
ダイアナ妃が急逝した直後のエリザベス女王の苦悩
離婚が成立し、幸せな人生を歩み出したかに見えたダイアナ元皇太子妃の急逝。10年経った今なお記憶に残る出来事をテーマに、事故直後のロイヤル・ファミリーの混乱と、若きトニー・ブレア首相の行動を描いた話題作。イギリス王室にとってタブーとも思える物語が映画になったことに驚かされるが、スキャンダラスというより、心温まるヒューマン・ドラマに仕上げたところが憎い。エリザベス女王に扮したヘレン・ミレンは、威厳の中に優しさをにじませた演技で、本年度のアカデミー賞で主演女優賞を獲得した。
監督/スティーヴン・フリアーズ『ヘンダーソン夫人の贈り物』 ●4月14日よりシャンテシネほかにて全国順次公開 |

真実の愛を模索する現代人に贈るリアルで胸を打つラブストーリー
『イングリッシュ・ペイシェント』のアンソニー・ミンゲラ監督が、15年ぶりにオリジナル脚本で映画を撮った。舞台は現代のロンドン。建築家のウィルは、パートナーのリヴと彼女の連れ子である娘と一緒に長年暮らしてきたが、リヴは結婚を承諾しない。リヴとの心の距離を感じ始めたウィルは、ボスニアから戦火を逃れてきた未亡人アミラに惹かれていくが……。愛する人との関係に危機が訪れたら、勇気を出して、相手と自分の心に正直に向き合うこと。あきらめずに絆を再生するためのヒントを教えてくれる1本。
出演/ジュード・ロウ、ジュリエット・ビノシュ、ロビン・ライト・ペン ●4月下旬よりBunkamuraル・シネマほかにて全国順次公開 |

苛酷な環境においてこそ輝くセカンド・チャンスへの希望
2006年にアフリカ映画初のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した、シンプルで力強い感動ドラマ。ツォツィ(不良)と呼ばれる少年が、ある日、強奪した車の中に生後数ヵ月の赤ん坊を見つける。愛情を受けずに生きてきたストリート・チルドレンの彼は、その小さな命を必死で守る中で、思いがけず自らの運命を変えていく。アパルトヘイトは終わりを告げたが、黒人内の格差が広がってきた南アフリカ。ツォツィを手助けする若いシングルマザーが、苛酷な状況でも人生に向かう情熱を失わないアフリカ人の芯の強さを体現する。
監督/ギャヴィン・フッド 出演/プレスリー・チュエニヤハエ ●4月14日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国順次公開 |