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受け継がれていくもの
受け継がれていくもの

Grazia1月号
 1月号のGraziaでは47ページを割いて、桐島かれんさんの特集をしています。八ヶ岳の山の家を初公開、そしてかれんさん最愛の画家、モネとマティス(ちなみに彼女は2匹の愛犬にモネとマティスという名をつけています!)を訪ねるフランスへの旅……。この2つのテーマは夫である写真家、上田義彦さんが撮影してくださいました。そしてエルメスに身を包むかれんさんのファッションストーリーを撮影したのは、弟の桐島ローランドさん。八ヶ岳での時間には、妹さんのノエルさんと子供たちも出演しているし、お母様の洋子さんからの寄稿も。そう、今回の特集はかれんさんを軸にした「家族の肖像」といえるもの。日本は核家族がもっとバラバラになって、今、家族の絆がゆらいでいます。いえ、昔のような「理想の家族」は危うくなったけれど、それに代わる新しくて自由な家族の絆をみんな捜している途中なのかもしれません。一人暮らしをしている私も、新しい年へと向かうこの時期は、両親のこと、今は東北で暮らす兄一家のこと……家族について、温かいけれどちょっとせつない気持ちで考えたりします。1月号という時期を選んだ今回の特集が、みなさんにとっても家族について考えるきっかけになればとも思うのです。
 ぜひ読んでいただきたいのは、母・洋子さんが特別寄稿してくださった一文。そして特集結びのかれんさんの一文。「桐島家の歴史」を追体験するような内容に目を通すうち、かれんさんの美意識は、母である洋子さんから伝えられたものであること、また洋子さんの美意識が、またその母から伝えられたものであることを知るのです。そう、美意識って長い年月が積み重なって培養されていくものなんですね。まあ、私たちがこの一代だけで確固とした「美しい美意識」を作り上げることは難しいけれど、次の世代にその「芽」のようなものだけでも伝えられたら、そうやって、ささやかな美意識が少しずつ大きく育っていったら、どんなに素敵かしらと強く感じた特集でした。
 
 
温井明子  
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