
孤独だらけの時代に生きる、
絶対に離れない夫婦の軌跡
初めての子供の死を機に心を病んでしまった妻と、ずっと彼女のそばに寄り添う夫の10年にわたる物語。夫の職業は法廷画家で、宮崎勤事件や地下鉄サリン、音羽幼女殺人事件といった、今なお記憶に残る数々の社会的事件の法廷シーンが、臨場感たっぷりに挿入される構成が秀逸だ。バブル崩壊からの激変の時代とリンクするように、夫婦も人生の壮絶な局面を体験するが、強い絆で結ばれた2人はいつしか再生していく。映画初主演の木村多江とリリー・フランキーが、夫婦の間に流れる温もりに満ちた愛を体現。
監督・脚本/橋口亮輔『ハッシュ!』 出演/木村多江、リリー・フランキー ●6月上旬よりシネマライズほかにて全国順次公開 |

ウィットに富んだ会話の応酬と怒濤のカルチャーショックに共感
才能と野心溢れるフランス人女優ジュリー・デルピーが、監督、脚本、製作、主演、音楽、編集、さらに主題歌まで担当したユーモラスなラブストーリー。付き合って2年になるフランス人の写真家とアメリカ人のインテリア・デザイナーが、パリで過ごす2日間。おしゃれな方向には流れず、フランス女とアメリカ男との典型的なカルチャー・ギャップを、とことん面白おかしく描ききったセンスは、アメリカ暮らしの長いジュリーならでは。実の両親や元カレをキャストに迎えたことで、アットホームな雰囲気がにじみ出ている。
監督・脚本・出演/ジュリー・デルピー 出演/アダム・ゴールドバーグ ●5月24日より恵比寿ガーデンシネマほかにて全国順次公開 |

世界の欺瞞に立ち向かう命知らずのジャーナリストたち
エスクァイア誌に掲載された驚愕の実話を映画化。紛争終結から数年が経ったボスニアで、人間味溢れる3人のジャーナリストが、民族浄化の名のもとで大虐殺をおこなった戦争犯罪人を追跡する。丸腰の記者たちが、国連やCIAにも逮捕できない重要戦争犯罪人にどうやって近づくのか。“事実は小説より奇なり”の冒険が、スピーディなテンポでぐいぐい進んでいく。戦場リポーターがやみつきになる麻薬的なスリルへの渇望を織り込みつつ、TVの報道を鵜呑みにしがちな私たちの心に一石を投じる痛快エンターテインメント。
出演/リチャード・ギア、テレンス・ハワード『クラッシュ』、ダイアン・クルーガー ●5月10日よりシャンテシネほかにて全国順次公開
|