『Soul Serenade』
(キューンレコード ¥3059)
●公式HP「The Gospellers」
撮影/林いず美
→写真中央から時計回りに安岡優、黒沢薫、酒井雄二、村上てつや、北山陽一
アトランタで得た自信で、究極のラブソングを歌う
8月に先行発売されたラブバラードシングル『永遠に』が好調のゴスペラーズ。アトランタにて新進気鋭のプロデューサー、ブライアン・マイケル・コックスと組んだコラボレート作品は、日本人好みのメロディとR&Bの発信地で本場モノのメロウネスを合体させた、珠玉のナンバーだ。
活動6年、今や日本のコーラスグループの第一人者として実力を誇る彼らだが、実は渡米レコーディング初体験。学んだものも大きかっただろう。
黒沢
「ブライアンとはいいセッションができたと思う。日本にいると、ともするとアメリカ至上主義におちいりやすいじゃないですか。黒人こそオリジナルで、日本人は物真似に過ぎないだとか。けど、僕らも負けてないぜと胸を張って言える自信がつきましたね」
村上
「単なるメロディーや歌詞での勝負じゃなく、僕ら流で言う“リズムバラード”の根底として追求し続けてきたグルーブ感そのものも納得できる仕上がりになったし。続くアルバムも同じくだけど、ミュージシャンシップがギュッと詰まった作品ですね」
そう、アトランタでつちかった自信と確信で、何のてらいもなく歌いまくったニューアルバム『Soul Serenade』も、実にいいできなのだ。テーマは2作を通じて“ゴスペラーズにしか歌えないラブソング”である。
安岡
「コンセプトの“ラブソング”は、スロウジャムな音作りでというアイデアから始まったんです。僕らがスロウジャムを歌うとしたら、必然的にラブソングになったということかな」
マスタリングはN.Y.で。アーバンな香りと、5人の声とオケとの最高のセッション感で酔わせてくれる。
黒沢
「ごくストレートなアルバムですよ。だけど粒ぞろいの曲ばかり。タイトルには“ソウル”という言葉を入れようというアイデアは前からあって、そこにセレナーデ(小夜曲)をつけたんだけど、好きな人の窓辺の下に立ち、夜ごと歌を歌うセレナーデもラブソングの一つの形なので、内容に沿ったタイトルになったんじゃないかな」
村上
「“男心を伝えるアルバム”ですね。自分の周りに隠れている恋愛(誰かの想い)もあったりするので、ぜひこれを聴いて恋を探してほしい」
黒沢
「だから今回のCDはぜひ男のコにも買ってほしいな。“使えるぜ、ゴスペラーズ!”と思ってくれれば、うれしいんだけどね(笑)。ちなみにアルバムリリース日から始まる秋のツアーは、聴かせます! これまでで一番ムーディーかつメロウな内容になると思うし、コンサート最中に寄り添えるはずだから、ぜひカップルでどうぞ」
レベルアップした彼らの力量を堪能
現状の“力と技”に甘んじず、実力を磨き続けるゴスペラーズだが、
北山
「アルバム6枚目まで停滞はまったくなくて、数学的にいうと“階差級数的”にレベルアップ度がどんどん大きくなってる。一人ずつの成長の足し算じゃなく、メンバー間の化学反応を起こすやり方がわかってきたというか、確立してきて。とくに今回は過去最高のジャンプアップができたかもしれない。自信はありますね」
酒井
「聴きやすく、濃いです。けして底の浅いアルバムではないから、長く聴けるアルバムだとも思います」
ゴスペラーズの認知度は言わずもがなだが、アカペラのハモリだけ聴いて「上手い!」で止まったままのアナタ、彼と聴かなきゃ絶対に損。
秋の夜長のBGMにピッタリのこの一枚。スタンダードがここにある、掘り出し物の名作だ。
取材・文/山下由美子
'94年デビュー以来、美しいハーモニーワークで地位を確立。8月23日シングル『永遠に』、10月12日アルバム『Soul Serenade』を発売。同日より“ゴスペラーズ坂ツアー2000”も敢行する。
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