あれは新婚時代、主人の実家へ遊びに行ったときのことです。まだ義母との会話もはずまず、話題に困った私は、とりあえず日用品や食器の話を切り出しました。「まだまだ食器棚がガラガラで、欲しいものがいろいろあるんですよ」と、これから揃えたいものを挙げていると「あら、それならちょっと待ってて」と義母は物置きへ。そして何やら古めかしい箱を数個抱えて戻ってくるではありませんか!! もしや……とイヤ〜な予感。案の定「これ、持って行きなさい」と次々と箱を開ける義母。う〜、予感的中! 中から出てくるのは、どう見ても今風でないモノばかり。その中でもひときわ目を引いたのが、漆塗りの大きな木のお盆。モノは良さそうなのですが、旅館じゃあるまいし、いったいいつ使うの? といった代物です。しかし「ちょうど良かったわね」と嬉しそうな義母を目の前に「使わないのでいりません」とは言い出せず、結局持ち帰ることに。そのうちリサイクルショップにでも出すか、と思ってはいるけれど、もしも「あの時の……」といった話が出たらと思うと踏み切れず、今でも箱詰めにされたままたんすのこやしとなっています。いつか骨董品として価値の出ることを祈りながら……。
(三重県・おサル・32歳)
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