子供の頃からピアノを習っていたし、家では父親がギターを弾いてビートルズやビリー・ジョエルなどをを歌っていた。音楽が身近にある環境に育ったこともあって、物心がつく頃には自分にとって音楽は必要不可欠であり、特別なものになっていた。中学時代から「カラオケが上手いね」と言われることが多かったのは、そんな生活から無意識に身についた“音感”のおかげなのかな!? なんて、漠然と思っていた。
高校2年の時、友達からバンドのヴォーカルにと誘われて、初めて音楽スタジオという場所で歌ったら、全然カラオケみたいに歌えない。すごく悔しかったけど、逆にやってやろうという気持ちが大きくなった。ちなみに最初はGLAYさんのコピーバンドとしてスタートしたんだけど、それが何年後かにまさかGLAYさんと自分がコラボするとはその時は当然、思ってもいなかったけどね。それからそのバンドでオリジナル曲を作り始めた高校3年のときは、本気でデビューしたいっていう強い気持ちを持つようになっていた。
専門学校に入ってからはヴォーカリストとしての可能性を試したくなって、ブラック、ポップス、いろいろなジャンルを習った。中でも歌のイロハをすべて教えてもらった先生がいて、その方が自分のライブでスティービー・ワンダーの『レイトリー』を歌うのを聴いたとき、本気で鳥肌が立って、俺もああいう風に歌いたいと思った。すぐにCDを買って、何百回も同じ曲を聴いて、歌った。そしてその大好きな曲をカバーしていたK‐Ci&JoJoという黒人ミュージシャンとの出会いが、俺のデビューへの想いをより一層強くすることになった。
でも『ASAYAN』オーディション落選。現実は厳しい。半年くらい渋谷のクラブなどで歌いながら悶々としているときに、今のEXILEの話をいただく。これが今までで一番大きい転機となった。
正直、それまでブラック音楽ばかりを叩き込んできた自分が、いきなりポップスで日本の音楽シーンに入っていくということに抵抗があったりもして、EXILEの曲も始めはR&Bぽく歌おうと無理していた。でも『EX‐STYLE〜Kiss you〜』くらいからなんか気持ちが、いい意味で抜けたんだよね。それから『Choo Choo TRAIN』で初めて紅白歌合戦に出させてもらってからは特に、応援してくれるファンのみんなの想いに応えたいというEXILEとしての使命感や責任感が大きくなって、また海外でのレコーディングも経験したりして、無理にR&Bを抱えなくても、日本人としてもっと伝えなくてはいけないものがいっぱいあるということに改めて気づいたんだよね。
去年6月、ずっと憧れていたK-Ci&JoJoとライブで一緒になる機会があり、KCのパートを俺が歌い、JoJoがすごく喜んでくれた。その時さらに音楽はジャンルでなく、伝えようとする気持ちが大切なんだと思った。だから1つ1つの作品を作ることの意味をより深く考えるようにもなったし 「歌いたい」が「表現したい」に変わっていった――。
そんないろんな経験を経て、最近はクラシックを聴きながら寝たりする。もちろん大好きなR&Bも聴くけど、とにかく何でも聴こうっていう気持ちが旺盛で、裸の子供のように何でも音楽を吸収していこうとしている。
進み続けるEXILEに対して、実はあまりプレシャーがない。そのままの自分や自分たちが今認められていると思うから。そして、自分は世界を見始めた。もっと多くの人に聴いてもらいたい。そんな想いや未来を見据えて、今、前に進もうと思っている。 |
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