 |
一段落してから男が“無意識”に見つめているのは、たぶん“女の許容範囲”なのだろう。毎日毎日会ったり、電話したりしなくても、許してくれる女かどうか。すぐ結婚に持っていかなくても待ってくれる女かどうか。オナラをしても許してくれるか、部屋がゴミ箱でも許してくれるか、車の運転がヘタでも許してくれるか、しょっちゅうワリカンでも許してくれるか、いろんなイミで男としてそんなに逞しくなくても許してくれるか、そして、自分が仮にへたっちゃっても、つまり出世しなかったり、失業しちゃったりしても、なじらない女かどうか。そんなことを男はまったく無意識に判断しているような気がする。自分を許してくれるかどうか……これを知ろうとするのは、本能的に女の中に“母親”を求めているからなのだろう。多かれ少なかれ、女の中には“母性”があるはずなのだが、それを何かの拍子にピンと感じられると、男は女にあらためて“2度目の恋”をする。二度惚れするのである。
これはまったく男の都合だが、女もこの頃、この男と付き合って本当に得なのかどうか、それをどこかで値踏みしているのだからお互いさま。どっちかって言うと、この第二段階では、男の方が純粋だったりするのである。
でも男の恋はここで終わりじゃない。あと1回、いやこの3度目の恋は、それ以降、死ぬまで続いていくものと考えていいと思う。それは、この女がいないと自分はダメかも……と思わせること。たぶんこの時の男の目にはこう映っている。“この女は、自分より大きい……”つまりそれは、大きな意味での尊敬なのだろう。一緒に住んでみないとわからない女の大きさ。頼りがい、頼もしさ、そして生命力。そういうものに気づいた時、男は女にもう一度惚れる。惚れ直すと言ってもいい。少なくともこの第三段階を迎える時、30代か40代50代かはわからないが、男も女もそこそこ歳をとっているかもしれない。特に女は自分の老化を後ろめたく思い始める頃。でもそこで男が若い女に目を奪われないために、いや奪われたとしても必ず自分のところに帰ってこさせるために、女は“そういう大きさ”を身につけないといけないのだ。単なる優しさとは違う、人間としての大きさ。そこはもうお互いかもしれないが、自分にはこの人が必要……そう思わせないと、女は男を本当に惚れさせたことにはならない。3回惚れさせてこそ、男と女は永遠に結ばれるのである。
だから3回惚れさせる。それでしか女の幸せは成立しないと言ってもいいほどなのである。
|
男を3回惚れさせる、
3つの美貌について
女が本当に男を3回惚れさせなければならないとした時、女の外見は“1回め”だけでその用途を終えてしまうのだろうか? いやたぶん第一段階だけで自分の美しさを全部使い果たしてしまうことが、女としてマズイのである。
第二段階、“女の許容範囲”が試される時、女の方は“男の許容範囲”を試そうとしてはいけない。彼の前でオナラをしても大丈夫か? なんてことをいきなり試す女はいないだろうが、たとえばお風呂からあがって裸のまま彼の前を通りすぎたり、ストッキングを仁王立ちで引きあげたりするようなことも“試し”ちゃいけないのだと思う。男は許してもらうことは好きだが、自分は女にいつまでも夢を見ていたい。付き合い始めた頃はバスタオル1枚で彼の体の上をまたいでも、“カワイイやつ”と許されていても、何年もたつと、それがカワイくなくなる。
また第三段階では、顔にシワやたるみがあってもいいから、とりあえず男より“元気”でいること。体力や活力を失い、疲れた疲れたが口グセだと、女はそれだけで貧乏くさく見え、シワやたるみが本当に“老け”に見える。だからせめて元気で若々しい自分を保っているべき。何しろ三段階めの惚れ直しは、女の生命力や強さに対し、男があらためて憧れる結果なのだし、生命の輝きを見せてこそ、女は男を魅了できるのである。 |
|
|
|