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熊沢千絵マイ・ストーリー
本当の“宝物”は「モノに込められた想い」とかけがえのない「経験」
 テレビCMを見ていて「あ! 千絵さん!」と思われた読者も多いのでは? 初夏にオンエアされたユニクロの涼しげなCMをはじめ、最近の千絵さんのフィールドは雑誌だけではなく、テレビCMにも広がっている。
 「いままでもCMには出演していますが、最近また、いくつか出演のチャンスをいただきました。同じモデルの仕事といっても、雑誌の撮影とCMの撮影ではずいぶんと違います」
 通常、雑誌撮影のスタッフは5〜10人。対してテレビCMのスタッフは(CMの)企画にもよるが、一般的には20人前後。エキストラなどが出演する場合は、100人単位になるケースも少なくない。当然のことながら、現場の雰囲気も変わってくる。何より、雑誌の場合は静止した状態を切り取るが、CMの場合は動いている状況、一連の流れが切り取られていく。
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熊沢千絵マイ・ストーリー

千絵さんのキャリアの最初の一歩。シチズンのポスター。「生まれて初めての仕事ということで、とても印象深い作品です。いま見ると懐かしく、いとおしい」若い日の千絵さんもまた、今と変わらず、神聖なオーラを放っている。
 「ベストのポージングをしながら、自然に見えるように動くことは、とても難しいんです。私は器用なほうではないので(笑)、思いっきりぎこちなくなってしまうんですよね、動きが。雑誌の撮影は、スタッフと話し合ってから自分でイメージを膨らませていろんなポーズをとりますが、CMは同じ動作を何度も繰り返し撮影して、中からいいものを選んでいく。同じ動きを繰り返すうちに、さすがにぎこちなさも取れていきます」
 この秋オンエアされるグリコのチョコレートのCM撮影の際には、自分なりに役作りをして臨んだという。
 「大人っぽい味わいのチョコレートだったので、幸せな大人の女性をイメージしました。撮影のときに商品や洋服のイメージを持って、テーマを決めて撮影に臨むのは、CMでも雑誌でも変わらない作業ですが、それがピタッとはまるときもあれば、現場で軌道修正をする場合も。グリコのCMの場合は、最初から自分のイメージと制作スタッフのイメージがうまく合って、とても楽しく撮影ができました」
 千絵さんにとっては、いわばアウェー的存在のCM撮影だが、最近、本誌の撮影で俳優のユースケ・サンタマリアさんと共演した際も、テレビや映画というアウェーで活躍するプロの仕事ぶりに影響を受けたと言う。
 「慣れないファッション撮影ということで“なんでも教えてください”とおっしゃって。俳優さんとしてとても活躍していらっしゃるのに、控えめな態度がステキでした。何より、率先して冗談を言って現場を和ませ、盛りあげてくださる。撮影は写される側だけでなく、みんなで作り上げるものということを理解しているプロなんだなぁ、と思いました」
 今後も機会があれば積極的にCMにもトライしたいという千絵さん。
 「でも、CM撮影を経験して、改めて自分の軸になるのは、雑誌などのファッション撮影なんだ、と実感しました」
 とも言う。雑誌などのファッション撮影を大きな幹に、各方面に枝葉を広げる千絵さんが、次にはどんな顔を見せてくれるのか、楽しみだ。
※この記事は2005年Grazia9月号に掲載されたものです。
illustration by Miyagi Yukari
text by Ikeno Sachiko