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フランソワ・ジラール監督&マイケル・ピット/来日会見レポート
「シルク」

 原作は、『海の上のピアニスト』でも知られるイタリア人作家、アレッサンドロ・バリッコが1996年に発表し、世界的ベストセラーになった小説『絹』。“詩のような短い小説”と称されるほど美しい文体で書かれた物語を、映画だけでなく、舞台芸術“シルク・ドゥ・ソレイユ”の総合演出家としても活躍するフランソワ・ジラールが監督した。

 19世紀のフランスと日本を舞台に描かれる、官能的で幻想に満ちた愛の物語。世界一美しい絹糸を吐く蚕を求めて、日本へと旅立つ主人公の青年を演じたのは、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』や『ドリーマーズ』などに出演し、アーティスト、作家、映画製作、ミュージシャンとしてもマルチな才能を発揮する若手俳優マイケル・ピットだ。


「シルク」

監督「原作は成熟したラブストーリーです。原作の持つ恋愛の普遍性、キャラクター像、オリジナル性に惹かれました。日本の文化との出会いも興味深かったですね。原作がとても詩的なので、映像化は難しいと言われていましたが、私にとっては逆に最も適しているように感じられました」

マイケル「まさか日本で撮影ができるとは思ってもいなかったので、こうして大好きな日本に来て、役を演じることができるなんて、夢のような体験でした。僕にとって、この映画への出演は“人生の贈り物”でしたね」

 フランスのシーンは、ローマから1時間半ほど郊外にあるセルモネータという村で撮影。一方、日本の村のシーンは、日本国内で村全体を建てることになった。

監督「日本のロケ地については、原作にできるだけ忠実な場所にしたかったのですが、なかなか見つかりませんでした。ロケ地探しはスタッフが最もストレスを感じた作業だったと思います。最終的には長野県松本市の近くに、小さな村のセットを作りました」

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「シルク」
「シルク」
 19世紀のフランス。戦地から戻ったばかりの若き軍人エルヴェ(マイケル・ピット)は、エレーヌ(キーラ・ナイトレイ)と恋に落ち、結婚する。そんな矢先、村では蚕の疫病が発生。製糸工場を営む実業家バルダビューは、市長の息子でもあるエルヴェに、日本に行き、良い蚕の卵を入手してくれるよう懇願する。村の人々のため、新妻を残して、はるか極東の地・日本へと旅立った彼は、そこで謎めいた美少女(芦名星)と出会うのだが――。

監督 フランソワ・ジラール
『レッド・バイオリン』
原作 アレッサンドロ・バリッコ
『絹』(白水社刊)
音楽 坂本龍一
『ラストエンペラー』
出演 マイケル・ピット
『ラストデイズ』
キーラ・ナイトレイ
『プライドと偏見』
役所広司『象の背中』
芦名星
『たとえ世界が終わっても』
中谷美紀
『嫌われ松子の一生』
配給 アスミック・エース
● 1月19日より日劇3ほか全国東宝洋画系にて公開
「シルク」 プロダクション・デザイナーのフランソワ・セギュアンが設計した“名もなき日本の村”を、日本人アートディレクターの小川富美夫が、平均70歳代という60人もの日本の職人たちと設計どおりに再現。松本の山々や森や温泉を使った自然の背景も美しく、西洋人が胸に抱く“日本”のヴィジュアル・イメージがスクリーンいっぱいにあふれている。

 主人公エルヴェの妻役に『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのキーラ・ナイトレイ、さらに日本からは、役所広司、芦名星、中谷美紀、國村隼といった俳優たちが出演。
特に、エルヴェを魅了する少女の神秘性を、目と所作の演技だけで体現した新人女優・芦名星と、気品あふれる在仏日本人マダム・ブランシュを演じた中谷美紀、2人の日本人女優の凛とした美しさが光る。

マイケル「中谷美紀さんは、とてもクールで賢い女性。たとえ母国語であっても難しい、長台詞のシーンを英語で演じきっていたことがすばらしかった。星(芦名)とは、どのようにコミュニケーションをとろうか悩んでいたのですが、お互いに演じているキャラクター自体が、言葉が通じないという設定。彼女の表情や仕草だけで意思の疎通が図れたので、実際の言葉の壁が、演技の上でも役に立ちました(笑)」

監督「この映画を通して、映画業界における2大文化を象徴する日本とイタリアで撮影できたのは感慨深かったですね。アートディレクターの小川富美夫さんや衣装の黒澤和子さんをはじめとする、すばらしいスタッフやキャストと仕事ができたことも私の誇りです」
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アメリカン・ギャングスター アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生 いつか眠りにつく前に
アメリカン・ギャングスター
アメリカン・ギャングスター
実在する麻薬王vs.変革者の刑事。名優2人が挑む、男と男の美しき闘い

 巨匠リドリー・スコットが、ともにオスカー俳優であるデンゼル・ワシントンとラッセル・クロウを迎えて撮り上げたグラマラスな犯罪ドラマ。1970年代初頭のニューヨークを舞台に、運転手からハーレムの麻薬王の座へ上り詰めた男フランク・ルーカスと、特別麻薬捜査班のチーフに選ばれた刑事リッチー・ロバーツとの闘いを描く。実在の人物が属する2つの世界が、ジリジリと近づいていくスリルは圧巻。単なる敵同士というよりも、人間味あふれる凄腕の男として認め合う2人の対決シーンが新鮮で、胸が高鳴る。

監督/リドリー・スコット『グラディエーター』 出演/デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ ●2月上旬より日劇1ほかにて全国順次公開中
アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生
アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生
スナップショットの数々とともに描く強く新しく自由な女の生き方

 暗殺の数時間前に撮られた、全裸のジョン・レノンがオノ・ヨーコにしがみつく写真。母性に関する大論争を巻き起こしたデミ・ムーアの妊婦ヌード写真。誰もが目にしたことのあるセレブの写真を35年以上にわたって撮り続けてきた、世界一有名な女性写真家アニー・リーボヴィッツの人生に迫るドキュメンタリー。51歳での出産と、続く双子の代理母出産、現代アメリカを代表するインテリ女性と言われた故スーザン・ソンタグとの愛など、撮る写真同様にパワフルでドラマチックなアニーの生き方に惹き込まれてしまう。

監督・製作/バーバラ・リーボヴィッツ ●2月16日よりシネマGAGA!、シネカノン有楽町2丁目ほかにて全国順次公開

いつか眠りにつく前に
いつか眠りにつく前に
死の床にある母の思い出が娘たちに与える勇気と希望の光

 重い病に倒れ、2人の娘に見守られながら、最期の時を迎えようとしている主人公アン。混濁する意識の中、彼女の想いは四十数年前の忘れられない夏の日へと遡る――。叶わなかったからこそ輝き続ける生涯の恋、家庭生活や子育てに追われて実現できなかった夢。悩みや苦しみ、後悔の念をすべてひっくるめたアンの人生が愛しく、彼女が娘に伝える言葉の数々がそのまま心に響いてくる。ヴァネッサ・
レッドグレイヴとメリル・ストリープ、英米を代表する名女優2人が、それぞれ実の娘と共演しているのも見逃せない。


出演/クレア・デインズ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、メリル・ストリープ ●2月23日より日比谷みゆき座ほかにて全国順次公開

Profile: 石塚圭子

フリーライター。Graziaをはじめ、女性誌各誌で活躍中。
映画コラムをはじめ、幅広くカルチャーコラムを手掛ける。わかりやすい解説と独自の鋭い視点には定評がある。