5月のカルテ

VOCE創刊時から編集・執筆、すべてを見てきた。ビューティ誌をはじめ、美容業界紙『WWD JAPAN BEAUTY』の人気連載「近藤須雅子の業界人探訪 あの人の話が聞きたい!」などで連載中。コスメの商品開発や広告、書籍の編集など、マルチな活躍を続けている。スキンケア、メイクアップのオールジャンルの美容知識と、鋭い切り口で定評がある。
 先日、友人のアルバムを見ていて驚いた。トシを重ねるほど、若々しくなっているんだから。メイクも髪型もどんどんシンプルになっていて、30歳の頃より40代、50代の頃のほうが圧倒的に若い。そういえば、テレビでベテラン女優の若い頃の写真が公開されても、たいてい10年前より今のほうが若いもの。「トシをとれば老けるもの」と20代の頃は思い込んでいたけれど大ハズレ。あの頃は知識も経験もないぶん想像力もなくて、頭が固かったんだなって思う。 多分、老化って、“トシをとること”より、この“カチカチに凝り固まってしまうこと”なんじゃないか。心も身体も硬く、伸びやかさやしなやかさが欠けていくことを、老化って言うのだと思う。
 でも実際は、「これはこう」って決めつけてしまったほうが、しなやかな心を保つより、ずっと楽ちん。「植物性化粧品はケミカルなコスメより安全だ」とか「自然派は最新コスメにかなわない」とか「いやいや昔風のおばあちゃんの知恵袋的レシピがベストだ」という“思い込み”を鵜呑みにすれば悩まなくてすむ。逆に、「植物性化粧品にもイイものもそうじゃないものもあるし、今の技術では合成できない天然成分も多いはず。エアコンや電磁波バリバリのパソコンに囲まれていて、昔風ケアで間に合うの?」なんて、いちいち考えるのは面倒だし、エネルギーもいる。だから、つい手を抜いて老け込んでいくのだと思う。心や頭も身体同様、きちんとトレーニングしていないと、柔軟性が落ち、硬くなってしまうみたい。
 そう考えると柔軟性を保つのも大変だ。でもでも、私たちには特効薬ミーハー心がある! 新製品に「これいい♪」と身を乗り出し、売り場にダッシュして、速攻試す。この瞬発力と実行力があれば、硬く凝り固まって老け込むはずがない!(はず)。


ビューティストコラム 今月のアイテム 5月のカルテ目次