ワイルドなバンドマンだった夫がビジネスで成功し、子どもにも恵まれたミリー。優しい夫とボートハウスに住み、不妊治療をしているジェス。神様がふたりの変わらぬ友情を試すかのように、ミリーの乳がんとジェスの妊娠が、ほとんど同時にわかってしまいます。

『マイ・ベスト・フレンド』

女子の友情には流動的なところもあって、子育てや仕事などそのときどきの優先順位によって、ほんの少し疎遠になることもありますよね。そして何かのタイミングでまた学生時代のように、頻繁に会う仲に戻ることもある。それもまたよし! と思っているのですが、ライフスタイルが変わってもずっと現在進行形で友情が続いているミリーとジェスの関係を見ながら、うらやましさも感じました。でも、きれいごとばかりが描かれているわけではないのが、この映画の好きなところ。優しくて穏やかで、自分の気持ちを隠してしまうジェスが、病気を言い訳に利己的になっていくミリーにぶち切れて、距離を置いてしまうエピソードも描かれています。女性の脚本家が自身の経験を生かしてシナリオを執筆したそうで、乳がんの治療や家族との関係、女性としての尊厳の問題に関する描写からは、胸が引き裂かれるような痛みも伝わってきました。

 

『マイ・ベスト・フレンド』

どんなことがあってもミリーにとってジェスは、嫌われるかもしれないなんてことを心配せず、本音をぶつける相手。ジェスにとってミリーは、手助けを求められると、どうしても見捨ててはおけない相手――。そんな彼女たちをふわふわマシュマロ・ボディのドリュー・バリモアと、骨からして立派そうなトニ・コレットが演じていて、性格は違うのに磁石のように気が合う親友同士という関係に説得力を与えています。この映画をきっかけに40代のふたりは大親友になったのだとか!

『マイ・ベスト・フレンド』

この映画の予告編を観たら「『セックス・アンド・ザ・シティ』に夢中だったあなたへ」というナレーションが聞こえてきて、「はい、はい! それ私です!」と挙手しそうになりました。「ピンクリボンのチャリティでスピーチをしてたサマンサがホットフラッシュに襲われてさ、そんでウィッグを脱ぎ捨てたシーンがさ……」と今すぐ10時間くらい話せそうな勢いです。同じような気持ちになった方、ぜひぜひ映画館へ。もちろんマスカラはウォータープルーフでお願いします。
『マイ・ベスト・フレンド』
監督:キャサリン・ハードウィック 出演:トニ・コレット、ドリュー・バリモア
配給:ショウゲート TOHOシネマズ シャンテほかにて公開中

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