ひとつめは、“許せないこと”自体にマヒしていって、自分も同じことをやるようになる。ふたつめは、自分以外の人を一様に許せなくなる。3つめは、“罪を憎んで、人を憎まず”という境地に達する。
こういう世の中では、3つのうち自分がどっちの方向へ行こうとしているのかを、ハッキリ自覚しておいた方がいいかもしれない。人を作るのは、環境だから、“許せないこと”にまみれているうち、自分自身もそれに影響されて変わっていきかねないから、うっかり、まわりの人みんなを許せなくなったら大ごとだ。極端な話、犯罪レべルで“許せないこと”をやってしまう人間の中には、“自分以外の人をみんな許せなくなったタイプ”が多いはずだし。ここは、マヒせず、人を憎まず、罪だけをハッキリ憎みつづける人でありたい。
ただし、“許せないこと”が多すぎる人に聞いてほしい。実際、今の世の中、“許せないこと”は本当に多いけれど、“許せる許せない”はあくまで自分のものさしで測るもの。そのものさしが、そもそも自分勝手になっていないか、それを時々確かめてみることも必要なのだ。自分自身、時々思う。“許せないこと”がとっても多いとき、それは自分が身勝手になってるせいじゃないかと。すべてを自分の思い通りにしたい人間にとっては、他人のどんな行動も、自分の意に少しでも反していれば、“許せないこと”になる。「おなかすかない?」と聞いて「私はすかない」と言われれば、それだけで腹がたつように、日常の中に“許せないこと”はどんどん増えていく。だからもうひとつ、今の時代にハッキリ分けておくべきは、それは“人間として許さないこと”や“マナー的に許せないこと”なのか、それとも“自分にとって許せないこと”か。いちいち考えてみよう。
“自分にとって許せないこと”が日常的にたくさんある人は、そのものさしから見直しすべきかもしれない。自分は正義感や常識があるから“許せないこと”が多いんじゃなく、身勝手だから、“許せないこと”が多いんじゃないかと。許さない人たちはそこのところ、よーく見極めたい。 |

お店のスタッフの態度が 良くなっている理由
ウエイトレスが「いらっしゃいませ」もなく、水の入ったコップをドンと置き、水しぶきをあげた……みたいなことは、最近あんまりない。10年前はもっとあった。逆にカンジがいいだけで、感動しちゃったりしてたもの。ひとつにチェーン店が多くなり、接客マニュアルにのっとった“よい態度”が徹底しているためもあるだろうが、それでも感じるのは今、男性スタッフより女性スタッフの方が感じがいいこと。
おそらくは“キレイになりたい願望”の現れだろう。全国津々浦々、美容ブームが行き渡り、化粧品をいっぱい買って、一生懸命美容する女性は確実に増えたはず。かくしてせっかくカワイくなったのだから、もうちょっと笑ってみようかな、なんて思った女性は、たぶん10人に6人はいるはずなのだ。カンジ悪い女性も半分は本当に性格ブス、半分は自分に自信がないから、笑い方を知らない。愛想をふりまけないだけ。その人たちが愛想を覚えれば、日本中のサービスが良くなったように思えてもおかしくない。
それともうひとつ、本当にカンジ悪い店員がいることを“許さない人”が増えたこと。店長を呼んで「ああいう子使ってたら、もう来ないわよ」と言っちゃう客が確実に増えているんだとか。美容と“許せない店員を許さない人”が、日本のサービス改善に貢献。いいんじゃない?
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