モデルとして19歳でパリ移住を決心したこと
とある蒸し暑い夏の日、白いタンクトップにベージュのパンツというさわやかなスタイルで、川原亜矢子さんはさっそうと現れた。愛犬ソレイユと一緒にカメラの前でくつろぐ姿からは、上品でナチュラルな美しさが漂っている。
どうしたらそんなにキレイになれるの? たぶん何万回も聞かれたに違いない、その問いへの答えのように彼女は『シンプル・ビューティ』という本を出した。
「始めてから14年になるモデルというお仕事を通して、自分が感じたり、実践していることを1冊にまとめてみたかったんです。エッセイというより、実用書に近い形になっていると思います」
高校時代、すでにモデルとして活躍していた川原さんだが“美”について考え始めたのは19歳でパリに移住してから。当時、吉本ばなな原作の映画『キッチン』で主演デビューし、女優としての将来が期待されていたときだけに、彼女のパリ行きは驚きだった。
「夢や目標を持たずにモデルの世界へ入ってしまったのに、幸運なことにお仕事だけが大きくふくらんで、毎日忙しく時間ばかりが過ぎてしまって……。高校3年生だった私には、ついていけなかったんです。まわりの友達が進路を決めていく中で、私は今、何をしたいんだろう? と生まれて初めて仕事のことを真剣に考えました」
ちょうどそのときに川原さんのもとへ舞い込んだのが、パリコレクションの出演依頼。パリの舞台を踏んだ彼女は「今したいことが見つからないなら、この土地で、モデルという仕事に本腰を入れてやってみよう」と決心する。
「今までずっと中途半端だった自分を改善したかったし、何かを成し遂げてみたかった。敷かれた線路を行くんじゃなくて、新しい道を作りたかったんです。今ふりかえってみて、あのときの選択は間違っていなかったなと思います」
内から生まれる美しさには強いパワーがある
およそ7年をパリで過ごし、26歳で帰国した後は、モデルの仕事だけでなく、女優としても数々のドラマに出演。多忙な生活を送っているはずなのに、この本を読むと、川原さんが“美しさ”のためにどれだけ多くのことを実践しているかがよく分かる。続けるための秘訣ってあるんですか?
「何より苦にならないように心がけています。たとえばエクササイズひとつにしても、基本的に私は形から入るタイプ(笑)。全身を一気に鍛えたくて昔はジムに行き、家でもいろんなことを試すんですが、結局続きませんでした。最終的に行き着いた方法は、まずは気になる部分だけケアするということ。私の場合、デコルテと二の腕が気になったので、その部分のトレーニングだけ少しずつ始めて、少しずつ回数も増やして。それで腕は引き締まってきたかな、と実感できたところで、他の部位の運動も増やしていったんです」
ファッション、スキンケア、メイクなど、本の中には今すぐ実践したくなるような素敵な内容がたくさん。外見だけでなく、内面を磨くためのエッセンスがギッシリつまっているのも印象的だ。内を磨くことの大切さって、若いうちは気づきにくいものだけれど。
「いろいろな女性を見てきて、素敵だな、と感じる女性の共通点を考えたことがあるんです。いくら外見が美しい女性でも、目つきひとつですごくイヤな人に感じたりしますよね。そういう女性だと、もうぜんぜん美しくは見えない。逆に内から出てくる表情などの美しさって、外見だけでの美しさでは得られない、とても大きな強い力を持っていると思ったんです」
川原さんが現在実行している、73の美の習慣の中から、自分のお気に入りを1コでもいいから見つけてみる。そして少しずつ続けて習慣にする。実はとってもシンプルなこと、それこそが美しさへとつながる確実な道なのだ。
撮影/村木司 構成/石塚圭子
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