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トム・ハンクス&ジャン・レノ来日会見レポート

トム・ハンクス&ジャン・レノ来日会見レポート

 映画化されるというニュースが報道されて以来、世界中が今か今かと完成を待ち望んできた超話題作。あの『ダ・ヴィンチ・コード』が、いよいよスクリーンに登場する!

 原作は、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画『モナ・リザ』の表紙ですっかりおなじみとなったダン・ブラウンの同名ミステリー小説。ダ・ヴィンチの数々の名画に隠された秘密やカトリック教会の知られざる歴史など、思わず知的好奇心をそそられる要素が満載で、映画版も今までの推理物とはひと味違う、新鮮かつスリリングな魅力にあふれている。

 原作ファンが最も注目した主人公ロバート・ラングドン役に決定したのは、これまでにアカデミー賞を2度受賞している名優トム・ハンクス。そして劇中で彼を追いつめるベズ・ファーシュ警部には、ヨーロッパを代表する実力派ジャン・レノが選ばれた。
ちなみに2人の記者会見がおこなわれた今回の会場のステージには、小説でも特別なシンボルとして語られるルーヴル美術館のガラスのピラミッドを設置。さらにレオナルド・ダ・ヴィンチの代表作『最後の晩餐』が原寸大で配置されたり、壁面が大理石調に装飾されていたり――と、映画にふさわしい荘厳な雰囲気を漂わせる演出も心憎い。

KEIKOの今月公開のオススメ3本

「ダ・ヴィンチ・コード」
「ダ・ヴィンチ・コード」
 閉館後のルーヴル美術館で、館長の他殺体が発見された。レオナルド・ダ・ヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』を模した形で横たわる館長の死体の周りには、不可解な暗号が残されていた。講演会のためにパリを訪れていた宗教象徴学専門のハーヴァード大教授ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)は、「捜査に協力してほしい」とフランス司法警察のベズ・ファーシュ警部(ジャン・レノ)に求められる。が、実はラングドンは第一容疑者だったのだ。逮捕される寸前のところで、館長の孫娘であり、暗号解読官のソフィー・ヌヴー(オドレイ・トトゥ)に助けられたラングドンは、ソフィーとともに数々の暗号の謎を追いながら、やがて西洋史を揺るがす恐るべき真実に迫っていく――。

監督 ロン・ハワード『ビューティフル・マインド』
原作 ダン・ブラウン
出演 トム・ハンクス『フォレスト・ガンプ/一期一会』
オドレイ・トトゥ『アメリ』
ジャン・レノ『レオン』
イアン・マッケラン『ロード・オブ・ザ・リング』
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
●5月20日より日劇1+日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー


トム「出演依頼を受けたときのこと? 最初、ロン・ハワード監督から電話でオファーがあり、原作を読んだ後、即OKと答えたよ」

ジャン「恋人のゾフィアから本をもらっていたので、原作はかなり前に読んでいたんだ。すごくおもしろい話だと思ったけれど、まさかその映画に自分が出演することになるとは想像もしなかったね。しかも監督はロン・ハワード、主演はトム・ハンクスなんだから。今、私の横にいるトム・ハンクスという偉大な俳優と、3週間も毎晩ルーヴル美術館ですばらしい絵画を見ながら過ごせたなんて、とてもラッキーだった」

 トム・ハンクスとジャン・レノは、この映画が初共演。一見、タイプの異なる俳優に見える2人も、撮影現場ではすっかり意気投合したようだ。

トム「最初はとても怖かったよ。『レオン』や『RONIN』などを観て、プロフェッショナルな俳優だなと感じていたんだけれど、ジャンはいつも映画の中で誰かを殴ったり、追いかけたりしていたからね。でも実際に会ったら、ジャン・レノはジャン・レノだった。ああいう役を演じるのはあくまでも仕事だし、私を撃ったり、殴ったり、カーチェイスしたりしないと約束してくれたんだ(笑)」

ジャン「確かにトムは押しも押されもせぬ立派な俳優だ。彼の出演作には歴史に残るような映画が何本もある。トムを見ていると、いかにも簡単に演じているように見えるんだけれど、それこそ彼が偉大な役者である証だと思うよ。彼は類稀なる才能を持った人物であると同時に、すばらしい人間性を兼ね備えた人物でもある。出会う前は俳優として尊敬していたのが、今では人間として、とても尊敬しているよ」

 世界的な大ベストセラーの映画化だけに、登場人物を演じるにはかなりプレッシャーがあったはず。それぞれ役作りにはどのようにして取り組んでいったのだろうか。

トム「まず小説の中に収められた、あれだけ膨大な情報量を、どうやってスクリーンに凝縮するかがポイントだと考えていた。そして私が演じたラングドンは、自分の専門に関してはすべてに精通しているという人物なので、私もすべてを知っているフリをしたんだ。まぁ、私の人生ではいつもそうしているんだけどね(笑)」

ジャン「私はシンプルな形で役作りをしたよ。小説に書かれているすべて、たとえば実在する宗教組織“オプス・デイ”の実情などについて、すべてを知ることはできないわけだから。それよりファーシュ警部を演じるにあたって考えたのは、この人物の内面がどうやって引き裂かれ、ヒビが入っていったのか、ということ。そこが一番興味深い点だった。ひとことで言えば、“厳しさ”が、この役に与えられたものだと思っている」

 事件の始まる場所であり、謎が隠されたダ・ヴィンチの絵画を所蔵しているという点においても、この物語の象徴的存在といえるのがルーヴル美術館。ここで撮影許可が下りたことは、映画のスタッフ&キャストにとっても大きな喜びだった。

トム「撮影できたのは夜間。ルーヴル美術館は、昼間は客で混雑しているけれど、夜は誰もいなくて『モナ・リザ』と2人きりになれるというスペシャルな体験が味わえた」

ジャン「もちろん『モナ・リザ』は誰もが知っている名画だけど、私はこの絵の前に立つたびに、異なる感情がわきあがるのを感じたんだ。これがダ・ヴィンチの才能なんだと、改めて認識した。私は決して絵画の愛好家ではないけれど、この映画のおかげで絵画の魅力が分かったような気がするね」
KEIKOの今月公開のオススメ3本
『ママが泣いた日』
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穏やかに心の奥を揺さぶる
母と4人姉妹の家族ドラマ


 アメリカ東部で幸せに暮らしていたはずのミドルクラスの主婦がヒロイン。郊外の広い家を切り盛りしてきたのに、夫が何も告げずに突然失踪してしまった。どうやら夫は浮気相手の秘書と駆け落ちしたらしい。裏切られた悲しさ、4人の娘たちに対する責任感や不安。さまざまな思いを“怒り”という名のエネルギーに変え、時にヨレヨレになりながらも気丈に生きていく彼女の姿がとてもリアルでチャーミング。驚愕の事実が待ち受ける3年後、ラストに揃って登場する一家の成長ぶりが我がことのように嬉しく感じられる。

出演/ジョアン・アレン『愛をつづる詩』、ケヴィン・コスナー『13デイズ』 ●6月3日よりアミューズCQNほかにて全国順次公開
『13歳の夏に僕は生まれた』
『13歳の夏に僕は生まれた』
感受性豊かな思春期の少年が
初めて出会うイタリア社会の現実


 現代イタリアが抱える問題をテーマに、子供から大人へと成長する少年のひと夏の体験を、瑞々しく描いた社会派ドラマ。会社を経営する両親のもとで裕福な生活を送るひとりっ子の少年が、地中海クルージングに出かけた際、真夜中の海に転落。運良く助けられた彼が目覚めたのは、不法移民たちがひしめく密航船の中だった。無垢な少年の目に映る現実は、同情や慈善だけで改善できるほど甘くはない。労働力の減少、急増する移民といった社会現象は、今や私たちみんなが直面している問題なのだと改めて実感する。

監督・脚本/マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ『輝ける青春』●6月3日よりBunkamuraル・シネマほかにて全国順次公開
『嫌われ松子の一生』
『嫌われ松子の一生』
ひとりの女の壮絶な人生を描く極上エンターテインメント

 昭和22年、福岡県生まれの主人公・川尻松子の波乱万丈の人生を綴ったベストセラー小説をファンタジックな演出で映画化。教師からソープ嬢になったあげくに、殺人まで犯して刑務所へ……。そんな人生が、目にもまぶしい極彩色の映像とポップな音楽、華麗な美術で彩られることに、最初は度肝を抜かれるはず。しかし物語が進むにつれ、どんなに男運が悪くとも全身全霊で相手を愛し、夢を見続ける松子の生きざまが慈しむべきものに思えてくる。ジャンルを超えて集まった個性的な俳優陣の競演も最高。

監督/中島哲也『下妻物語』 出演/中谷美紀、香川照之、伊勢谷友介、黒沢あすか、柄本 明 ●シネクイントほか全国東宝系にて公開中
Profile: 石塚圭子

フリーライター。Graziaをはじめ、女性誌各誌で活躍中。
映画コラムをはじめ、幅広くカルチャーコラムを手掛ける。わかりやすい解説と独自の鋭い視点には定評がある。