朝から晩まで練習ひとすじの合宿生活を体験
女性たちがチームを組み、水中で華麗なパフォーマンスを見せるシンクロナイズドスイミングを、男のコだけでやるとしたら……!? 思わず、エーッ! と叫びたくなるこの楽しい設定は、実は以前テレビニュースでも取り上げられた埼玉県立川越高校水泳部の文化祭限定の人気演目にインスピレーションを得たもの。この素材を最高のエンターテインメント作品に仕上げた矢口史靖監督は、要となる28人のウォーターボーイズたちを全員オーディションで選考した。その中で見事、主役の座を射止めたのが妻夫木聡くんだ。
シンクロの映画だけに、通常の演技審査以外には、プールでの水泳審査などもおこなわれた。
「しかも募集要項には“なるべく露出した水着で”って書いてありました(笑)。体格チェックもあったみたいですけど、それでなぜ僕が受かったのかなあ(笑)」
撮影に入る前は、千葉・館山で夏休み中の高校のプールを借り切って1ヵ月ほど合宿。朝6時から夕方5時まではプールでトレーニング、夜はダンスの練習という生活がずーっと毎日続いたのである。
「ハードでしたねえ。1日の練習が終わった後は、コンビニ行ってお菓子買って、食ったら寝る! もうそれだけ(笑)。日差しも強くて、暑くてね。メンバーの中には日焼けがヤケドになって、皮膚が切れちゃうヤツとかもいて」
それだけがんばったシンクロの場面はもちろんのこと、「あとは笑いをとるシーンが好き」と言う妻夫木くん。おもいっきりおかしい演技が満載なのだけれど、ハンサムな彼にとって、実はけっこう恥ずかしかったのでは?
「そんなことないですよ。もう水着姿でも服を着ている感覚。たぶん、水着のグラビアをいつもやっている女のコの気分ってこうなんだろうなあと。これが私の普段着よ、みたいな(笑)。合宿中、練習に行くとき、みんなタオルを首に巻いて、水着だけで歩いてましたからね。1回近所から苦情が来たらしいです。『パンツ一丁で歩いている集団がいる!』って(笑)」
恋愛ではしっかりした女の人に癒されたい!
映画に登場する男子高校生たちは、きっかけはたまたまだったものの、やがてシンクロのおもしろさに目覚め始める。周囲にはバカにされ、受験勉強のあせりに追われつつも、文化祭という目標に向かって一生懸命がんばっていく。
「同じ立場にいたら、僕もやっぱりやめないですね。負けず嫌いだし、はまったことに関しては、とことんやりつくす性格なんで」
16歳のとき「ゲーセンで気軽に試した」世界初のオーディションマシンがきっかけで、結果的に全国のオーディション史上最多の300万人からグランプリを受賞。'98
年に俳優としてデビューしたとたん、さまざまなドラマや映画に出演するようになった。
もともと高校生の頃から雑誌などで活躍していた彼だけれど、本格的にデビューした後は「自分の中の考え方が変わりました。プロ意識っていうか、仕事に対して一直線になってきた。今は俳優としてがんばりたい!」ときっぱり。
しかし、仕事に関してはそんな頼もしい表情を見せながらも、いざ恋愛となると、かなり様子が違うよう。映画では、ちょっと情けない男のコが、自分と対照的なしっかり者の女のコに惹かれるという恋愛パターンになっているが、
「いやあ、実際も一緒だなー。なんか、基本的にすごく甘えたいかも。癒されたいっていうタイプなんですよ(笑)。優柔不断な僕を、どんどん連れ回してくれるようなしっかりした女の人がいいですね(笑)」
現在出演中のドラマ『できちゃった結婚』(フジテレビ系)でも、魔性系女のコのモーションにとまどう純情な男性を演じている彼。いつか妻夫木くんならではの、ユニークな恋愛映画を観てみたい!
撮影/玉置順子 取材・文/石塚圭子
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