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中村江里子「エリコロワイヤル」
フランスに移り住み、現在パリに暮らす中村江里子さん。そんな彼女が、日々の生活を綴った『FRaU』に連載中のエッセイとともに、自身のオススメの素敵なショップ55軒を収録したガイドを作成しました。
中村江里子「エリコロワイヤル」
講談社刊 \1500+税
中村江里子
撮影/村木司

私たち夫婦は割り勘カップルなんです
 「最初は全然フランスに興味がなかったのに、パン好きが高じたんですね(笑)。美味しいクロワッサンとカフェ・オ・レが味わいたくて旅行で来たんですが、その時にやり残したことがいっぱいあって、絶対にまた来るって思っていたら、本当にその後何度も訪れることになっちゃったんです(笑)」
 フランスに魅せられ、行き来するようになって4年、住み始めて1年半。フランスのよさ、そして改めて日本のよさを感じたという。
 「日本ほどサービスが徹底している国って、他にないと思うんですよ。世界に誇れること。だからフランスで、感じのいいタクシーの運転手さんに会ったりすると、チップもはずんじゃう(笑)。そしてフランスの人は、気取らずに生活を楽しんでいるように感じます。お客様を家に呼ぶのもそう。私なんかは、部屋を掃除しなきゃとか、ご馳走を用意しなきゃとか気負っていたけど、向こうの人はそんなこと全然気にしてないんです。ただ、純粋にみんなで集まっておしゃべりしたいから招待する……。そういう、気さくな楽しみ方ができる国だと思います」
 現在はフランス人のパートナーとふたり暮らし。エッセイに書かれている中村さんの生活には、週刊誌やワイドショーなどで騒がれている生活とは少し違った、シンプルで堅実な暮らしぶりが伺える。
 「私たち、割り勘カップルなんです。そういうとみなさんに驚かれるんですけどね。御曹司とかいわれて、すごくお金持ちのように思われていますけど、掃除機ひとつ買うのにも、何でこんなにって思うほど悩んで買いましたから。でもよく彼と『お金がいっぱいあって、何でも好きなものを買える生活っていいかもしれないけど、きっと飽きちゃうよね』って話すんです。ソファーをひとつ買うのにも、いろんなものを見て迷った末に、気に入ったものをセールを待ったり、値切ったりして買う。そういう選び方をしていると、ものに愛着が湧くし、生活が楽しいんです」
 暮らしのちょっとしたことを楽しめる。中村さんの、そんなナチュラルで気負わないところが、世の女性たちが憧れる理由なのかも。

パリ初心者でも安心できる店を紹介しています
 今回の本には、『PARIS GUIDE』というタイトルが付いている通り、中村さんお勧めのパリの厳選ショップが紹介されている。地図も添えられ、簡単なパリ歩きのガイドブックとしても役に立つ。ここに掲載されているカフェやレストランなどはすべて、中村さん自身が訪れ、日常的に利用している店ばかり。
 「人に何かをお勧めするのって、すごく責任があることですよね。だから、お店の方が親切で、英語でも対応してくれるような場所で、でも、あまり日本人が多くないようなところを選んだつもりです。たぶん、あまり他のガイドで紹介されていないような店ばかりだと思うんですけど」
 そんな中村さんに、ViVi読者にお勧めの店を教えてもらった。
 「カフェとかランチで紹介している店は、どこも入りやすいし、全く問題ないです。特にマレ地区にある『ル・ロア・ダン・ラ・ティエール』は、パリジャンもたくさん訪れるほどの人気のカフェ。お茶だけだったら値段も高くないし。添乗員をしている友人から、ブランド店で買い物をするために食費を削って、毎日ファーストフードっていう観光客の方もいるって聞いたんですけど、せっかくフランスに来たのなら、ぜひ1回は現地の店を利用して欲しいんです。クロワッサンとカフェ・オ・レだけなら安く済むし、それに本当においしいですから」
 パリで暮らす日本人として、中村さんは、フランスを訪れる日本人観光客に向けて、スリに対する注意をたびたび呼びかけている。彼女自身もスリに狙われた経験があり、周囲に実際に被害に遭った人もいて、常日頃から、日本人の無防備な様子が気にかかるという。
 「お財布だけならまだしも、パスポートや手帳、思い出を写したカメラまで盗られたら、悲しいですからね。大きな鞄を持って、ショップのロゴが入った大きな袋を抱えて、四つ角でガイドを広げている旅行者を見ると、本当に危ないからって注意したくなっちゃうの。だから、せめてガイドくらいはそれらしくないものをって、今回のような装丁にしたんですよ」
 中村さんなりのパリの旅を楽しむ秘訣は、迷うことを恐れずにとにかく歩くことだそう。このガイドを片手に街へ出かけてみたい。


構成・文/望月リサ

ERIKO NAKAMURA●1969年、東京生まれ。フジテレビに入社し、アナウンサーとして活躍。'99年からはフリーとなり、仕事の傍ら、生活の拠点をパリに移す。'01年にフランス人のシャルル・エドワード・バルトさんと結婚。

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