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車でワインの名産地Yarra Valley(ヤラ・ヴァレー)に向かう。郊外へ出れば、そこは家畜天国! 牛、羊、馬、馬、羊、牛……しつこいけど、しつこいほど居る。Mはみんな食べ物に見えるらしく、牛を見れば「アンガス!」と叫び、見なくても「アンガス。」とつぶやく。空腹か? アンガスは“Angus”、牛の種類で赤身がうまい(どーでもいいんすけど、正式にはアバディーンアンガス)。辺りに居るのがアンガスなのか、実は不明だったりするが、そんなことはおかまいなし。1時間ほどで取材先「Bella Vedere」へ。
周囲に人家のないぶどう畑の只中に建ち、「恵まれた土地を活かした料理」(シェフのGary氏)を展開する一軒家レストラン。焼きたてのパン、近隣で釣れたばかりの鱒、野菜は自家農園。うまくすると、ワインだって市場に出回らない逸品が現れる。取材中にいただいた無ラベルのカベルネ+メルロー('92)も、物凄くうまかったです。鱒はこうなり、うさぎはこんなんで、スープがとても素敵。2階では料理教室(予約制)もやっているのだが、妙に生々しい解体図が飾ってある。牛にキツネにうさぎ! 素人がこんなのさばくのか? 主婦たちがキツネをきゅきゅっと。さすが大陸だなぁと感心したが、違うのかもしれん。こうして、国から国へ、誤った情報が伝えられていくのだ。
満腹で「TarraWarra Estate」へ。ヤラ・ヴァレーには70以上のワイナリーがあり、ピノ・ノワールとシャルドネを中心に造っている。北向きで石灰質が多く、ぶどうがよろこぶ土地だという。本誌チームは醸造所の撮影へ、ひとりi-VoCE班は待機。取材中に荷物番をしたのなんて、いつ以来だろう。ぶどう畑の斜面をのんびり眺めるうちに皆が戻り、美術館を併設したモダンな建物でテイスティング・タイム。常時12種類ほどが可能だが、ヘビーなシャルドネがうまい! カンタス航空のファーストクラスでも供しているそうだ。乗れないけど、ワインは呑める。
本日の宿泊先でもある「Chateau Yering Historic House Hotel」は、1854年に建てられた(当時は個人宅)ヴィクトリアンスタイルのホテル。クラシカルな雰囲気抜群で、メインダイニングには、夜になると着飾ったカップルが続々と集結し……本当に続々と! なんなんだ? 実はこの日、2月14日でした。ヘリで乗りつける男女がいたり、ウェイティングルームのソファなんて、食事前なのに、ねぇ。野暮なわれわれは、機材を片手にうろうろするも、やりにくい。
カップルに囲まれてのディナーは、正統派フレンチだが和テイストも少々。厨房で日本人が活躍しており、「味噌風味の仔牛の煮込み マグロのタタキ添え」なんてのも出る。僕はまたラム。羊はうまいなあ。コースをぺろりといただき、腹8分目、ほろ酔い。だが、デザートの前に唐突に席を立つことになる。一緒に食事していたオーナーに連れられて、薄暮のカンガルーウォッチングへ行くのだ。食事中に済みません。
車で5〜6分、たまーにカモノハシを見かけるというオーナー情報に躍らされつつ、小さな川沿いの一角へ。捜すまでもなく、なにやらぴょんぴょんと跳ねている大勢の有袋類がっ! この辺り一帯でのびのび暮らしているようで、こちらが近づくとぴょん。んー、ぴょん。適度な距離を保ちながら悠然と逃げる。翻弄されながら、ぐんぐん暗くなる中で動画撮影。視界はギリギリですが、どうぞご覧ください。
▼Kangarooの動画を見る[PLAY]
ディナーに戻ってチーズにデザート。「NOBLE ONE」という素敵な貴腐ワインをいただき(土産に最適です)、調子に乗りつつブランデー。さらなる摂取といきたかったが、翌朝は6:00集合なんで自重。周囲のカップルもいい具合に盛り上がっていると見えたが、もちろん余計なお世話である。
告白すると、僕は高所恐怖症です。深夜2:00、歯が痛くなり、出血した。これはもう、早朝に控えている仕事のせいだ。呪われてる。行きたくない。でも、前夜にもらっていたクローブ(丁字)の粒を囓っていたら、少し治まってきた。寝る。
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