定期購読のお申し込みはこちらから女性誌ネットはこちら
Home
Interior
Food
Travel
Culture
Beauty
Fashion
Grazia Models
Backstage
今月のGrazia
Present&Info
Culture Topへ
Backnumber
オーランド・ブルーム/来日会見レポート

 美しきエルフ族のレゴラス役に抜擢された『ロード・オブ・ザ・リング』で世界中の注目を集めて以来、わずか数年でスターダムへと駆け上った美形俳優、オーリーことオーランド・ブルーム。『ロード〜』三部作以降も、ジョニー・デップと共演した『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』や、ブラッド・ピットと共演した『トロイ』、最近ではリドリー・スコット監督による主演作『キングダム・オブ・ヘブン』など、出演作は冒険ものや歴史大作系ばかりが続いていた。そんな彼が今回ついに、現代劇に登場する。

「とにかく剣を使わず、馬にも乗らず、鎧も着なくてすむ作品に出会えたことは、とても素晴らしかったですね(笑)。実を言うと、以前から現代劇にも出てみたいと思っていたんですが、現代劇で、しかもアメリカ人の青年役は初めての体験でした。とはいえ、僕がこの映画に惹かれた一番の理由は、何といっても監督のキャメロン・クロウの存在です。イギリス人の僕からすると、彼は非常に典型的なアメリカ人の監督であり、その中でも最高峰です。アメリカ文化のことをよく知っていて、“アメリカ”というものをしっかり把握している。そのうえ、非常に情熱的で魂のこもった映画を作る監督なので、ぜひ彼の下でアメリカ映画に出たいと思いました。僕が彼の監督作で特に好きなのは『ザ・エージェント』と『あの頃ペニー・レインと』なんです」



©2005 by Paramount Pictures.

 その『ザ・エージェント』に主演し、『バニラ・スカイ』でもキャメロン・クロウ監督とコンビを組んだ大スター、トム・クルーズが本作ではプロデューサーとして参加した。

「トムは何度もセットに来てくれました。昔から彼は僕にとって、お手本にできる、すばらしい俳優で、ずっと尊敬しています。彼からのアドバイスは、特に役作りをする上で参考になりました。それは『まず自分の感情を極限まで高めること。そしてその後、監督の演出にしたがって、少し感情を抑えればいいのだ』というものです」 
 オーリーが演じるのはスニーカーの若手デザイナー、ドリュー。理想的な人生を送っていたのに、ある日いきなり会社をクビになり、恋人にも去られ、父親まで急死してしまう。当初は生きる気力すら失った彼だったが、父の故郷で親戚をはじめとする様々な人たちや新しいロマンスと出会うことによって、傷つき疲れた心を少しずつ癒していく――。

KEIKOの今月公開のオススメ
オーランド・ブルーム/来日会見レポート
『エリザベスタウン』
©2005 by Paramount Pictures.
 世界的なシューズ会社に勤めるデザイナーのドリュー(オーランド・ブルーム)は、新しく手がけたスニーカーの開発プロジェクトが失敗したことで、会社をクビになってしまう。自殺まで思いつめた彼に追い討ちをかけるように知らされた父親の死。葬式の準備のため、失意のまま父の故郷へと向かったドリューは、行きの飛行機の中で、明るく親切なフライト・アテンダントのクレア(キルスティン・ダンスト)と知り合うのだが……。

監督・脚本
・製作
キャメロン・クロウ
『あの頃ペニー・レインと』
出演 オーランド・ブルーム
『ロード・オブ・ザ・リング』三部作
キルスティン・ダンスト『スパイダーマン』シリーズ
スーザン・サランドン『デッドマン・ウォーキング』
配給 UIP映画
●●日劇1ほかにて全国順次公開中
「監督が書いた脚本も大好きです。ドリューを取り巻く人間関係がとても魅力的で。脚本を読み終えて、すぐに監督に電話して『ご一緒できたら最高です』と伝えました。これは、終わりから始まって、始まりで終わる物語です。映画の冒頭、ドリューは自殺したいくらいの大失敗を起こして、人生のどん底にいます。でも、彼は心を打つ素晴らしい旅を体験することで、生きる喜びや家族と一緒にいられる喜び、そして人を愛する喜びを実感します。彼の心境が変化していく過程は、実際に演じていて、とても気持ちが高揚しましたね。誰でも失敗することはありますが、大切なのは、ドリューのように、いかに立ち直っていくかということ。誰が観ても、深く共感できる映画だと思います」

 クライマックス、父の故郷ケンタッキー州を車で出発したドリューは、自宅を目指しながら、ミシシッピやメンフィス、ニューオーリンズなど、いろいろな場所をめぐっていく。その場所ごとに、イメージとぴったり合った最高の音楽とともに流れるアメリカの風景は、おおらかで、どこか懐かしくもあり、私たちの旅心を大いに掻き立ててくれる。

「ハートランドと呼ばれているケンタッキー州の土地で撮影をしてきましたが、とにかく広大なところでした。見渡すかぎり草原がずっと続いていて、特に木の柵が美しかったのが印象に残っています。スコッツグロスという街に泊まっていたんですが、撮影後は、そこから愛犬と一緒に車でL.A.まで2日間かけて帰り、僕自身もロード・トリップを楽しみました。この映画を観た後、みなさんが旅に出たり、家族とドライブに行ったりしてくれたら最高ですね!」
 
KEIKOの今月公開のオススメ3本
『ある子供』
『ある子供』
若者が抱える問題にスポットを当てたスリリングなヒューマン・ドラマ

 現代社会が抱える問題を常に真正面から見つめ、忘れがたい作品へと昇華させてきたベルギーの名匠ダルデンヌ兄弟。2005年度カンヌ国際映画祭でパルムドール大賞を受賞した新作では“大人になれない若者”を主人公に取り上げている。定職につかず、その日暮らしをしている20歳の青年ブリュノ。ある日、恋人が出産するが、彼は親になった実感が持てないまま、赤ん坊を闇取引で売りさばいてしまう――。手に汗を握り、彼の行動を見守り続けながら、日本の若者たちについても思いをめぐらさずにはいられない。

監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ『息子のまなざし』 ●12月10日より恵比寿ガーデンシネマほかにて全国順次公開
『ポビーとディンガン』
『ポビーとディンガン』
子供の純粋さを通して伝える“信じる気持ち”の大切さ

 “21世紀の『星の王子さま』”と言われるベン・ライスのベストセラー小説を映画化。11歳の少年アシュモルの悩みは、妹がいつも空想上の友達ポビーとディンガンと遊んでいること。しかし「2人がいなくなった!」と言い出した妹が重い病気にかかってしまったため、アシュモルはついに“2人の友達”を探すことを決意する。単なる子供の空想が、やがて両親をはじめ、街の住人の心にも変化をもたらしていくことに対する爽快な感動。目に見えないものを信じる気持ち、信じたい気持ちは、私たち大人にだってあるのだ。

監督・脚本/ピーター・カッタネオ『フル・モンティ』 出演/サ
ファイア・ボイス ●恵比寿ガーデンシネマほかにて全国順次公開中
『NOEL(ノエル)』
『NOEL(ノエル)』
豪華キャストの競演で贈るクリスマス・イヴの愛の奇跡

 ウディ・アレン監督の『ブロードウェイと銃弾』などで知られる個性派俳優チャズ・パルミンテリの監督デビュー作。ロマンティックな冬景色のニューヨークを舞台に、それぞれ心に悩みを抱えた人々の愛のドラマが、温かい視線で描かれていく。なかでもスーザン・サランドン演じる、母親の看病に明け暮れるバツイチ独身女性の思いやり深いキャラクターが魅力的だ。クリスマスの聖なる夜にふさわしく、超自然的な要素もさりげなくプラス。観た後は自分を取り巻く身近な人々にもっと優しくしたいと思えるはず。

出演/スーザン・サランドン『テルマ&ルイーズ』、ペネロペ・クルス『バニラ・スカイ』 ●12月10日より東劇ほかにて全国順次公開
Profile: 石塚圭子

フリーライター。Graziaをはじめ、女性誌各誌で活躍中。
映画コラムをはじめ、幅広くカルチャーコラムを手掛ける。わかりやすい解説と独自の鋭い視点には定評がある。