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80代女医が体験告白 更年期のつらい症状をケアするホルモン補充療法って? [おとなスタイル]

2016年03月19日(土) 09時00分配信

更年期のつらい症状をケアして閉経後の骨を守る 知っておきたい“HRT”(ホルモン

60歳から女性ホルモン補充療法(HRT)を始めた婦人科医・野末悦子さん。 HRTは、骨量を改善に導き、関節の痛みも止めてくれたと話します。

更年期のつらい症状をケアして閉経後の骨を守る 知っておきたい“HRT”(ホルモン

HRTは、閉経後にあらわれる様々な慢性症状に効果を発揮する治療法。骨粗鬆症の予防・改善効果も認められている。
「長く仕事を続けられるのは、一つは、HRTのおかげね。気分が明るくなるし、私の場合、関節の痛みがなくなりました」
こう語る野末悦子さんは、なんと83歳の現役医師。「自分で運転できるうちは仕事を続けるつもり」と元気いっぱい。でも、40~50代は苦難の連続だった。45歳で乳がん手術、50代で閉経し、3度の骨折を経験。
「50代で骨粗鬆症と診断されました。閉経後から肩こり、腰痛、関節痛に悩み、体中の骨が悲鳴をあげているような状態でしたね」
HRTは乳がんが禁忌であるため、受けることを諦めていた野末さん。その後、母親を介護することになり、自分がいい状態でいたいと60歳でHRTを開始。
「当時ヨーロッパの専門医に相談したら、10年間乳がんの再発がなければ受けていいと(※)。始めたらたった2週間で、ミイラが動き出したみたいに元気になりました。骨量も回復し、以来骨折もなし」

SMIチェック表

一般的に、HRTは閉経後早期に始めたほうが心疾患へのリスクが低く、骨粗鬆症の予防効果も高いとされている。
「閉経近くなったら、ほかに疾患がないかどうか、各種検診を受けたうえでHRTを検討しましょう。まずは、更年期指数を測るSMIをやってみて。数値が高い人は更年期障害に加え、骨量減少も進んでいる可能性が高いです」
HRTは5年以内にすべきという医師もいますが、
「興味深いのは、HRTをやめてしまうと骨量が下がっていくということ。骨量維持には食事や運動も大切。でも、そもそも、更年期症状がつらくてやる気が出なければ運動もできないでしょう。ほんの少量でも長く使い続けたらいいと思いますね」
症状があれば使い、ラクになれば量を減らしてみるのもあり。開始時期も使用期間も患者自身が決められるのがHRT。60代、70代になってもHRTを続ける場合、骨粗鬆症の治療と萎縮性腟炎の治療なら健康保険が適用される。
「よりよい選択をするには、HRTに理解のある医師を選ぶことも大切。私のように50代で骨粗鬆症になる人もいます。骨密度検査も受けておきましょう」

<野末悦子さん プロフィール>
婦人科医師。更年期障害治療のエキスパート。83歳の現在も婦人科医師として、週2回の外来診療と、併設の介護老人保健施設の施設長を兼任。’78年に乳がんを経験。

おとなスタイルVol.2 2015冬号より

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