その違い、そのカン違いに気づくと、しつこくなった女も、ハッと我に返ることがある。あとから考えて、あれ、何で私はこんな男におかしくなるまで夢中になっていたのだろうと思うことが、女にはよくあるが、それなどまさに、“愛情”とカン違いした欲望を自覚した証拠。少しも尊いものじゃなく、“貫く”にまったく値しないものだったことに気づく瞬間なのだ。
そう、愛情とはもっとしみじみしたもの。恋愛感情が、いろいろあって、夢も幻想もウソも間違いも、すべてのゼイ肉がそぎ落とされた時に残る、じつはとても静かなあたたかな感情なのである。だから、“愛憎相半ばする”みたいな言葉は、めったやたらに成立するもんじゃない。憎しみと紙一重の愛情なんて、そんじょそこらの恋愛で生まれるはずがない。愛憎相半ばする場合の愛情は、それこそ極端に身勝手な、感情の“私利私欲”にすぎないのである。
そして問題は、“しつこさ”が女を少なからず、蝕んでしまう点にある。“深い愛情”は栄養のように、女をすこやかに育てていくが、“しつこさ”による消耗は、本当に体に毒。だからできれば一生、避けて通る方がいい。一度やるとクセになるのも“しつこさ”の特徴。早いとこ、愛情との見極めを。
たぶん、そこの“見分け”がつかない人間が、深く関わってもいない相手に対してもつ間違った欲望を“人生に代えても惜しくない愛情”と大カン違いして、ストーカー殺人などを起こしてしまうのだろう。その見分けを間違ってしまっては絶対いけないのだ。“愛しすぎてしまう女”は、それをだいたい繰り返す。相手の男が替わっても、必ずいつも愛しすぎて、必ずしつこくなる。ふつうに考えたらこれはおかしい。相手によって、愛情の量は変わるのが本当なのに。
ここまで言ったら気づくだろう。しつこくなっている時の愛情は、ニセである。そしてハッと我に返ったら、その相手はだいたいどーでもよくなってしまう男なのである。
それよりもっとしみじみあたたかい感情をもてる相手をさがそう。あるいは今の恋心をあわてず走らず、歪ませず、ていねいにゼイ肉をそぎ落として、ほのぼのとした感情に育てていこう。そこにあなたの幸せは待っている。 |
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しかしながら、
“しつこい女”は
なぜかみんな魅力的 |
“しつこい女”は、だいたい何度恋愛しても、しつこくなる。だからと言って、何度失敗しても懲りない、
“頭の悪い女”……などでは意外になく、むしろ仕事場では仕事ができて、男にも女にもわりにモテて、オシャレでキレイでセクシーな女だったりする。ブランド物を集めることと化粧することと、玉の輿に乗ることしか頭にないような女ではなく、女としては、わりに奥の深い、人間的センスのある女だったりする。
なぜだかわかるだろうか? 恋心をたちまちエスカレートさせて、バランスをくずし、それを安易に愛情とカン違いする女には、感性豊かでエネルギッシュで、人間として熱いタイプが多いからだ。それが、欲望に衝き動かされた結果でも、そういう女はわりに物欲は少ない。“物欲”ではなく、“人欲”というべき欲望が強いタイプ。言うならば、自分以外の人間を巻き込んでも欲望を満たそうとするカルマをもった女と言っていい。そういうタイプは、喜怒哀楽も激しく、感動する心もちゃんともっている。だから、物より人に対して、欲望を燃えたたせてしまう宿命にあるわけだが、日常生活にもどれば、感性豊かで頭も良ければ、オシャレでセンスもいいから、そこそこキレイになれるし、会話も面白い。仕事にもエネルギッシュに取り組めるから、総合評価として、だいたい“イイ女”になりうるわけだ。しつこい女は、魅力的。因果だね。 |
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