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忌み箸は24種も! 知っておきたい箸遣いと食べ方のマナー [おとなスタイル]

2018年04月05日(木) 10時00分配信

岩下宣子さんの「大人のマナーレッスン」

冠婚葬祭や訪問時、食事でのマナーや立ち居振る舞いなど、その場になって慌てたり、知らずに恥をかいていたという経験があるという人も少なくないはず。とはいえ「今さら聞けないし……」と気になってはいても、ついついそのままになってしまいがち。
「マナーのルールを知っておけば、心に余裕が持てるようになります。人とのおつきあいにおいて、『これはどうすればいい?』とその都度悩んだり、迷っていては、自分のことで精一杯になり、他者を思いやる心が持てません。マナーのルールは、先人たちが、私たちに思いやりの心を発揮できるように、今に伝えている生活の知恵なのです」と語るのは『社会人の基本 マナー大全』の著者であるマナーデザイナーの岩下宣子さん。
そんなマナーの中でも、「社会人なら知っておきたい、大人ならできて当然」といった基本となるマナーを厳選し、岩下さんに教えていただきました。
今回の「大人のマナーレッスン」は、「箸使いと食べ方NG&マナー集」。ビジネスからプライベートまで食事の席で恥をかかないための基本的なルールをうかがいました。

毎日使うからこそ知っておきたい やってはいけないNG箸使い

どれから食べようかと箸をウロウロさせたり、料理を突き刺したり……。これらは「忌み箸」と呼ばれ、昔からやってはいけない箸の使い方。日本人にとって、食事には欠かせない箸ですから、当然一緒に食事をする人もあなたの箸使いを見ています。箸使いのルールや決まりは、人を不快にさせないためでもあると心得ましょう。
長い間の習慣で、箸の使い方は癖になっています。一朝一夕でそう簡単に直せるものではないでしょう。ですからまずは、忌み箸にどんなものがあるかを知り、ビジネスや公の場ではしないようにすることから始めてください。そのうえで、普段の食事のときから、家族同士で指摘しあうなどして、正しい箸使いを心がけることをおすすめします。
これはNG! 知ってる!? 忌み箸は24もある!

忌み箸2

これはNG! 知ってる!? 忌み箸は24もある!

●あげ箸
口より上に箸を上げること。料理を落としやすい。

●移し箸(拾い箸)
箸から箸へ料理を受け渡すこと。火葬後のお骨拾いの箸使い。

忌み箸3

●移り箸
おかずからおかずへ連続して箸をすすめること。ご飯を一口挟むと、前のおかずの味が残らない。

忌み箸4

●刺し(突き)箸
料理を突き刺すこと。

忌み箸9

●すかし箸
魚の骨の間から下身をかき出すこと。

●そら箸
器まで箸を近づけておいて、料理をとらないこと。

●竹木箸
ふぞろいの箸で食べること。弔時のお骨拾いでは、竹と木の箸を使う。

●握り箸
器を持っている手で箸を握るように持つこと。

●ねぶり箸
箸の先をなめること。

忌み箸11

●振り箸
箸の先についた汁などを振って落とすこと。

●迷い箸
どれを食べようかとお膳の上で箸をうろうろさせること。

忌み箸13

●こすり箸
割り箸を割ったときにできたササクレをこすって落とすこと。引っ張れば取れる。

●込み箸
箸で料理を口の中にいっぱいつめ込んでほおばること。

忌み箸15

●逆さ箸
箸を逆さにして、手が触れるところで食べ物を取ること。

●探り箸
かき回して器の中身を探すこと。

忌み箸17

●指し箸
箸で人や料理を指し示すこと。

●たたき箸
箸で器をたたくこと。

忌み箸19

●立て箸
箸をご飯に差して箸休めをすること。弔時の枕飯を連想させる。

●ちぎり箸
箸を1本ずつ両手に持って料理をちぎること。

忌み箸20

●涙箸
料理の汁や醤油をポタポタ垂らしながら口に運ぶこと。

忌み箸21

●もぎ箸
箸の先についたご飯粒を口で取ること。

忌み箸23

●楊枝箸
箸を爪楊枝の代わりに使って歯をほじること。

●寄せ箸
箸で器を引き寄せること。
●渡し箸
箸を器の上に渡して置くこと。

上手な食べ方を知れば 食べにくい料理が食べやすく!

日本料理の鮎の塩焼きや天ぷら、中華料理の小籠包や大きな包子などの食べにくい料理も、できれば美しく、上手に食べたいものです。特にビジネスやお祝いの席などの食事では、「食べ方がわからず困った」という経験がある人も多いのではないでしょうか。そんな時でも上手な食べ方の知識があれば、慌てることなく対応できます。また、上手な食べ方をすれば、食べにくさがなくなり、料理をより美味しく、美しく食べることができようになるものです。
そこで、ここでは食べにくい、食べ方がわからないという声の多い代表的な料理とともに、間違った食べ方をしやすい料理をいくつかピックアップして、正しい、上手な食べ方を紹介していきます。
食べにくい料理の上手な食べ方

頭を箸と逆の手で持ち身と骨を離す。焼きたての熱いうちのほうが、骨を外しやすい。 →箸で身を押さえながら頭をゆっくり引っ張る。

食べにくい料理の上手な食べ方

【日本料理】

●鮎の塩焼き
骨を抜いてから食べる

手前に味の淡泊なもの、奥に味の濃いものが盛りつけられている天ぷら。盛りつけをくずさないように、手前から箸をつけて順番に食べていく。 → 天つゆをつけるときは必ず器を持つ。 →天つゆは、天ぷら全体をひたさずに、一口食べる分だけつける。

●天ぷら
盛りつけの手前から順に食べる
●寿司
握り寿司はネタに醤油をつける

寿司を倒してから、ネタとご飯を箸で挟む。

ネタに醤油をつける

大きな握り寿司は先にご飯を半分食べる
はじめにご飯を半分だけ食べる。

残りのご飯をネタで巻いて食べる

【中華料理】

●小籠包
ちりれんげにのせて食べる
箸の先端をなるべく使わないようにして挟み、小籠包をいったん皿に取る。

小籠包をちりれんげに移し、タレをからめた針生姜を添え、箸で皮を破ってから一口ずつ口に運び、肉汁はちりれんげからそのまま飲む。

●包子・春巻き
大きな包子、春巻きは一口大にする
大きい包子は、半分ぐらいに手で割る。片方は皿に戻し、もう片方は、具や汁がこぼれないように割った面を上にして口に運ぶ。半分でも大きいものは、半分に割ってからさらに一口大に。

●春巻き
一口大に箸で割って口に運ぶ

春巻きの端は皮が重なって割りにくいため、真ん中あたりを箸で割る。大きいものはさらに一口で食べられる大きさに割ってから口に運ぶ。

岩下 宣子(いわした のりこ)


「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事長。1945年、東京都に生まれる。共立女子短期大学卒業。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとで学ぶ。’84年、現代礼法研究所を設立。マナーデザイナーとして、企業、学校、商工会議所、公共団体などでマナーの指導、研修、講演と執筆活動を行う。『知っておきたいビジネスマナーの基本』(ナツメ社)、『ビジネスマナーまる覚えBOOK』(成美堂出版)、『好感度アップのためのマナーブック』(有楽出版社)、『図解 マナー以前の社会人常識』 『図解 マナー以前の社会人の基本』(講談社+α文庫)など著書多数。

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