 |
|
ピアニストと
バレリーナは
マジメの女神 |
さて、マジメは女をキレイにするのか? 少なくとも、美容に対してマジメな女は、不マジメな女よりは、明らかにキレイである。ただ、本当に女をキレイにするマジメとは、やはりひとつのことにこれまでの人生の2/3以上を費やし、今もそれに一日の2/3以上を費やすくらい、“何かに打ち込むマジメ”。
たとえば、すでに有名になっているピアニストとかヴァイオリニストなどの演奏家のマジメは、並大抵じゃない。世界的なコンクールなどで賞を取ったりするくらいのテクニックを持つ人は、3歳くらいから濃厚なまでのマジメ生活に365日明け暮れていることは間違いなく、子供の頃から一日6時間もピアノを弾いているようなとてつもなく熱いマジメをやってきてしまうと、もう顔からして普通の女の子とは違ってきてしまう。クラス中を見渡した時、ひとりだけ鮮明に見えてしまうような、発光するような存在感みたいなものが、その子の体に宿ってしまっているのだ。たぶん、マジメをみっちり積み重ねていくと、見た目の魂濃度が、一般人より高くなるのであろう。ヘラヘラしながらお弁当を食べていても、一人だけ魂が宿っちゃってるみたいな。バレリーナはこれに、異様な“姿勢の良さ”が加わるから、もっと魂が濃い。それは美容では絶対作れない美しさ。マジメは女を、ミューズにする。
|
|
|
そう、世の中には、すごい才能をもっている人はいっぱいいるが、マジメというものが根底にないために、その才能を生涯花開かせない人もいっぱいいるのだ。それが何とも悲しいじゃないか。
今まで、マジメであることは、何となく軽んじられてきた。カッコ悪いとか、ヤボったいとか、おもしろみがないとか、いろんなことを言われてきた。でもたぶん、2002年6月の1ヵ月間で、つまりWカップにハマって、やっぱり人間マジメじゃなきゃ、何も始まらないのだと思い知った日本人は多かったはずだ。勝ち上がるチームは、要するに目的を果たすことに対し、人間の限界までマジメに取り組んだ人たちの集まりだったからである。そして奇しくもこの6月に、チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門での優勝を、日本人女性が勝ちとった。音楽の世界でも、才能を形にしようとする“究極なマジメの快挙”。なんだかとても、マジメが恋しくなった。マジメなこと自体に憧れを感じてしまったりもした。何か、これからのテーマはマジメってことかも……と思ったりもした。マジメっていい。マジメはすごい。マジメをごはんにして、毎日しっかり食べる。すべてはそこから始めないと、人の人生、薄っぺらくなるばかりなのである。 |