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ペ・ヨンジュン、ソン・イェジン、ホ・ジノ監督



 “他人がすれば不倫、自分がすればロマンス”、そんな愛のアイロニカルな断面を描いた韓国発の話題作『四月の雪』がついに公開される。通俗的なニュアンスを持つ“不倫”というテーマを、せつなく、しっとりとした大人の恋愛映画に昇華させたのは、韓国の名匠ホ・ジノ監督。小津安二郎監督を敬愛し、韓国恋愛映画の金字塔ともいわれる『八月のクリスマス』を撮った監督として日本でも人気だが、彼の新作がこれほどまでに注目を集めたのは、やはり主演男優ペ・ヨンジュンの威力である。

 映画のイベントには2万5千人ものファンが集まり、あまりに感激した彼は控え室で号泣! 泣きすぎて目が腫れてしまい、翌日の記者会見では『疲れている?』と報道陣から心配されるほどだった。ちなみに報道陣の数も1000人を超え、新作プロモーションとしては過去最多。あのトム・クルーズの記録を抜いてしまうほどのフィーバーぶりなのだ。

 ヨン様が本作で演じるのは、妻が交通事故で意識不明になり、さらに、そのとき車に同乗していた男と不倫関係だったことを知ってしまう男。実際、自分に同じことが起こったら……と想像するだけでも、つらい役どころだ。


KEIKOの今月公開のオススメ3本

「四月の雪」
『マダガスカル』
 ある日、妻の交通事故の知らせに病院へ駆けつけた男インス(ペ・ヨンジュン)。そこには、泣き崩れているひとりの女ソヨン(ソン・イェジン)がいた。そして、ふたりに突きつけられる事故よりも残酷な現実。インスの妻と、ソヨンの夫が、同じ車に乗っていたのだ。残されたデジカメの映像や携帯電話のメールなど、互いが信じていた伴侶の裏切りを示す数々の証拠もあった。絶望するふたりは複雑な思いで、それぞれ意識の戻らない伴侶の看病を続けていく。やがて、苦しみや悲しみを共有し、いつしか互いの支えになっていることに気づいたインスとソヨンに、こらえきれない想いが募り始める。それが、かつて自分たちが愛した妻や夫と同じ過ちを犯すことになるのを予感しながら――。

監督 ホ・ジノ
『八月のクリスマス』
出演 ペ・ヨンジュン
『冬のソナタ』(ドラマ)、『スキャンダル』
ソン・イェジン
『ラブストーリー』
配給 UIP映画
●9月17日より日比谷スカラ座ほかにて全国順次公開

© Show East Co., Ltd.
© Blue Storm Co., Ltd.
ユニバーサル映画/IMX提供UIP配給

ペ・ヨンジュン「私が演じたインスという人物は、肉体的にも精神的にも健康な男性です。でも、彼は情熱的な恋愛はあまりしてこなかったのではないかと思います。これまでは撮影前に自分でキャラクターを作り上げてから演技に臨んでいたのですが、今回はホ・ジノ監督の方針で、実際に自分がその人物になりきり、その状況に身を置いたときの感情を表現するというやり方でした。インスと同じように感じるのは、とても大変でしたね」

 劇中、インスと同じ立場に立たされ、やがてインスと愛を求め合うようになるヒロインのソヨン役に抜擢されたのは、清純なイメージと妖艶な雰囲気を併せ持ち、韓国映画界の宝石と呼ばれる若手女優ソン・イェジン。彼女がヨン様と共演してみた感想は?

ソン・イェジン「責任感を強く持っていらっしゃる方ですね。常に多くのファンに見つめられ、期待されていることからも、本当に誰よりも一生懸命、熱心に演じていました。演技に対する情熱も素晴らしくて、私ならとてもあそこまではできない、と思うことも。気遣いも細やかで、私が自然にソヨンになれるようにサポートしてくれました」

 優しそうな(ヨン様演じる)インスだけに、彼の口から「いっそ、死んでくれればよかったのに」「妻が目覚めたら復讐したい」といった言葉が出るのが衝撃的だ。

ペ・ヨンジュン「映画の最初の頃は裏切りに対する感情が表れていたのだと思います。『復讐したい』というのは、彼の本心ではないでしょう。インスははじめこそ怒りを抱いていましたが、やがてソヨンを想うようになるうちに、妻の裏切りや愛、人生について理解するようになっていきます。付け加えますと、私自身が考える最大の復讐は無関心ですね」

ソン・イェジン「ソヨンは最初、夫の行動が理解できません。自分というものがありながら、なぜ不倫をするのか? という気持ちがとても強かったと思います。でも、ソヨンはインスと出会ったことで、夫を理解し、許すようになっていくのです。最大の復讐についてですが、相手がしたことと同じことをして、相手に見せるという方法もありますよね」

ホ・ジノ監督「復讐や怒りという気持ちを忘れるための一番いい方法は、やはり他の人を愛することではないでしょうか。私の経験から出た話ですが(笑)。人生がそうであるように、人もまた美しい部分と醜い部分を持ち合わせています。とても美しく見えるものでも、別の視点に立つと、本人にとっては大変つらいものだったりする。そんなことを考えながら、この映画を撮ってきました。『四月の雪』は、愛で傷ついた人たちにとって、少しでも慰めになれば、という想いをこめて作りました」。

ペ・ヨンジュン「愛やそのほかすべての物事について、さまざまな存在の仕方があるのだということを今回の映画を通して知りました。以前は自分なりの考えや基準を決めて、その中だけで動いていたのですが、人生や愛について理解の幅が広がったような気がしますね。『四月の雪』は、私を成熟させてくれたと思います」

 誠実で真面目で情熱的なヨン様の魅力がたっぷりつまったこの映画。ヨン様ファンはもちろん、そうでない人にとっても、愛について深く思いを馳せる、よいきっかけを与えてくれるはず!
KEIKOの今月公開のオススメ3本
『理想の恋人.com』
『理想の恋人.com』
バツイチ30代男女が奮闘する現代的なロマンティック・コメディ

 手痛い離婚を経験したあと、家族の強いすすめで、出会い系サイトに登録するはめになった30代のヒロイン。とんでもない男たちとデートを繰り返すうちに、1人だけ、「もしかすると」と思える人物に出会うのだが……。これまで恋のいくつかは経験してきたはずなのに、30代になって恋愛の仕方が振り出しに戻ってしまう主人公の心理描写に共感する人も多いはず。また、離婚した女性は恋のときめきをくれるデート相手を探しているのに、男性は即人生のパートナーを求めているという男女間のギャップもリアルだ。

出演/ダイアン・レイン『運命の女』、ジョン・キューザック『ニューオーリンズ・トライアル』
●10/1(土)、東劇ほかにて全国ロードショー
「理想の恋人.com」
日本語特設サイト
http://www.riso-no-koibito.com
ワーナー・ブラザース映画オフィシャルサイト
http://www.warnerbros.jp
『旅するジーンズと16歳の夏』
『旅するジーンズと16歳の夏』
初めて人生と向かい合った、あの特別な季節の記憶

 世界30ヵ国以上で翻訳され、あらゆる世代から圧倒的な共感を集めた大ベストセラー『トラベリング・パンツ』の映画化。幼い頃から一緒にいた親友同士の4人の少女たちが、初めて別々に過ごす夏休みが4つの物語として描かれていく。家族、友情、恋、生と死……。人生の中にひそむ痛みや絶望に直面し、それらを大人の手を借りずに乗り越えていかなければならないと悟る彼女たちの姿が、思春期の頃の自分と重なって見える。過去から勇気をもらうためにも、大人になった今だからこそ、ぜひ観てほしい大切な1本。

18歳以上の女性3人以上のグループなら、1人¥1000の特別プライスを実施中 
●恵比寿ガーデンシネマほかにて全国順次公開中
http://wwws.warnerbros.co.jp/
sisterhood/

『愛をつづる詩』
『愛をつづる詩』
文化の違いを乗り越えて絆を育んでいく男女の愛の軌跡

 冷めた夫婦生活に絶望を感じているアメリカ人女性と、祖国に幻滅し、イギリスへと亡命してきたレバノン人男性。文化的背景のまったく異なる男女が出会い、ぶつかり合いながらも、やがて互いにとって、かけがえのない存在になっていく。抒情詩人でもある英国の女性監督が書いた台詞は、すべて韻をふんでいるというこだわりぶり。登場人物から紡ぎ出される言葉のリズムは耳に心地よく、絵画のように計算しつくされた映像は、彼らの心情を鮮やかに映し出す。一篇の美しい散文詩を味わうような感覚を楽しんで。

監督/サリー・ポッター『耳に残るは君の歌声』 出演/ジョアン・アレン
●10月上旬よりシャンテ シネほかにて全国順次公開
http://www.gaga.ne.jp/yes/
Profile: 石塚圭子

フリーライター。Graziaをはじめ、女性誌各誌で活躍中。
映画コラムをはじめ、幅広くカルチャーコラムを手掛ける。わかりやすい解説と独自の鋭い視点には定評がある。