あれは10年前のこと。私たちの結婚披露宴が1ヵ月後に迫り、会場のホテルで打ち合わせをしていたときのことです。担当者が「招待状の宛名書きは私どものほうで承りますか?」と尋ねました。「はい、お願いします」と口を揃える両家の両親を前にして「それ、どのくらい費用がかかるんですか?」と口をはさんだ私。予想以上になんだかんだと出費がかさんでいたので、なるべく抑えて、新婚旅行のお土産代にまわしたいと思ったのです。担当者から「2万円」と聞いて、反射的に「私が書きます! 書道をたしなんでおりますので」と、福沢諭吉サマの誘惑に勝てず、買って出たのが間違いでした。招待客100人分の宛名を慣れない細い筆で書くのは、骨が折れるし、ようやくできて夫に手渡すと「これさ、せっかくだけど、オヤジが祝い事なのに墨が薄すぎるって」と書き直し。やっと3回めでOKが出たけれど、結局300人分の宛名を書くハメに。もうヘトヘトに疲れて、後悔しきりでした。さらに「書道二段」の大きな口は、災いをもたらしたようで……、嫁いで以来、家中の年賀状の宛名書きは私の役目となったのです。また今年も近づいてますね、年末が。ああ、憂鬱。
(京都府・ガオレッドのママ・35歳)
|