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Text by Hiroko Shiomi
今月号のGrazia「Culture Windows」ページで紹介の新刊本情報を、カラーでごらんいただけるWEB版「Culture Windows」。Grazia読者に読んでほしい、オススメの4冊をご紹介しています。人生を変える1冊や、心癒される1冊と出会えるかも。
日本映画史の中でもひときわ輝く、香川京子さんのひたむきな生き方
『愛すればこそ スクリーンの向こうから』
『愛すればこそ スクリーンの向こうから』今年、映画デビュー60周年を迎える香川京子さん。長い映画人生の中で出会った名監督や大スターのエピソードは、映画ファンならずとも興味津々。映画『東京物語』の撮影現場で耳にした小津安二郎監督の心に残る言葉。断食して体重を落として臨んだ『ひめゆりの塔』。長谷川一夫や三船敏郎たちの意外な素顔にも驚かされる。一本の映画を撮るのにどれだけ多くの人の心血が注ぎこまれたのかを思い知らされる一冊。

『愛すればこそ スクリーンの向こうから』
香川京子/著 勝田友巳/編
毎日新聞社刊 2310円
心のひだに埋もれている想いが静かにあぶり出されてくる
『エッセンス・オブ・久坂葉子』

『エッセンス・オブ・久坂葉子』1931年、名門の家に生まれた美貌の人、久坂葉子。19歳で芥川賞候補作家になり、21歳で自殺した彼女の作品が今再び注目されている。どこか太宰治にも通じる倦怠感や絶望感、恋に酔いながらも冷めた眼で破局を見据える聡明さが作品のいたるところで光っている。今回は各方面に散っていたエッセイや短篇、詩、そして亡くなる日に書きあげられた『幾度目かの最期』などを丁寧に集め、収録。きらめく才能が眩しい。

『エッセンス・オブ・久坂葉子』
久坂葉子/著 早川茉莉/編
河出書房新社刊 1680円

自分の生き方は自分で決める。そう決心した女たちは髪を切った
『断髪のモダンガール 42人の大正快女伝』
『断髪のモダンガール 42人の大正快女伝』大正時代、女性が長い黒髪を切ることは、自分の生き方の表明であり、心意気だったという。吉屋信子、宇野千代、野上弥生子、川上貞奴……この本に登場する42人の女性もみな、自分の頭で考え、これだ! と思うものに出遭ったら、命を懸けてその道に邁進した。そこにあるのは人並みはずれたパワーと、上を目指す気持ち。最近、緊張感に欠ける生き方をしているなと思ったら、破天荒セレブたちの生きざまを参考に!

『断髪のモダンガール』
森まゆみ/著
文藝春秋刊 1799円
格好よく潔くあるためには、そうだ、こう生きればいいのだ!
『役にたたない日々』
『役にたたない日々』名作『100万回生きたねこ』の作者・佐野洋子さんが、70歳を目前にますます快調だ。乳がんが骨に転移し、余命2年と宣告された日、その足でイングリッシュグリーンのジャガーを買いに行ったり、韓流ドラマにはまって顎が外れたり。そんな日常の奥に潜む人間心理を説教臭くなく気づかせてくれるのも佐野さんらしい。抗がん剤や延命治療を拒否してすでに1年。これからももっと、佐野さんの言葉に触れたい!

『役にたたない日々』
佐野洋子/著
朝日新聞出版刊 1575円
Profile: 塩見弘子

フリーライター。Graziaをはじめ他女性誌で、作家および各界で活躍する人物インタビューを中心に執筆。最近は「心と体の関係」にも注目。養生の本も手がけている。趣味は猫と遊ぶこと。