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言語や文化、国境を超えて胸に突き刺さる孤独な魂の叫び
本年度の各映画祭で話題を独占した傑作ドラマ。乳幼児突然死症候群(SIDS)で子供を失ったアメリカ人夫婦、一挺のライフルを手に入れたモロッコの兄弟、預かっている子供たちを故郷へ連れて行くメキシコ人乳母、妻を自殺で失った日本人サラリーマンと聾唖の娘。一見、関係のないように見える彼らの運命が、放たれた一発の銃弾をきっかけに交錯する。緊迫感に満ちた展開と心理描写の濃密さは、2時間半近い長さをまったく感じさせない。アカデミー賞にノミネートされた菊地凛子の真摯な演技に圧倒される。
監督/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ『21グラム』 出演/ブラッド・ピット ●日比谷スカラ座ほかにて全国順次公開中 |
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ポートレイト写真の概念を変えた伝説の女性写真家へのオマージュ
20世紀を代表する写真家ダイアン・アーバスの人生の転換期を、イマジネーションを駆使して魅惑的に映像化。ファッション写真家の夫や幼い娘たちと暮らすダイアンは、全身を野獣のような毛に覆われた異形の男ライオネルと出会ったことから、自分の中に潜む芸術への欲望に目覚めていく。ニューヨークの裕福な家庭に生まれ、若くして結婚、よき妻であり母であった彼女が、いかにしてフリークスを被写体にする衝撃的な写真家へと変貌していったのか。彼女の心の旅路は、ひとりの女性の物語としても興味深い。
監督/スティーヴン・シャインバーグ 出演/ニコール・キッドマン ●5月中旬よりシネマGAGA!ほかにて全国順次公開 |
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昭和のポップソングをモチーフに描き出される12の映像アンサンブル
世代の異なる個性豊かな12人の監督が、昔懐かしい昭和の歌謡曲にインスパイアされて手がけた異色オムニバス。時代設定もジャンルも自由だが、昭和の曲がテーマになっているだけに、全体を通して、どこかアナログでノスタルジックな味わい。特に『ウォーターボーイズ』の矢口史靖監督による、年配の独身男性の幸せを応援する若夫婦の純粋さを描いたエピソードや、同窓会での出来事を綴った高橋惠子主演のファンタジックな1編が印象的。エンディングの『東京ラプソディ』の後も、しみじみとした余韻が漂う。
出演/大杉漣、板谷由夏、余貴美子、妻夫木聡、伊藤歩、高橋惠子、瀬戸朝香 ●5月12日よりシネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開 |
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