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 “引き”の視線を持っていますか?
Grazia

Grazia3月号
 Grazia編集部に移る以前、美容バブル華やかなりし頃のFRaUとVOCEで美容担当をしていた私。VOCE立ち上げのときには、美容だけで月刊誌なんて成り立つのか、取り上げるテーマがなくなるのでは……と業界で噂されたものでした。
それが今や美容雑誌も次々と増え、それと共に今の若いコたちのメイクのうまいこと! 感心すると同時に最近、美容バブルが本当に日本女性をキレイにしたのか、考えさせられることが多いのです。美容ブームは私たちの関心をどんどん“寄り”の世界に引きつけていったのではないか。そのせいで、全身バランスの取り方や、場の空気を読んで自分をアピールする力=“引き”で自分を見る力が失われていったのではないかと思うのです。自分を引いてみて、客観的に似合う装いや髪型、しぐさを見つけること、なんだか昔の日本人より私たちは下手になっているような。そう考えると、電車のなかでフルメイクする女性や毛穴をひどく気にするブームなど、みんな“寄り”ばかりを気にして“客観性”をなくしているせいともいえるのです。 
そこで今月号の特集、『フランス女に学ぶ引きの美人学』。日本人と対照的に、近くで見たらファンデやネイルの塗り方はザツ、アイラインもガタガタ……なのに、遠目で見ると匂い立つようなオーラを醸し出してしまうフランス女性たち。私たちがいちばん苦手な“引きで美人に見せる方法”を彼女たちから学ぼうという企画です。お話をうかがったのは鹿島茂さん、渡辺サブロオさん、深井晃子さん、中村江里子さん&バルトさん夫婦などフランス通な面々。一級の文化比較論としても読める特集にぜひ目を通してみてください。
 
 
温井明子  
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