 |
|
ところで
“神経質そうな男”に
女は何で心惹かれるのか? |
面倒臭そうと思いながらも、何となく気になってしまう“神経質そうな男”、一体何がどう魅力なんだろう。私はこれ、単純に顔形だと思う。女がイメージする“神経質そうな男”に、太った男はいない。丸顔で色黒でいつも汗をかいてて、笑顔がカワイイ、ホンジャマカの石塚英彦みたいな男はたぶんいない。やせていて、ちょっと色白で、アブラが少なくて、笑顔をあんまり見せない、そういう風貌の男に、女は昔読んだ少女マンガの美少年を重ね合わせるから、ほんのちょっと本能がくすぐられるだけのこと。確かに男は神経質だとあんまり太れない。神経質な男は往々にして、ナルシストにもなりやすく、色白か、さもなければ日サロ焼け、汗はかいてもすぐ拭くし、皮脂テカも許されないから、結果として一般的な男よりも美しい。そういうビジュアルに、未成熟な美少年のおもかげを追い、ナイーブな男を少し傷つけたりしてしまう自分の姿をイメージして、ちょっぴりステキかも……と思うだけなんじゃないか。
実際“神経質な男”と付き合うのは、けっこうしんどいものらしく、よほど人間がデキていないと、そして相手をよっぽど愛していないと続かないとはよく言われること。神経質な男が何を考えているか? たぶん半分は自分を大事に取り扱うこと。ワレモノ注意の荷物を運び続けるような人生もスリリングで悪くないが、神経を自分のために使う男か、相手に使う男かだけは、しっかり見分けておくこと。 |
|
|
「これ、おいしいから食べてみて」と、自分が使ったフォークにケーキを切り取って、いきなり相手の口もとにもっていくのは、親しい間柄でない限り、やっぱり少し神経質でなさすぎるのだろうし、それを露骨に頑なに拒否するのは、やっぱり少し神経質でありすぎる……これはそのまま人間の根本的なマナーに置きかえられる。「これ、もしよかったら食べてみて」と、コーヒーカップについてくる未使用のスプーンを相手に渡し、ケーキの皿ごと相手にすすめる人と、「え、いいんですか?」とそれを有り難く頂戴する人が、神経質でありすぎもなさすぎもしない、ちょうどいい人間だ。つまり、“よい神経質”とは、相手への気づかいのために神経を使うこと。“いけない神経質”とは、相手を巻きこんでまで自分を大事大事にするために神経を使うこと、なんである。
一般的に、超一流のアーティスト(音楽家でもデザイナーでも)は相当に神経質で、海外から“大物”がやってくると、迎える側はひたすらピリピリするというけれど、以前インタビューしたことのある日本の超一流メイクアップアーティスト氏は、とてもナイーブな人ながら、「ボクは生来の“腰元”体質で、相手が心地よくなってくれれば、自分はどうなってもいいタイプ」と言ったのを私は忘れられない。きわめて繊細な心の持ち主だが、その神経のすべてを相手に対して使う人として、確かに業界内でも有名。真の一流は、神経まで一流である。人間、その境地まで到達できたらスゴイと感じた。
でもまずは、“神経質”が目立たない人になりたい。神経が細かすぎず、太すぎず、ちょうどいい太さの当たりまえの神経をもった人に……。 |